YDさん
この手紙は、あなたと会う時が来る時に備え、現時点での最低限の私の気持ちを伝える目的で書きました。その時、話し合いが先祖の為に、良い方向へと進む事を希望して。
私はあなたの気持ちを思い、話し合いの日を、Y氏が亡くなってから49日が明けてから、本葬が終わってからと考え、あなたからの連絡を待ちましたが一切ありませんでした。
YA氏が亡くなって以降の私の先祖に対する礼節の無い、僧侶とは思えない行動は、全く私を情けない気持ちにさせると同時に、非常な苦しみと悲しみ、そしてやりきれない気持ちにさせました。日本仏教の根底は、祖先崇拝、祖霊信仰にある事は間違いありませんね。あなたも先祖を大事に考えていらっしゃるはずです。だから、私の先祖もご自分の先祖と同じように大事に考えて頂きたい。
この点は私にとって非常に大事です。この点に同意してから読んで頂きたい。
さて、先日あなたの上司のYさんから、あなたが「対応は弁護士に任せている」と言っていると聞かされました私はこの点についてはあなたから一切聞いていません。Iさんからはあなたが「月照寺の代表役員ではない」と聞きました。はっきりさせましょう。あなたは責任役員、代表役員である前に、次の住職が決まるまでの間、まだ月照寺で宗教活動を行う僧侶であるのです。それゆえ私はこれまであなたに、月照寺での僧侶としての心構えを知らせてほしいと訊ねてきました。僧侶として月照寺を如何に護持、管理、運営していかれるのか? 添付の「宗教法人とは何か?」に書かれている、宗教活動面についてのみお訊ねしてきました。どうやら貴方の頭の中では、非俗としての「僧侶」としての役目はどこかに消えており、「僧侶」としての役目(宗教活動面)を世俗活動において実現する為の職分である所の、責任役員及び代表役員の立場での発想しか持っていないように推測します。だからあなたは、自分が僧侶として松平の子孫の私に会う必要はないと考え、私への対応は全て弁護士に任せておけば良いと考えたのです。再度お訊ねします。①なぜ、あなたは僧侶になったのですか? ②僧侶になって、住職になって、一体何をなさるのですか?葬儀と法要だけですか?
貴方は、この質問に明確に答えられますか?答えられないでしょう。あなたの僧侶になった目的は、家業としての既得権益確保を目的とした世襲制による住職ではありませんか?寺院における葬儀と法要以外が本当の僧侶としての仕事なのです。分かって頂けますか?添付の「月照寺の移り変わり」に書いてあるように、月照寺は既得権益確保の為の住職の世襲が世間で受け入れられている「檀家寺」ではありません。私の先祖が建立した檀家が存在しない「由緒寺」です。簡単に「世襲しよう」と考えて頂きたくない。ましてや「二兎を追うもの一兎も得ず」です。あなたには自分で選んだ、僧侶とは別の仕事があるのですから、なぜ、住職の仕事をしなければならないのか疑問です。僧侶、住職の仕事を、人任せにできると考えているのなら、その考えは東林寺の檀信徒を馬鹿にしているのではありませんか?
好きな仕事につけただけでも「天」に感謝しなさい。それ以上は「我欲」でしかありません。
話しを元に戻しますが、寺院における活動は、僧侶として行う「宗教活動」が基礎であり始まりであり全てです。その「宗教活動」を世俗において実現する必要がある場合の法律手続き等の補完活動としての「世俗活動」が責任役員及び代表役員の仕事になると考えます。結論は、僧侶としての「宗教活動」が「主」であり責任役員としての「世俗活動」が「従」であります。先ず寺院においては、僧侶としての立場で全ての物事を考えて頂きたいと希望しますし、今後は、私にも僧侶の立場で対応して頂きたいと要望します。