2008年3月議会

議案・議決結果 2009年2月議会 2009年6月議会

片寄直行の一般質問

 9月定例市議会において日本共産党議員団の片寄直行議員は9月16日、一般質問にたち、地上デジタル放送移行問題、人権施策、防災計画について質しました。
 2011年7月24日に地上デジタル放送に完全移行することが決まっています。

デジアナ変換を暫定的に導入

片寄 長海町、持田地区の一部九十世帯、八雲町、玉湯町、宍道町の山間部の一部で難視聴地域となり、また、低所得者はテレビを買い換えられない。防災情報連絡の観点からもテレビ難民を出さない具体的対応策はどうか。
野津総務部長 ケーブルテレビ整備の大きな目的が難視聴世帯の解消であることから、難視聴世帯のケーブルテレビへの加入促進をしていく。
 低所得者対応としては、平成21年度から23年度にかけて、生活保護世帯等の公的扶助受給世帯へ簡易なチューナーの無償配布が予定されている。

片寄 マーブルに加入している世帯では、地デジに移行しても、ケーブルテレビ会社がデジアナ変換を行い、再送信すれば従来のアナログ用テレビで視聴できることが技術的には可能。対応の具体化は。
川原政策部長 総務省は平成22年3月までに運用期間等を明らかにした上で、ケーブルテレビ事業者に対してデジアナ変換サービスの暫定的導入を要請する、としている」。

※ 1年前の議会でも市長は「経過的措置について、松江市でできるところはしたい」と答えています。

国保―市教委連携で  子どもの無保険解消へ

片寄 子どもの無保険は解消すべきだが、対応は。
渡部市民部長 今後、情報が不足している部分については、個人情報の取り扱いに十分配慮した上で教育委員会を含め各種機関から協力を頂きながら可能な限り交付できるように努める。
友森勉理事 無保険状態の子ども達に保険証が行き渡るよう、保険年金課と連携を取りながら最善を尽くしたい。


広場・公園等を避難広場に  市長が活用を表明 

片寄 松江市地域防災計画の改訂にあたっては「宍道断層」が動いた場合の被害想定を行い、これまで用いられてきた「松江南方の地震」が正確かどうか検証する必要があるのではないか。
野津部長 県に要望したところであり、その回答を受けたうえで判断したい。

片寄 災害時の一時避難広場として、全市的に、とりわけ宍道断層付近の公的土地を検討すべきではないか。
松浦正敬市長 被害の程度によっては、学校施設等のグランド・広場・公園についても有効に活用すべきものと考えている。

討論 2009年10月6日 本会議にて


定住自立圏協定は道州制の実態づくり

議第130号 松江市及び米子市並びに境港市との間において定住自立圏形成協定を締結することについて、ほか同趣旨の議第131号、議第132号の3件について、可決に反対の立場から一括して討論します。

定住自立にはならない

 可決に反対する理由の第一は、この協定の目的に掲げる定住自立圏が形成できるのか疑問な点です。中心市となる松江市や米子市には、中核となる病院への支援を課しています。診療機能の高度化をはかるために高額な医療機器などの導入をはかるものですが、厳しい医療経営の中で今でも赤字を生み出している市立病院の経営をいっそう悪化させないか十分な議論が不可欠です。産業振興では観光分野に力点がおかれているものの、中海の漁業振興、環境や農業の再生などの取り組みが弱すぎます。これでは地元にくらす住民の経済的自立・強化を促す施策とは程遠いものがあります。

多額の事業費負担

 第二は、中海の湖岸を周遊できる道路や中海架橋などの基盤整備に多額の事業費をともなうことです。また、環日本海定期貨客船運行については一往復の運行につき100万円を上限に赤字補填を行い、年96回、9600万円の支出を鳥取県と地元関係自治体が担うことになります。期間は初動3年間です。これら総事業費がいくらかかるのか定かではありません。

道州制の実態づくり

 第三は、定住自立圏構想は、地方の側から道州制の実態をつくりあげるという点です。昨年5月に構想がまとめられ、6月の「骨太の方針」に盛り込まれました。少子高齢化による過疎化が進む一方、現在の市町村でフルの行政サービスを実施する財政はないとして、5万人以上の市を中心市として行政と民間の財源を集中投資して必要な機能の整備をすすめ、周辺市町村はそれを利用する契約を結ぶなどとするものです。今回の協定締結も総務省の強力なバックアップによるものです。

急ぐべきではない

 第四は、政権が交代したもとで国の経済対策執行停止の可能性もあり、これらの施策と財源を元とした定住自立圏協定は拙速に立ち上げるべきではありません。

以上の理由により、可決に反対します。

反対討論 


決算第1号 平成20年度松江市一般会計歳入歳出決算について、次の理由により認定に反対します。

原発交付金依存ただせ

 第一は、電源立地地域対策交付金、いわゆる原発交付金による財政依存体質の問題です。
 国からの交付金の総額はハード事業、ソフト事業合わせて約60億円ですが、ソフト事業36億5000万円余のうち、25億円余、68.45%が職員人件費に充当されています。交付金が経常経費に充当されるようになると、交付金が縮小、廃止されたときに極端な財政悪化となります。原子力災害の迷惑対策と考えるのなら防災対策にこそ手厚く当てるべきです。一部の地域にだけ特別に市民に電気料金の還元が直接払いされています。一定の期限を設けて統一すべきです。

調理業務民間委託の問題

 第二は、給食調理業務の民間委託の問題です。
北学校給食センターと島根学校給食センターの給食調理業務の民間委託が実施されました。安心・安全な給食、地産・地消の推進に逆行する給食調理業務の民間委託は止めるべきです。

保育の公私間格差

 第三は、保育の公私間格差の問題です。
平成20年度は3歳未満の子どもの医療費無料化の実施など子育て支援施策の前進がありましたが、私立保育所関係者の長年の要望である「公私間格差」の是正は、見るべきものがありません。松江市の乳幼児保育を担っている私立保育所は、国の低い保育単価と職員配置基準のもとで保育職員の低賃金によって支えられています。加えて待機児童対策として平均で定員の110%の入所率という事態となっており、不安定雇用の保育士で対処せざるを得ない実態です。施策の改善が求められます。

ギャンブル推奨市長賞

 第四は、場外舟券売り場・ボートピア松江の開設記念競争の「松江市長賞」の賞金、副賞経費111万円余の支出は、ギャンブル推奨ともいえるものです。

同和行政・教育は終結を

 第五は、同和問題偏重の人権施策の展開の問題です。
今日、人権施策のなかでも同和問題が一番深刻だということはありません。
他の市民団体に比べ突出した同和団体への運営補助金の支出、特定の同和団体への法令外負担金の支出など公正を欠く支出となっているほか旧同和地区の子どもを集めて行われる「学力促進学級」は逆差別を生み出しかねません。特別対策の同和行政・同和教育は完全に終結し、人権施策としての一般対策に移行すべきです。

トップページへ