平成22年度 一般会計予算に反対
平成22年度松江市一般会計予算について、日本共産党松江市議団は次の理由により反対しました。
原発交付金依存体質改めよ
第一は、電源立地地域対策交付金の使途の問題です。昨年度70億円を超える交付金が今年度は約40億円に減り、来年度からは27億円規模にさらに減って推移します。ソフト事業の中には幼稚園、保育園職員の人件費、小学校、中学校の職員人件費、給食センターの職員人件費などソフト事業総額に占める人件費の割合は実に50%以上占めます。職員が働くための財源が原発交付金に依存していることは、原発交付金がなければ財政運営が困難になることであり、それは新たな原発増設の動機にもなりかねません。原発交付金依存体質から脱却し、原子力災害の不安から市民の安心・安全を守るための防災対策にこ
そ重点的に財源を配分すべきです。
同和対策・同和教育の終結を
第二は、同和対策の法律が終了したにもかかわらず、人権施策の中に極めて大きな比重で同和対策・同和教育を位置づけていることです。突出した同和団体への補助金は縮小し、特定の同和団体への法令外負担金は廃止すべきです。また、対象を関係地区に特定した学力促進学級はやめ、すべての子どもが伸びる教育に改めるべきです。
国保料値上げやめよ
第三は、国保特別会計への貸付金です。10%の保険料の値上げはこれまで以上に重大な影響を市民生活に及ぼします。国保会計の財政悪化は、医療費高騰の要因もありますが、医療制度改革による国保財政への影響が2億円を超えるなど国の責任が重大です。このことを追及しながら、当面、一般会計からは繰り出し金で対処し、値上げを抑えるべきです。
子育て環境の充実を
第四に民生費では、22年度に限り半額支給する国の「子ども手当て」が児童措置費として30億円余予算計上です。子育てにおける経済的負担軽減は切実です。保育施策の拡充、小学校入学前まで医療費無料化など国の責任において総合的支援策を確立することです。今回の子ども手当てについては、他の世帯への負担増はないことから賛成します。
市長は子育て環境日本一をめざし、22年度重点施策に「元気な子どもを育む」を掲げています。子どもの医療費無料化については市として小学3年生まで無料化が拡大されました。22年度から県の制度が拡充されましたからこの際小学6年生まで無料化に着手すべきです。放課後の子どもの安全と豊かな生活を保障する児童クラブ指導員や学校図書館司書の待遇改善を急ぐべきです。保育の分野では給食調理員の加配、軽度発達障害児保育補助の拡充など私立認可保育園関係者の切実な要望への対応が遅れています。子育て環境のいっそうの充実を求めるものです。
2月定例議会 一般質問
2月定例市議会において、3月3日、私は、地デジ放送移行問題、斐伊川水道事業、大橋川治水問題で一般質問を行いました。
デジアナ変換により従来テレビで視聴可
地デジ放送移行問題ではケーブルテレビでのデジタル・アナログ変換で、地デジ移行後も従来のアナログテレビでも視聴できることを確認していますが、今回、私は総務省の具体的方針について質しました。
川原良一・政策部長は「総務省は、平成27年3月末までを運用期間とし、デジアナ変換サービスの暫定的導入を要請するとともに、ケーブル事業者のデジアナ変換の導入等を支援する」との総務省方針を述べました。
これにより、マーブルテレビ加入世帯では、移行後3年8ヶ月、現在からでも向こう5年間は従来のアナログテレビが使用できることがわかりました。
難視聴の「長海町」 〜 説明会の開催を国に要請
デジタル移行で新たな難視聴地域となる長海町に対して松江市は「市から自治会役員に現在の状況説明を行っており、市として総務省に対し説明会の開催を要請している」と述べました。
また、「共聴施設の改修、新設については、国やNHKの補助制度があることから、地域からの要望があれば、事業採択に向け働きかけたい」と答弁しました。
水位のゼロ点の統一化 〜 松江市 “国交省へ要望したい”
私は、中海・大橋川・宍道湖の水位表示が発表されているものの、水位のゼロ点位置がそれぞれの観測所で違うことを指摘。川原部長は「設置時期についても明治26年のものから大正、昭和、平成と歴史的に数を増やしてきており、その間にT・P(東京湾中等潮位)の改則や地盤変動などで各観測所のゼロ点が数センチから十数センチの範囲で変動したと伺っている。」(別表参照) 「修正作業に時間とコストがかかるが、今後、設置者である国に対して、できるだけ水位計の改善をお願いしたい」と答えました。
別表 |
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リポート 「LRTは活性化の切り札か」
〜シンポジウムで質問が殺到〜
松江市の交通とまちづくりを考えるシンポジウムが3月13日、松江市のくにびきメッセで開催されました。松江市の主催によるもの。市民、行政・議会関係者約350人が参加しました。
新型路面電車(LRT=ライトレイルトランジット)を導入した富山市の森雅志・富山市長は「公共交通を利用したコンパクトなまちづくり」と題して基調講演。市街地の外延化で県庁所在都市では全国で最も低密度な市街地となり、世帯あたりの乗用車保有台数は1・74台で全国第2位。公共交通が衰退しているために、
@車を自由に使えない市民にとって生活しづらい街
A割高な行政管理コスト
B中心市街地の空洞化による都市全体の活力低下と魅力の喪失
を指摘し、今後の人口減少と超高齢化により問題がさらに深刻化すると指摘。公共交通の活性化と沿線地区への居住促進、中心市街地の魅力の向上を柱としたまちづくりに転換し、利用減のJR富山港線をLRTシステムにより蘇らせた経験を報告しました。
また、安井春海・松江市都市計画部長は「松江市の新しい交通体系とまちづくり」と題し報告。中心市街地と郊外の拠点に暮らしの機能を集めながら「公共交通の軸」で結ぶまちづくりをめざすと述べました。
バスで機能発揮の事例も
松浦正敬松江市長は、LRTの導入によって@移動手段の切り札、A中心市街地再生の切り札としたいと表明しましたが、参加者の中から37人が文書で質問を提出。とりわけ市民の合意形成については質問が多くだされたため、ディスカッションでの大きな論点とされました。
島根経済同友会の宮脇和秀氏は「LRTはバス・電車の代替ではない。まちづくりそのもの。(新築予定の)総合体育館や京店のカラコロなどゾーンをLRTで結べ」と注文をつけました。
筑波大学の谷口守教授は、「まちづくりはコミュニケーションが基本。無理やりではだめだ」と釘をさす場面もありました。
採算性について、「海外で導入している都市では赤字のことを聞くと困っていた(松浦市長)、」「道路や下水道のようにインフラとして必要なもののようにLRTも将来に向けて財産となるなら借金してでもやるべき(森市長)」などと発言。いずれも採算性については厳しい実態であることを示しました。
LRTでなくともバスで良いのでは、との質問に対し森市長は「ブラジルのプリチバや韓国のソウルではバスを使っている」と答え、バス利用でも機能を発揮していることを述べました。
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