住まいをつくるには大きな『決断』と『お金』が必要になります。日本の住宅は、新築から20年で価値が『0』になってしまいます。しかし、住宅ローンは平均で30年支払っていかなければなりません。
『20年後も色あせない住まい』
我が家の家づくりはそんな想いから始まりました。
もともと土地は所有していました。
ただ、40坪と結構狭いので、建てるなら3階建てかなぁと、
仕事の合間に落書き程度のプランを作っていました。
まだまだ家づくりへの決断をしきれずにいました。
そこへ国による『住宅のゼロエネルギー化推進事業』の話が建材屋さんを通じて入ってきました。
『住宅で使用する年間の一次エネルギー』を『創エネルギー設備』によってゼロ以下にする。
そもそもの住宅の性能も高気密・高断熱化する事で消費エネルギーの削減を図るというものでした。
『設備機器だけに頼らず、建築的に使用エネルギーをゼロ以下に』という考えに面白さを感じました。
「うちのような小さい工務店では無理かもなぁ」と思いながら、住宅のゼロエネルギー化推進事業へのプレゼン作業に向かいました。
具体的な計画を採用基準にするとの事でしたので、長い間あたためてきた『我が家づくり、木造3階建てバージョン』をプレゼンする事にしました。
約2ヶ月かけてプレゼン資料を作成しました。
テーマはパッシブ。エコの種まきの意味を込めて
プロジェクト名は『SEED』として提出しました。
採択は8月とのことで気長に待つ事にしました。
もし採択されなかった場合は残念。
我が家の予算にも限りがあるので太陽光発電はあきらめようと思っていました。
まずは資金計画。
『我が家づくり』では、ゼロエネ補助金を含めて2665万円の資金から諸費用250万円を引いた2415万円を住宅+外構に充当する計画を立てました。(無理なくローンで払える範囲で)
つまり、住宅+外構の予算は2415万円この予算を元に、実施設計と見積もりに向かいました。ここで妥協してはいけないのが、建物の基本性能。
断熱性能にはとことんこだわるべきだと考えます。
リクシルSW工法の採用サッシについては防火関係を考慮して アルミ樹脂複合サッシを採用しました
内部の仕上げについては床材は無垢フローリング。
壁は漆喰。床材は材木市場へ行って購入。
特にこだわったのは漆喰。
原材料の産地と、ボンド等の添加材の入っていないものを選びました。
松江市(建築地)の卓越風や方位を考慮した開口部を計画して自然風による換気計画をしています。
又、太陽高度を考慮した軒の出庇の出を計画しています。
無事に見積もりが予算内に納まったところでローンの申し込み
『我が家づくり』では夫婦会議の結果35年固定金利を選びました。
この段階では、僕自身建築コストのことしか頭にありませんでした。
高性能な住宅を予算内に納めようという。
実際には、住んでからの光熱費もかかる訳です。
これについては後のレポートについて話していきたいと思います
毎晩銀行の各商品を吟味して、ライフプランをたてやすい
固定金利として、繰り上げ返済をしていこうという事になりました。
8月の盆休み明けに、国交省からのメールが届きました。
『我が家の家づくり』がゼロエネ事業に採択されたとのこと
正直めちゃめちゃ嬉しかったです。
これで予定通りの資金計画で進める事ができました。
H25.年末からH26.年始にかけて申請業務にとりかかりました。
長期優良住宅で申請することもあり少し時間がかかりました。
通常の2階建て住宅の場合約2〜3週間程度です。
まずは既存の住宅の解体から着工。
隣の保育園に配慮して養生は万全です。
地盤調査の結果、地盤補強工事が必要。
当初の資金計画で見ていた諸費用の家具・家電の資金から
割り当てる事にしました。
いかに建物が耐震等級3であっても地盤が弱くては・・・。
島根県は山陰というだけあって、結露の要注意地域である
と同時にシロアリにも注意が必要です。
『我が家の家づくり』では基礎内断熱を採用したので、ベタ基礎
土間と立ち上がり基礎部分を打ち継のない一体型としてコンクリートを打設して、シロアリの侵入を防ぐ事としました。
田辺工務店の大工さん達との勉強会。
工事に向けての最終確認です。
田辺工務店の大工さんオールスターズ友達の大工さんにて上棟。
しっかり気密しながらの建方です。
長男次男も俵を背負って餅まきです。
工事中の現場を見て頂くため、構造見学会を開催し、ご来場いただいたお客様に心ばかりのお土産をご用意しました。
特にこだわった漆喰塗り。とはいえ予算オーバーでしたので
自分でぬりました。
仕上げは上々。
『コンクリートやアスファルトを使用しない駐車場がいい』
というこだわりから芝生の駐車場を計画しました。
アプローチには、地元の『来待石』を採用しています。
2日間開催しました。
短い時間ではありましたが、2日間で60組の方に見学していただきました。
約2年がかりで『我が家づくり』が完成しました。
本当に『あっ』という間でしたが、これからが楽しみです。
まず驚いたのが、季節の変わり目に子供達のぜんそくが出なくなった事。
家の中の温度がどこも一定になっていることが大きな理由と
考えられますが、ここまでかと思います。
からだが改善されているのでしょう。
高気密・高断熱化をした事で、エアコンの使用頻度が減った
事も大きいです。
これは先に記した光熱費にはね返ってきています。
エネルギー使用量は格段に減りました。
その上で太陽光発電による創エネで一次エネルギー換算で計算すると大きなマイナスになっています。
屋上緑化計画です。子供達と一緒に芝生を植えるための特別な泥ですが、屋根まで運び一つ一つ作り上げていきます。
いまや立派な芝生ができました。