浄土宗僧侶の劣化と浄土宗宗務庁の世俗化その1

14枚つづりの報告書は、平成29年の「不昧公没後200年」の年に不昧公の子孫の1人として月照寺の庫裏の中から、不昧公をお迎えする決意を平成28年、松江市民の皆様にお知らせする目的で作成そして配布したものです。同時に浄土宗出雲教区松江組全寺院の住職そして70名の浄土宗宗議会議員の方々にも配布した報告書です。14ページの報告書中、9ページから12ページまでは必ずお読みください。この4ページの中に、「浄土宗僧侶の劣化と浄土宗宗務庁の世俗化」の実態がはっきりと映し出されていると確信しています。勿論この4ページ以外の残り10ページにも「浄土宗僧侶の劣化と浄土宗宗務庁の世俗化」の実態が映し出されています。

宗教法人における浄土宗(本宗)と浄土宗寺院との関係は「包括・被包括関係」であり、包括宗教法人・浄土宗の法規である「宗門法制」と被包括宗教法人月照寺及び東林寺の「寺院規則」との関係は、相互契約によって相互に効力を持っています。従って、月照寺が財産処分を行う場合は浄土宗の代表役員の承認を得る為に、浄土宗(本宗)へ財産処分承認申請書を提出する義務があり、一方、浄土宗(本宗)の代表役員は月照寺から提出された承認申請書を精査し、宗教法人法・宗門法制・寺院規則に違反していなければ、承認を与える義務があります。

過去の出来事 - その1

宗教法人月照寺の歴代責任役員は、不昧公の直系の子孫である松島久子と不昧公の直系の子孫ではない10代定安公の子孫である14代松平直国氏、15代松平直壽氏、そして三谷彰氏に月照寺に境外地が存在する事実を長年にわたり隠し、知らせず、昭和60年と昭和61年に東林寺住職家族の住居を兼ねた月照寺庫裏と茶店一心庵を建設する目的で、境外地3337.55㎡(約1011坪)を公示価格約3億1千万円の約半額1億4千万円で当時の月照寺借地人に売却した。公示価格と売却価格の差額は、約1億7千万円になる。

(なぜ、売却できたのか?)

  1. 現松平家一族の月照寺墓所に対する無関心及び無責任を起因とする。
    津山藩から九代齊貴公の養子に入り松江松平家家督を継いだ10代12代定安公から15代直壽氏までの現松平家の人々は不昧公とは血縁関係の無い人々。現松平家一族の墓所は東京の護国寺にある。従って月照寺にある初代直政公から九代齊貴公までの墓所は彼らの先祖が眠る墓所ではなかった為、彼等は月照寺墓所を月照寺前兼務住職と同様に史的文化財としてしか考えられなかった。平成9年、私が15代松平直壽氏に月照寺に境外地が存在している事を告げたとき、受話器の向こうで「それで分かった、庫裏と茶店はその売ったお金で建てたのだな」 と一人合点していた。
  2. 宗教法人の財産処分等の「意思決定」と「執行決定」は3人の責任役員の過半数である2人以上の責任役員により決定される。従って宗教法人月照寺においては松平家関係者を排除し、東林寺関係者で2人以上の月照寺責任役員を独占する事によって、月照寺境外地を松平家関係者に密かに公示価格の約半額で売却できた。
  3. 売却時の3人の月照寺責任役員は、3人全員が東林寺責任役員を兼務。
    ・東林寺住職YA ・東林寺僧侶YМ ・善導寺住職HG
    売却時の3人の檀家総代は、
    ・東林寺住職の実母YS ・月照寺従業員KC  ・YМ氏
    月照寺の責任役員及び檀家総代計6人の内、YМ氏を除く5人が東林寺住職の関係者であった。
    以上の理由から月照寺境外地を密かに売却する事は容易であった。
  4. 月照寺兼務住職は境外地売却前の昭和58年、月照寺檀家総代であった初代直政公の生母月照院の子孫である三谷彰氏を総代から除外し実母YSを総代に任命した。
  5. 月照寺兼務住職は昭和58年11月、浄土宗寺院に義務付けられている三谷氏の「総代退任届」を浄土宗宗務庁総務局へ健康不良を理由に三谷氏の署名捺印なしで提出したが、宗務庁総務局は署名捺印なしの「総代退任届」を受理し承認した。
  6. 平成2年1月20日、所有権移転登記抹消登記手続請求事件原告側(松平直壽)訴状、六の3の(二)及び(三)に見る、三谷彰氏の総代退任までの経緯!
    「月照寺は、前記のとおり月照院に因む寺院であるが、月照院の実家は松平家家老職をつとめた三谷家である。この三谷家の子孫である三谷彰氏は、被告月照寺の檀家総代であったが、代表役員YAが前記拝観料収入等の会計報告をなさず、また損傷の進んでいる本堂はそのままにして自らの居住区のある庫裏を何の相談もなく取壊して豪華に再建した等の不審な点があるとして、昭和58年、Yに対して釈明を求めた。しかしYは言を左右にして釈明を拒み、同年11月に三谷を檀家総代から除外した。」「このようにして、被告月照寺は、松平家の菩提寺であるはずなのに、役員はむろんのこと(役員三名はもとからYと同じ宗派の人物)、檀家総代にも松平家や月照院ゆかりの三谷家の人物が存在しない事態となった。」

(結論)

①ら⑥までの状況から、月照寺は浄土宗宗務庁総務局に「寺院財産処分承認申請書」を提出できるはずもなく、人知れずに売却する方法しかなかった。月照寺は密かに売却する方法しかなかった。当初から月照寺は密かに売却する事を決めていたのだ。 通常、申請書は寺院から組長、教区長を経て、宗務庁総務局に提出されるが、月照寺における昭和60年61年の境外地売却、庫裏の再建、茶店一心庵の新築等の申請書は、一切、教区長の申請書ファイルの中には見当たらなかった。浄土宗出雲教区松江組の僧侶仲間を騙してまでも密かに売却したかったのだろう。

後述の「浄土宗僧侶の劣化と浄土宗宗務庁の世俗化その4」に書きましたが、密かに売却したこの時の月照寺前兼務住職(東林寺住職)YAは、平成21年1月14日から平成23年11月17日までの2年10か月の間、浄土宗宗務庁総務局長として在籍し、しかも羞恥心のかけらもなく、浄土宗寺院からの各種申請書の審査及び承認の任に当たっていたのです。ここにもはっきりと、浄土宗僧侶の劣化と浄土宗宗務庁の世俗化の実態をはっきりと見て取れます。

過去の出来事 - その2

宗教法人月照寺は平成9年に至っても15代松平直壽氏に境外地が存在する事実を告げずに、東林寺を月照寺境外地へと移転させる目的で境外地1934.19㎡(約586坪)を、公示価格約2億1千万円の半額約1億1千万円で売却した。公示価格と売却価格の差額は約1億円になる。結果的に境外地を売却したことで月照寺は約1億円の損をして、東林寺は境外地を購入したことで約1億円の得をした。また東林寺移転によって立ち退かなければならなかった10人ほどの月照寺境外地上の借地人に対して、宗教法人月照寺が(宗教法人東林寺ではなく!)立ち退き料として2100万円を支払った。2100万円は私が確認することができた2人の借地人に対して支払われた金額です。実際に借地人全員に支払われた金額はより高額になったであろうことは容易に想像できます。

平成8年に月照寺兼務住職(東林寺住職)は、「松江市が東林寺の移転先として月照寺の隣接地を捜してくれたので月照寺の隣接地へ移転します。」と松平直壽氏に連絡している。平成9年2月12日、松平直壽氏は私宛のFAXで「月照寺の土地を売却することは知らない」と電話で私に告げた。平成9年2月12日付けのFAXの実物コピー及び説明は、14枚つづりの松江市民への配布資料「松江市民の皆様そして東林寺檀信徒の皆様」の12ページをお読みください。

(なぜ売却できたのか?)

  1. 過去の出来事その1と同様に、現松平家関係者の月照寺墓所に対する無関心及び無責任
  2. 過去の出来事その1と同様に、宗教法人月照寺の財産処分等の事務決定権を持つ月照寺責任役員会の3人の責任役員が全員、東林寺責任役員でもあった。
    売却当時の3人の月照寺責任役員は、
    ・東林寺住職YA ・東林寺僧侶TH ・善導寺住職HG
    3人の月照寺檀家総代は、
    ・東林寺住職の実母YS ・月照寺従業員IS ・東林寺住職の友人HH氏
  3. 浄土宗のような日本伝統仏教界の大多数の寺院では、「住職の世襲化」によって財産処分等の事務決定権は一人の住職=代表役員に集中している。寺院の維持管理運営は住職の意のままになっているのが大多数の仏教寺院の現実の姿です。是非、14枚つづりの松江市民への配布資料「松江市民の皆様そして東林寺檀信徒の皆様」の2ページ下段記載の、(私は発心無き「僧侶」による「月照寺住職の世襲」に反対します!)をお読みください。
  4. 東林寺の移転先が月照寺境外地である事実をひた隠しにする目的のためか、15代松平直壽氏には勿論、移転当事者の東林寺檀信徒にも(平成11年3月吉日付けの檀家志納金勧募集趣旨並びにお願い)、そして松江市民にも月照寺境外地である事実を告げずに(平成11年5月30日付け山陰中央新報掲載・5月30日落慶法要広告)平成11年のこの時点までも移転先は月照寺隣接地であると強弁し続ける事で世間を欺きとうした。月照寺境外地は三者契約により、まず島根県に売却された後、同日付けで交換を原因として東林寺所有となった。
    売却された月照寺境外地は、
    地番358    平成9年3月17日島根県に売却、同日付けで東林寺へ所有権移転
    地番358-11 平成8年1月31日島根県に売却、同日付けで東林寺へ所有権移転
    地番358-12 平成8年2月22日島根県に売却、同日付けで東林寺へ所有権移転
    以上3件の地番は月照寺から島根県を間に入れ同日付けで所有権が東林寺へと移転している。従って、所有権移転による空白日は生じていない。つまり過去に松江市民から「月照寺境外地」が「月照寺隣接地」と呼ばれた日は一日も存在していなかった。一日も間をおかずにすぐに「月照寺境外地」は「東林寺所有地」になったのです。東林寺の3人の責任役員は、東林寺の移転先を「旧月照寺境外地」あるいは「現東林寺所有地」と正直に世間に告げることによって松江市民に月照寺境外地への移転という事実を知られることを恐れ、松江市民から起こるであろうと予測される東林寺への悪評から逃げたのです。
  5. 東林寺前住職(月照寺兼務住職)と他の2人の東林寺責任役員は東林寺を月照寺境外地へと移転させる目的の為に、松江市、島根県松江土木事務所、浄土宗宗務庁総務局の名前を利用した。

*松江市の名前の利用について

14枚つづりの「松江市民そして東林寺檀信徒の皆様」12ページ右側の1997年(平成9年)2月12日付け松平直壽氏からのFAXコピーには、月照寺住職(東林寺住職)から「松江市が東林寺の移転先として月照寺の隣接地を捜してくれたので月照寺の隣接地へ移転します」と連絡ありと書かれている。実際に移転先を捜したのは、松江市ではなく東林寺である。
また、東林寺が移転するキッカケとなった、松江停車場白潟線の一部分道路拡幅工事をスタートさせた松江市役所・都市計画課も平成9年に、「東林寺が移転先として月照寺境外地を捜してきた」とはっきり答えた。そして「都市計画課においては過去に一度も立ち退き人の為に、移転先を捜したことは無い。」とも答えた。この2つの事実が松江市の名前の利用である。

*島根県松江土木事務所と浄土宗宗務庁総務局の名前の利用について

平成22年11月15日に月照寺前代表役員(住職)から裁判所に提出された文書には、
「9、被告は仮代表役員の選任について違反と述べていますが、この点については浄土宗総務局並びに島根県松江土木事務所とも協議をいたしました結果、利益相反行為にあたらず、仮代表役員の選任を要しないとの回答を得た上で規則に従って手続、申請を行い、浄土宗より承認を受けたものであります」と書かれている。

先ず、島根県松江土木事務所の名前の利用について
14枚つづりの「松江市民そして東林寺檀信徒の皆様」12ページ左側の(質問5の1、2)をお読みください。島根県松江土木事務所K課長がはっきりと答えています。
5の1 島根県が斡旋して契約をしたわけでない。
5の2 島根県が代替地をさがしたわけでない。
平成31年6月19日には、島根県 土木県土整備事務所 維持管理部管理課管理第一係主任技師S氏から口頭により、「東林寺が月照寺の土地を移転先として見つけてきた、との記録はあったが、月照寺と利益相反か否かの判断をする会議を開き、協議をしたという記録は見つからなかった」との回答を受け取った。
この2つの事実が島根県松江土木事務所の名前の利用である。
この2つの過去の事実は、島根県松江土木事務所が月照寺代表役員と「利益相反行為か否か」の協議を行った事実がなかった事の証明でもある。

次に、浄土宗宗務庁総務局の名前の利用について
「浄土宗寺院のための寺院規則ガイド」76ページの2には、浄土宗の代表役員の承認基準についての記載がある。承認基準としては、①その行為の内容が法令に適合していること②手続きが法及び規則に従い適法であることについて、専ら申請書のうえから判断し、万一明らかにこれらに違反し補正できない場合は、その行為を承認すべきではないと考えます。」と記載されている。
もし承認基準がこの記載内容とおり行われるのであれば、浄土宗宗務庁総務局においては当該寺院からの申請書類が各教区の組長、教区長を経て、宗務庁総務局がその申請書類を受理したのちから、当該申請書類提出寺院との承認可否に向けての協議が開始されると解釈するのが自然でしよう。これが浄土宗においての実際の正式な承認手続き手順であって、平成22年11月15日に月照寺前代表役員から裁判所に提出された文書に書かれているような、申請書提出前に浄土宗宗務庁総務局において協議が始められることはありえない。私は協議をした事実はなかったと考えている。まず最初に浄土宗宗務庁総務局は、東林寺への月照寺境外地売却が宗教法人の目的に合致している宗教活動であるか否かを審査をしたのちに、その行為が「利益相反」であるか否かを審査するのが承認手続きの正しい手順であろう。以上が浄土宗宗務庁総務局の名前の利用である。

経済活動において、その経済活動が「利益相反か否か」を審査し決定を下せる公的な組織は裁判所しかないと私は考えています。
浄土宗宗務庁総務局と島根県松江土木事務所には、「東林寺の月照寺境外地への移転が利益相反にあたらず、仮代表役員の選任を要しない」との回答を、月照寺前代表役員(前住職)に与える権限を持っていない組織であり、ましてや浄土宗宗務庁総務局は寺院の宗教活動を宗教法人法、宗門法制、寺院規則の観点から審査する組織であり、世俗の経済活動を審査し決定をくだす組織ではない。
東林寺の月照寺境外地への移転を「宗教活動か否か」という観点でしか判断をくだせない「宗教組織」です。「釈迦仏の教え、阿弥陀仏の教え」に従って判断を下す「仏教組織」です。

私は今でも、東林寺の月照寺境外地への移転は、「利益相反」「利益相反行為」であったと確信しています。その理由は移転当時の月照寺の代表役員、責任役員全員が、東林寺の代表役員、責任役員と同一人物だったからです。そして又、平成22年11月15日付け月照寺前代表役員(前住職)の提出文書には「仮代表役員の選任」についての記載はありますが、もし、現実に浄土宗宗務庁総務局並びに島根県松江土木事務所との間で協議が行われていたとしたならば、当然に「仮責任役員の選任が必要か否か」の協議も必要になり、前代表役員の提出文書には「仮代表役員の選任」と並行して「仮責任役員の選任」の記載もあるべきです。

宗教法人「月照寺」規則より

第三節 第16条
代表役員は、この法人と利益が相反する事項については、代表権を有しない。この場合においては、教師のうちから、責任役員において、仮代表役員を選定しなければならない。 2、責任役員は、その責任役員と特別の利害関係がある事項については、議決権を有しない。(以下、省略)

(補足)

利益相反とは、「ある人の持っている2つの異なる役割における利益が相反している状態を指す。」※1
利益相反行為とは、「ある行為により一方の利益となると同時に、他方への不利益になる行為。他人の利益を図るべき立場にありながら自己の利益を図る典型的な例。」※2
(※1:産学連携キーワード辞典より引用 ※2:フリー百科辞典より引用「ウィキペディア」)

過去の出来事 - その3

月照寺前兼務住職YAと月照寺後任兼務住職THは、ともに月照寺責任役員として一度、東林寺責任役員として一度の計2度、文化庁に無申請で国の史跡の形状変更を無断で行った。

  1. 月照寺責任役員として両名は、平成8年、初代直政公の墓所の法面を文化庁に無断で削り、直政公の墓所の中に観光客の為に造られたと思われる遊歩道と観覧場所らしき物を文化庁に無申請で造った。
  2. 東林寺責任役員として両名は、平成18年、六代宗のぶ公の墓所と隣り合わせの東林寺所有地の中に東林寺墓地を造る目的で、平成8年の無断形状変更と同様に文化庁に無断で法面を削り、平地面積を広げ、東林寺墓地を造るための準備を行った。この東林寺所有地も国の史跡である。

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