2016年2月定例市議会

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2016年2月定例市議会片寄直行の代表質問

 2月定例松江市議会において29日、代表質問にたち、市長の政治姿勢、原発と活断層問題、障がい者差別解消施策、国民健康保険についてただしました。


市長の政治姿勢について

憲法と安保法制問題

片寄 安保関連法について、市長は容認の立場なのか、反対の立場なのか、所見を伺う。
松浦市長 安全保障政策は国家の存立に関わる問題であり、国としてしっかり対応すべき課題であると思っている。
 安保法制については、お答えする立場にないと考えている。

片寄 安倍首相の改憲発言をどう思うか、市長自身は憲法擁護の立場かどうか、所見を伺う。
松浦市長 憲法改正に関しては、様々な立場で、様々な議論がなされていることは承知しているが、現段階で、私の立場から、何か申し上げるべきではないと考えている。
 憲法擁護については、憲法第99条で、公務員は、憲法を尊重し擁護する義務を負うことになっており、当然に、市長としてその立場にあると考えている。

TPP問題への対処

片寄 TPPは、関税撤廃によって農業などの地域産業に深刻な影響を与えるだけでなく、医療や食品分野の規制緩和、自治体の公契約・公共調達の市場開放も求められる危険性がある。地域経済を守るために、TPPには入らないという決断を国会が行うよう、地方から意見をあげていくべきと思うが、市長の所見を伺う。
松浦市長 TPP協定は、アジア太平洋地域において、世界のGDPの約4割、3,100兆円という大規摸な経済圏をカバーする経済連携であり、モノの関税の削減・撤廃だけでなく、サービス、投資の自由化を進め幅広い分野での新しいルールを構築するものであり、経済のグローバル化の中では、きちんと議論を積み重ねていくべきであると考えております。
 国は、昨年10月の大筋合意を受けて「総合的なTPP関連政策大綱」を策定し、島根県では、去る2月8日、TPP関連の平成27年度補正予算と農林水産物の生産額への影響等についての説明があったところです。
 施政方針でも申し上げたとおり、TPPが発効されると、特に農林水産分野では国内産品の価格下落といった懸念があることから、まずは、国の責任で、その対策に万全を期してもらいたいと思っております。
 これまで国は、産業政策と地域政策を「車の両輪」で推し進めるとしてきたことから、国の施策を注視しながら本市として必要な対応を考えてまいります。

地方創生施策

片寄 就労の確保について、企業誘致も有効だが、中小零細企業振興条例は地域住民の就労対策として有効だと考えるが、策定の決意を伺う。
松浦市長 松江市においては、事業者のほとんどが中小企業・小規模企業者であり、就労の場の確保においても重要な役割を担っていただいております。
 商工会・商工会議所においては、小規模企業振興基本法・小規模支援法・小規模企業振興基本計画の主旨に基づき策定された「経営発達支援計画」を地域ぐるみで進めていただくことになります。
 また、本市は「ものづくりアクションプラン」による支援策を積極的に展開し、小規模企業者の活性化と地域経済の活力向上に努めていくことが重要だと考えております。
 条例制定については、商工会・商工会議所等関係の皆さんと協議の場を設け、その必要性を含め検討して参りたいと考えます。

同一労働・同一賃金

片寄 市職員の内、幼稚園教諭と保育士の非正規職員全員を正規職員扱いした場合、予算措置はどのくらい増えるのか、試算を伺う。
松浦市長 幼稚園教諭と保育士の非正規職員全員を正規職員扱いにした場合の予算を試算すると、約5億1,000万円の増額となる見込みである。

片寄 国にも実効性ある基準を求めつつ、率先して問題解決の検討をされたいが、決意を伺う。
松浦市長 本市の非正規職員の賃金や休暇等の処遇改善については、その都度、改善してきている。
 同一労働・同一賃金の考え方については、一定理解するところではあるが、一方で、限られた財源のなか、人件費の増額により市民サーピスを含むその他の事業への影響も懸念されるところである。
 非正規職員の処遇については、今後、国家公務員において実態調査が実施されるようであり、こうした国の動向を注視しながら、今後も必要に応じて処遇の改善を図っていく考えである。


原発・活断層問題

宍道断層の詳細調査と海域活断層との連動性の検討を

片寄 島根県と連携し、宍道断層の更なる詳細調査と海域断層との連動性の検討を原子力規制委員会や中国電力に強く求めていただきたいが、所見を伺う。
松浦市長 1月29日に開催された新規制基準適合性に係る審査会合において、宍道断層の評価長さ25kmが了承された。
 当該評価は、原子力規制委員会からの指示により十分な追加調査が行われ、連動性も含めあらゆる観点から検討された結果だと受け止めており、原子力規制委員会や中国電力(株)に検討を求めることは考えていない。

災害時の市役所機能の代替施設

片寄 原子力災害時の市役所機能の代替施設について、2年前にも質問し、検討とのことだったが、市役所の建て替え問題が本格化しているときだけに考えを伺う。
松浦市長 市の災害対策本部あるいは市役所機能の代替施設については現在検討中だが、本市の場合は市内全域に避難指示が出ることを想定するとあらかじめ市外の施設が使用できるように定めておく必要がある。
 県においては、出雲合同庁舎、県立浜山体育館を災害対応拠点の代替施設と決定しているが、詳細やその他の業務継続計画などについては現在も検討中と聞いている。
 本市としては、まずは業務継続計画の作成に取り組むとともに、代替施設についても県との連携などを考えながら、引き続き県、他市と協議しながら検討してまいりたい。

障がい者差別解消施策

条例案について

片寄 条例前文のなかに「私たちは」という表現があるが、市民をさすのか、もう少し幅広い社会人をさすのかという点がはっきりしておらず、また、それにかかる述語は「この条例を制定する」となっており、条例の制定権とも受け取れる表現となっている。誤解をまねくので、「私たちは」の表現を削除すれば問題がなくなると思うが、考えを伺う。
松浦市長 条例前文の「私たちは」という表現については、本条例の特徴である「障がいの相互理解促進」及び「合理的配慮の推進」を、我々行政機関を含め市民及び事業所など「社会全体」で取り組む意思を表したものであります。 

片寄 「住みやすさ日本一の実現」という表現は、市長の施政方針では使われているが、総合計画でも総合戦略でも使われていない。粂例は普遍性のある表現が必要だが、「住みやすさ日本一の実現」という表現を条例中に入れると齟齬が生じるのではないか、所見を伺う。
松浦市長 「住みやすさ日本一の実現」を目指すことは、市民の願いであり、今後も松江市の施策の基本であると考えていることから、普遍性があるものと認識しているところであります。

差別の定義について

片寄 差別の定義について、原案では障がいに基づく差別の定義となっているが、広義の定義として、「差別とは、あらゆる区別、排除または制限であって、他の者との平等を基礎として、全ての人権及び基本的自由を害し、または妨げることをいう。」と提案するが、所見を伺う。
松浦市長 差別の定義については、本条例が「障がいや、障がいに加え性別や年齢による複合的な原因による差別の解消」を目的とするものであり、障がい以外を理由とする差別への対応については、それぞれの個別法に委ねることとなっております。 
 いずれにしましても、現時点では策定委員会による審議・検討途中の段階でありますので、これらのご意見を踏まえ、障がい差別のない共生社会の実現につながる、より良い条例案がまとまることを期待しております。
○条例案
前文
 すべての市民は、障がいの有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人であり、誰もが住み慣れた地域社会でお互いを尊重しながら安心して暮らせる共生社会の実現をめざす必要がある。
 しかしながら、障がいのある人は、障がいに関する理解不足から生じる誤解や偏見、慣習等の社会的障壁により、障がいを理由として不当な差別的取扱いを受けたり、障がいの特性等に応じた配慮が十分されていないこと等により、日常生活のあらゆる場面において安全、安心して暮らしにくい状況が、今なお存在している。
 また、障がいに加え、性別や年齢等による複合的な原因により特に生きづらさや差別感を感じている状況もある。
 このような状況を踏まえ、私たちは障がいのある人の課題を自らの課題と捉え、障がいの特性を理解する取り組みや差別をなくす取り組みを進めることが、本市のめざす「住みやすさ日本一の実現」につながるものと考える。

 ここに、私たちは、障がいのある人もない人も、住む人も訪れる人も、安心、安全に暮らせる「住みよい共生社会の実現」をめざし、この条例を制定する。

第2条 定義
(2)差別
 障がいを理由としで障がいのない人と不当な差別的取扱いをすることにより、障がいのある人の権利利益を侵害すること又は社会的障壁の除去の実施について合理的配憲を怠ることをいう。 

国民健康保険

中期財政見通しと国の財政支援策

片寄 国の予算化の見通しや3月に示される予定の国保運営ガイドラインに基づき、財源を組み入れて再推計し、次回予定されている国民健康保険運営協議会に基金の取り崩しによる保険料値下げが提案できないか、所見を伺う。
松浦市長 昨年5月の国保法改正に伴い、国民健康保険の安定化のため、毎年約3,400億円の財政支援の拡充を実施することが決定されました。
 このうち1,700億円については、平成27年度から低所得者対策の強化のために投入され、これを中期財数見通しに組み入れているところです。
 残りの1,700億円については、平成30年度から投入されることとなっています。
 このうちの可能なものは、平成28年度から前倒し実施すると、国が方針を発表したところですが、現段階では詳細が示されていないため、松江市への交付額が分からないことから、財政推計に組み入れてはおりません。
 12月議会でもお答えした通り、財政運営等の仕組みや、基金の取り扱いなどを含めた国保運営方針のガイドラインは、本年3月末を目途に決定され、これを受けて県と市町村の協議が開始されることになります。
 したがって、現段階では、急激な医療費の増加等に柔軟に対応するためには、基金を残した状態での都道府県化に移行することが、望ましいと考えております。

子どもの保険証留置きの解消を

片寄 資格証明書の発行世帯に対する子どもの保険証の発行について、接触・対応をもう少し前倒して、4月1日からの交付をされたいが、決意を伺う。
松浦市長 昨年6月議会でもお答えしましたとおり、滞納者世帯の子どもの保険証につきましては、世帯主に対し未納保険料の納付を促すとともに、保険証が確実に子どもに届くよう窓口で面会し、手渡す取り組みを実施してきたところでございます。
 その結果、対象の約9割の子どもの世帯主に直接面会し手渡しすることができたところです。しかし残念ながら、残りの1l割については、再三の折衝を試みても取りに来ていただくことができなかったため、結果として約1ヶ月の無保険状態が発生してしまいました。
 よって、今後は、子どもの健康と福祉という観点から、無保険の状態にならないように対応していきたいと考えています。
 なお、この課題の抜本的な解決を図っていくために、滞納整理の強化に一層取り組み、収入未済額の縮減に努めてまいります。

反対討論(共産党議員団 吉儀敬子)

 2016年2月市議会では共産党議員団の吉儀敬子議員が議員団を代表し、議案15件について委員長報告に反対の討論を行いました。要旨を紹介します。


人事評価システムは、市民へのサービス低下に

 議 第4号 地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定についてです。
 反対する理由は、人事評価制度がシステムとして本格的に導入されることです。
 国家公務員では、人事評価システムがすでに本格実施されています。国公労連アンケートでは、@チームワークを阻害する、Aパワーハラスメントの原因となる、B人事評価の結果に昇給などの区分が必ずしも連動していない、などの問題点が浮かび上がっています。
 大阪府では2001年度から人事評価制度が導入されていますが、当局が実施したアンケートで、「資質・意欲・能力の向上」について、77.6%の職員が「つながるとは思わない」と回答しています。
 能力・成果主義による人事管理は、過度な競争で職場の人間関係を壊し、住民本位の仕事やサービスの低下を招くことが懸念されます。
 地方公務員は、憲法に基づく全体の奉仕者として中立・公平・安定性を確保し、公務員としての専門性の保障、組織的に職務を遂行する体制を確保することが求められます。市民の権利と福祉の向上のために、能力を発揮すべきであり、人事評価システムはその役割を大きくゆがめるものであり、反対です。

特別職や市議会議員の期末手当引き上げは根拠なし

 議 第8号 松江市特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正について、議 第9号 松江市議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部改正については、人事院勧告の直接の対象とならない特別職や市議会議員の期末手当を年間0.1か月引き上げるものです。根拠のない引き上げです。特別職や議員は、手当の算定にあたっては加算措置があり、一般職の4割増しの手当となっています。引き上げは市民の理解が得られるものではありません。

根拠のない特別職給与の引き上げ

議 第93号 平成27年度松江市一般会計補正予算(第5号)、議 第101号 平成27年度松江市水道事業会計補正予算(第2号)、議 第103号 平成27年度松江市ガス事業会計補正予算(第2号)、議 第104号 平成27年度松江市自動車運送事業会計補正予算(第2号)、議 第106号 平成27年度松江市病院事業会計補正予算(第2号)については、根拠のない特別職給与の引き上げの補正予算であり、反対です。

平成28年度松江市一般会計予算について

 議 第107号 平成28年度松江市一般会計予算についてです。
 安倍内閣の経済政策(アベノミクス)の破たんは明白です。大企業の儲けが急増しているのに経済全体はマイナス成長という事態は異常です。2014年の消費税8%への引き上げと社会保障の削減で暮らしと経済は冷え込んでいます。2017年4月からの消費税10%への引き上げはすべきではないとの声が日本内外から発せられています。
 国の政治がひどいときだからこそ、住民に一番身近な地方自治体の仕事は、悪政の防波堤になって、住民の暮らしと福祉を守ることです。
 新年度予算は、地方創生の総合戦略実施の1年めであり、県制度を利用して第1子?第2子の保育料軽減、国の制度を利用して多子世帯の保育料軽減が実施されることは評価します。
 しかし、平成28年度一般会計予算の施策はいくつかの点で問題点を抱えています。

 第1は、「原発交付金」の問題です。政府は再稼働推進のため、交付金に新規施策を盛り込みました。再稼働をしていない自治体への交付金を減額するみなし稼働率を減少させること、使用済み核燃料の貯蔵施設を増強すれば交付金を上乗せすること、廃炉される原発のある自治体への新規支援としての「エネルギー構造転換理解促進事業」です。
 昨年4月からの島根原発1号機の廃炉などにより平成28年度の松江市への交付金は4億6800万円余の減少となりますが、新規の施策によりほぼ同額の交付金や補助金が入ります。福井地裁において高浜原発の運転差し止めの仮処分決定がされ、稼働中の原発が停止させられたことは全国的に衝撃を与えました。島根原発の差し止め訴訟でもその可能性が否定できません。「原発交付金」のような特定財源が人件費などの経常経費に多く充てられていることは問題であり、防災対策にこそ重点的にあてるべきです。

 第2に、定住自立圏構想や連携中枢都市圏構想は道州制の実態づくりを地方の側から進めるものです。中海・宍道湖・大山圏域市長会事業が担っています。中核市移行が、直接、道州制と結びつかないと言っても、警戒を怠ることはできません。 

 第3に、市民団体への補助金算定に大きな格差があり、公平性に欠けることです。
 同和問題の解決は必要なことですが、特別措置法終了後14年も経過したもとでも、従来型の対策の域を出ておらず、同和団体への補助金が突出しています。また、同和関連の集会所への指定管理費でも、一般集会所と差別化がはかられていることも改善が求められます。逆差別となるような施策はやめ、一般の市民団体との公平性をはかるべきです。

 第4に、マイナンバー制度の本格運用が始まっていますが、国民の不安は増すばかりです。プライバシーの侵害やなりすまし犯罪を常態化させるもので、税、社会保障、災害対策のほか、今後は預貯金口座への適用が義務化されようとしています。

 第5に、人事評価システムが本格運用されるものとなっています。人事評価制度の導入は、任命権者に権限が集中し、査定結果に対する苦情についての具体化ができない問題があり、チームワークを阻害したり、パワーハラスメントの原因にもなりかねません。

 第6に、「子育て環境日本一」を掲げる松江市として、保育所・児童クラブの待機児対策に的確な対応が取られていません。また、子どもの医療費無料化は、県内でも中学卒業までの実施が市の段階で大田市・雲南市に続き4月から安来市が実施を予定しており、子供を持つ親の切実な願いに応えられていません。 
 第7に、教育分野では新年度も学力テスト結果を公表して点数競争に駆り立てる問題と、18歳選挙権に関連して、憲法や子供の権利条約に照らせば、子どもが自ら考え、自分の問題としてとらえる主権者教育を系統的に行うべきであり、政治活動を一方的に禁止することは主権者教育に反するものです。
 以上7点の問題点を指摘して、反対します。


高すぎる国保料金の引き下げを

 議 第108号 平成28年度松江市国民健康保険事業特別会計予算についてです。
 子どもの保険証については、市役所窓口で1か月間、留め置いていたのを解消し、一日たりとも無保険状態をつくらないと決意されたことは評価します。しかし、依然として資格証明書の機械的発行がされており、受療権の侵害となっています。
 5億8000万円もの国保基金の取り崩し、国の交付金、一般会計からの繰り入れによって高すぎる国保料金を引き下げるべきです。 

高齢者に負担をかける保険料の引き上げ

 議 第110号 平成28年度松江市後期高齢者医療保険事業特別会計予算については、2年に1度の改定で、保険料を6.2%引き上げるものです。高齢者の生活に負担をかける保険料の引き上げには反対です。

医療を市民から遠ざけることに

 議 第120号 平成28年度松江市病院事業会計予算について
 患者に寄り添った苦情処理の対応と開業医がスムースに紹介状を書くシステムを構築することが必要であり、紹介状のない受診者の初診時選定療養費が、3,240円から5,400円に値上げされ、初診時選定療養費の徴収とともに、医療を市民から遠ざけることになり、反対です。

未来の有権者のための模擬投票所設置は必要

 陳情第29号 未来の有権者のための、模擬投票所設置に関することについて、子どもや若者の政治的関心を培うことは重要であり、模擬投票所はその一助となるもの。ボランティアなどの利用も考えながら、前向きに対処すべきです。不採択とした委員長報告に反対し、採択を主張します。

TPP協定締結には断固反対

 陳情第30号 TPP協定を国会で批准しないことを求めることについて、今国会の最大の焦点です。TPP(環太平洋連携協定)は、少なくともGDPで85%以上6か国以上の批准がなければ成立せず、アメリカ大統領選挙の候補者でも反対の意向が強い状況で、難航は必至です。
 日本共産党のしんぶん赤旗日曜版編集部が2月末までに北海道内の全JA組合長を対象にしたTPPアンケートを行いました。北海道内108のJA組合長を対象に66組合長から回答を得ました。回収率は61%でした。
 TPPで「コメなど重要5品目を除外し、段階的な関税撤廃も含め認めないことを明記した国会決議が守られなかった」と答えた組合長が80.3%、守られたと答えた組合長はゼロでした。また、「安倍農政を評価しない」が81.8%です。自由記述欄には「地方創生といいながら、地域社会を壊すTPPを推進するなど政策が矛盾している」「強い農業とか国際競争力という前に日本の食糧自給率をどう考えているのか」など安倍政権への怒りの声が記されています。参院選前にTPP承認案と関連一括法の国会成立をねらう安倍政権にとって衝撃の数字と言えます。
 日本の農業の衰退、医療をはじめ地域経済にも大きな影響を与えるTPP協定締結には断固反対するものです。陳情は採択すべきです。

「舟つきの松」の屋敷保存・活用を

 陳情 第31号 「舟つきの松」の屋敷保存・活用を求めることについて
 委員長の報告は、不採択でしたが、第1に「近代の農家あるいは城下はずれの民家としての価値は評価できる」との松江市の見解は、平成14年の松江市文化財保護審議会委員和田氏の報告や平成26年の島根県建築士会報告分と相違すること、第2に松江城天守閣が国宝となった今、改めて城下に残る武家屋敷の面影を門、屋敷、舟つきの松を望む庭と合わせて活用を望む陳情は検討するに値します。よって一定期間関係者の意見を聞き結論を出すべきと考ます。継続審査とすべきで不採択には反対です。

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