児童クラブへはすべて資格者を配置すべき
議第155号松江市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の制定についてです。
児童クラブは、国がやっと全国一律の基準を定めましたが、職員を2人配置と言いながら内一人は資格がなくても良いとする基準です。
子どもは、学校にいる時間より児童クラブにいる時間が長いのであり、児童クラブは子どもの成長・発達を保障する施設であり、資格者をきちんと配置すべきです。さいたま市では、国基準通りでなく、子どもの成長・発達を保障する観点で職員配置が考えられています。
また、面積や児童集団の規模も国基準に沿った内容ですが、現状は面積基準を満たしていないクラブが9ヶ所、40人以下の基準を満たしていないクラブが17ヶ所あります。待機児童も5月1日時点で15人いるという状況です。この改善についても早急な対応を求めるものです。
特別職などの期末手当引き上げに反対
議第193号 松江市特別職の給与に関する条例の一部改正について、及び議第194号 松江市議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部改正について、一括して討論します。
今年の島根県人事委員会の勧告に基づく松江市職員の給与に関する条例等の一部改正は、引き上げの根拠をもつものです。公務員の給料は、民間給与や、最低賃金、生活保護費に影響する基準となるもので、今回の改訂は当然です。
しかし、特別職である市長、副市長、教育長、公営企業管理者の給与及び松江市議会議員の議員報酬等は、この人事委員会勧告の対象ではなく、引き上げは根拠のないものです。
特別職の給与は一般職の平均給与に比べ格段に高く、そのうえ期末手当の算定にあたっては、40%の加算措置がとられています。改定前の市長の期末手当の年額は401万円余ですが、今回の引き上げにより415万円余となります。
行政改革というなら引き上げしない方が市民の理解を得られます。根拠のない引き上げに反対するものです。
議第195号 平成26年度松江市一般会計補正予算(第5号)は、市長、副市長、教育長、市議会議員の期末手当の引き上げが盛り込まれています。議第201号 平成26年度松江市水道事業会計補正予算(第4号)、議第203号 平成26年度松江市ガス事業会計補正予算(第2号)、議第204号 平成26年度松江市自動車運送事業会計補正予算(第3号)、議第206号 平成26年度松江市病院事業会計補正予算(第2号)は公営企業管理者の期末手当の引き上げが盛り込まれており、反対するものです。
軽度外傷性脳損傷に係る周知及びその受傷者に対する
適切な支援の推進を求める意見書
軽度外傷性脳損傷は、転倒や転落、交通事故、スポーツ外傷などにより、頭部に衝撃を受けた際に脳が損傷し、脳内の情報伝達を担う軸索と呼ばれる神経線維が断裂することなどによって発症すると考えられている疾病である。
その主な症状は、高次脳機能障害による記憶力、理解力、注意力の低下を初め、てんかんなどの意識障害、半身麻痺、多発性脳神経麻痺、排尿障害など、複雑かつ多様である。
しかしながら、軽度外傷性脳損傷は、MRIなどの画像検査では異常が見つかりにくいため、労災や自賠責保険の補償対象にならないケースが多く、働くことができない場合には、経済的に追い込まれ、生活に窮することもある。さらに、本人や家族、周囲の人たちも、この疾病を知らないために誤解が生じ、職場や学校において理解されずに、悩み、苦しむ状況も見受けられる。
こうした状況の中、世界保健機関(WHO)は、軽度外傷性脳損傷を含む外傷性脳損傷の定義の明確化を図った上で、その予防措置の確立を提唱しており、我が国においてもその対策が求められるところである。
よって、国におかれては、下記の事項について適切な措置を講じるよう強く要望する。
記
1 軽度外傷性脳損傷について、国民を初め、教育機関等に対し、広く周知を図ること。
2 事例の集中的検討を進めることにより、医学的知見を確立し、軽度外傷性脳損傷の受傷者が必要な支援を受けられるよう取り組みを進めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成26年12月19日松 江 市 議 会
危険ドラッグの根絶に向けた総合的な対策の強化を求める意見書
昨今、「合法ハーブ」などと称して販売される薬物、いわゆる危険ドラッグを吸引し、呼吸困難を起こしたり、死亡したりする事件が全国で相次いで発生している。特に、その使用によって幻覚や興奮作用を引き起こしたことが原因とみられる重大な交通事故の事案が度々報道されるなど、深刻な社会問題となっている。
危険ドラッグは「合法」と称していても、規制薬物と似た成分が含まれているなど、大麻や覚醒剤と同様に、人体への使用により危険が発生するおそれがあり、好奇心などから安易に購入したり、使用したりすることへの危険性が強く指摘されている。
こうした問題に対して厚生労働省は、これまでも危険ドラッグに対する取り締まりや規制の強化を行ってきている。また、先の臨時国会においては、危険ドラッグの販売や広告に対する規制を強化する改正薬事法が可決、成立したところである。
しかしながら、販売する側は化学構造の一部を変えることなどで規制を逃れることを繰り返しており、今回強化された規制の更なる効果的な運用が期待されるところである。
よって、国におかれては、下記事項について取り組み、危険ドラッグの根絶に向けた総合的な対策を強化するよう強く求める。
記
1 インターネットを含む国内外の販売・流通等に関する実態調査及び健康被害との因果関係に関する調査研究の推進、人員確保を含めた取締体制を強化すること。
2 薬物乱用や再使用防止のために、危険ドラッグの危険性の周知や学校等での薬物教育の更なる強化、相談体制・治療体制の整備を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成26年12月19日松 江 市 議 会
12月定例松江市議会最終日の19日、日本共産党松江市議会議員団は「米価の安定対策を求める意見書」を提出しました。賛成したのは、共産党議員団と無会派の4人のみ。自民・公明・民主系の会派はこぞって反対でした。共産党を代表して提案理由を説明した吉儀敬子議員の趣旨説明と意見書(案)を紹介します。
≪吉儀議員が趣旨説明≫
2014年産米は、40年前の米価と言われるほど大暴落しており、農家の落胆ぶりは目を覆うばかりです。追い打ちをかけたのが、安倍政権の「農政改革」です。
昨年まで米農家に10アールあたり1万5千円出されていた直接支払交付金が安倍政権によって今年産から半減させられました。円安誘導、消費税増税による資材価格の高騰も加わり、まさに再生産が危うい非常事態です。
2014年産米の収入減少影響緩和対策=いわゆるナラシ対策は、実際の販売価格による収入額 と標準的収入額の差額の9割を補てんするものですが、農家自身の拠出金を除くと68%の補填です。
ナラシ対策は、価格が下がり続けなければ補填されません。補填されても雀の涙であり、セーフティネットにはなりえないものです。
米価安定のため、当面出来ることとして主食用過剰米を市場から隔離し、飼料米などに回すこと。備蓄米にまだある超古米を飼料用などに売って、新米を備蓄用に買い入れるなどの対策を取るべきです。
本格的には、米に過去3年平均の生産費と販売価格との差額を補てんする不足支払い制度を創設することが望まれます。
いずれにしても、この意見書案は食料の再生産をはかり、日本の農業と経済を守るため、当面の暴落対策を早急に講じるよう国に強く働き掛ける趣旨の意見書案です。
共産党議員団提出
米価の安定対策を求める意見書 【否決】
2014年産米は、農協や業者の取引価格が前年を3千円以上も下回り、コシヒカリ1俵当たり9千円台の大暴落となっている。
農家は、今年から経営所得安定対策が半減され、米価変動補填交付金も事実上廃止されたもとで、今でさえ生産費を大幅に下回っている米価の暴落が続くなら、再生産が根底から脅かされることになる。家族経営から農事組合法人まですべての農業従事者の経営への打撃は、松江市においても計り知れないものがある。
この間の米価下落の要因は、今年6月末の在庫が2年前に比べて75万トンも増える見通しを政府が認識しながら、十分な対策を講じてこなかったことにある。また、「攻めの農政改革」と称して5年後に政府が需給調整から撤退する方針を打ち出したことも追い打ちをかけている。
主食の米の需給と価格の安定を図るのは政府の重要な役割である。今後も過剰基調が明確になっており、政府の責任で需給調整を行い、対策を実施することが求められている。
食料の再生産をはかり、日本の農業と経済を守るために、下記の事項を実施することを強く求める。
記
1 2014年産米の米価暴落に鑑み、政府は過剰米の市場隔離をはじめ、米価安定対策を早急に講じること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成26年12月19日松 江 市 議 会