同和会へ負担金やめて

審議会にしまね人権連が要請


 島根県地域人権運動連合会(略称=しまね人権連、大西修議長) は、10月25日、島根県市町村法令外負担金等適正化審議会(会長=松浦正敬・松江市長) に対し、同和会島根県連への市町村からの法令外負担金の支出をやめるよう要請するとともに、それについての考えをただす公開質問書を提出しました。
 同和会島根県連は、島根県から毎年1,000万円にも及ぶ補助金を受けているうえに、県下のいくつかの市町村から「法令外負担金」として150万円余の負担金を受け取っています。
 しまね人権連の片寄直行事務局長は、審議会事務局を訪れ、同和問題のすみやかな解決のためにも県民理解が不可欠と述べ、「補助金をうけとっている同和会への法令外負担金は趣旨になじまない」と指摘したほか、同和会の決算書には法令外負担金が同和会の支部会費として扱われている問題点を指弾し、島根県と連携した改善の指導を要求しました。そして、同和会への負担の経過を詳細に公開することおよび負担金の今日的ありかたについて再検討することを求め、見解をただしました。
 応対した清原茂治・審議会事務局長は「審議会で決めたことは拘束力のあるものではない。市町村の判断による。幹事会にはかって検討する」と表明。2週間以内の回答を約束しました。

〜法令外負担金公開質問書〜


 2005年10月25日
 島根県市町村法令外負担金等適正化審議会
   会長 松浦 正敬様
 島根県地域人権運動連合会○○○○○○
議長 大西 修○○○○     

<事務局>〒690-0812松江市川原町41−1
TEL/FAX 0852-34-0041

公開質問書

当方は、部落解放運動を発展的に転換して、昨年7月、地域人権運動に改組した団体です。部落問題の解決のためにも行政が行う同和団体への補助・負担金のありかたについてご意見を申し上げ、公開質問するものです。

市町村法令外負担金の中に、隣保館連絡協議会や同和問題啓発推進協議会などと同列に一民間運動団体である全日本同和会島根県連合会への負担金がありますが、同和会への負担金支出については再検討が必要とおもいます。

その理由の第一に、数ある同和団体のうち同和会だけに支出しているのは不公平だからです。

第二に、同和会の県連組織は島根県から多額の補助金を受けており、そのうえに市町村から法令外負担金を受け取るのは公費の二重受け取りです。公費としての補助金を受け取っている団体への法例外負担金はその趣旨になじまないものといわなければなりません。

また、県連の決算報告には市町村の負担金が支部の会費扱いとなっており、お金の性格がねじまげられています。すくなくとも法令外負担金と支部会費とは分けて計上するのが税金を負担している県民に対しての義務です。

島根県当局と連携した適切な指導を求めるものです。

 同和対策の特別法終了後、島根県と市町村がとった独自の5年間の時限措置も4年目半ばにさしかかりました。一般行政への移行で同和問題解決をはかる立場からも、行財政改革の立場からも、一民間運動団体への特権的な法令外負担金支出は見直す必要があると思います。 

以下、質問します。

1、            同和会への法令外負担金を支出するようになったのは、いつ、どのような理由からですか。年次的に負担額をしめしてください。

2、            数ある同和団体のなかでもとりわけ同和会だけに負担した理由について伺います。

3、            公的団体ではない民間運動団体への負担は他に例がありますか。

4、            負担金の今日的ありかたについて、検討するお考えがありますか。                                     

ご回答は、2週間以内に文書にてお願いします。  

                                      以上


〜公開質問書に対する回答〜

 平成17年12月6日付で、島根県市町村法令外負担金等適正化審議会(松浦正敬会長)から回答がありました。

 


「公開質問書」に対する回答


1.本審議会は昭和59年度に発足し、昭和60年度分の負担金から審査を行っていますが、当該団体については、本審議会発足当初から審議対象団体としています。                      
  本審議会発足は20年以上も前であるため、当時の詳細は定かでないところもありますが、発足当時は市町村の法令外負担金等が増加傾向にあり、そのことが市町村財政を圧迫する要因の一つとなっていたことから、市町村負担金等の抑制を図る意味から、市町村に対し調査を行い、次の審議対象団体の要件に当てはまる団体について審議を行っています。
【審議対象団体】の要件(当時の審議要領の関係部分抜粋)
 市町村から負担金等(法令に基づかない会費、負担金、分担金、補助金、助成金、交付金、寄付金等をいう。以下同じ。)を直接又は間接に徴収している次の団体を審議対象団体とする。
(1)県を単位とし、構成員、事業の範囲等が県下全域又は市、郡の区域を越えて広域にわたる団体。
(2)全国組織又は中国ブロック組織等の上部団体の構成員となっている県支部、 県部会等。
 従って、市町村から本審議会に対し上記に該当する団体として報告があり、審査の結果、審議対象団体となったものと考えられます。
 なお、近年の各年度別決定額は次のとおりです。
年 度 決 定 額
H10 1,666千円以内
11 1,666千円以内
12 1,666千円以内
13 1,582千円以内
14 1,564千円以内
15 1,564千円以内
16 1,564千円以内
17 1,564千円以内
2.上記の理由から、同和会にのみ支出するようになったのではなく、他の同和関係団体については、その要件にあたるものとして報告が無かったためではないかと考えられます。

3.公的団体ではない民間運動団体の定義がはっきりしませんが、他には次のような団体がありました。しかし、負担金総額が少ない等の理由から今回当審議会の審議対象から除外し、市町村と団体との協議に委ねることとしました。
  ・ 島根県子ども会連合会
  ・ 島根県文化団体連合会

4.市町村負担金等の今日的あり方については、これまでも検討を行ってきていますが、今後もその必要があると考えています。

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