システム開発余話
システムは道具ですからまず業務があります。業務なしにシステムは作れません。 システム開発に何が必要でしょうか。知識面で考えると業務知識とコンピュータ知識です。 業務知識があるのは実際にその業務を行っている人であり、コンピュータ知識がある人をここでは「SE(システムエンジニア)」と呼ぶことにします。 (実際に業務を行う人を以下「ユーザー」と呼ぶことにします。)
ユーザーにコンピュータ知識があれば、自分でシステムを作ることができますが、高度なコンピュータ知識を、普通は持っていないです。 そこでSEに作ってもらうことになります。
SEはコンピュータ知識がありますが業務知識がありません。 SEに業務知識が全くないわけではなく、例えば卸売業などの請求処理や在庫管理などの一般的な流れは知っています。 ただ、ユーザーの会社に特有な業務処理があります。
SEはユーザーから聞いて業務内容や要望を把握します。そしてうまくいくやり方を検討し機能や機器の構成をまとめユーザーに提案します。
ここで問題があります。 ユーザーは業務内容や要望を100%SEに伝えることができるでしょうか? 毎日行っている業務内容であってもきちんと整理して漏れなく伝えることは難しく、必ず漏れがあります。
SEはどうか。ユーザーの話す内容を100%理解することができません。 そこでSEは文書にまとめユーザーに文書を示して確認します。 ・現状業務、要望、要望を踏まえた新しい業務の流れ、それを実現するための機能・機器構成、(見積) これを数回繰り返して漏れや認識の違いを埋めていき、開発に着手します。 それでも100%は無理なのです。 途中で「ああ言ったが本当はこうだった」ということはよくあります。
ちなみに私はどうかといえば、作る前の時点で100%は目指しません。 大枠を外さなければよく、細かい点は作りながら確認していけばよいと思っています。 結局ユーザーにハッキリわかるのは、システムが出来てきた後なのです。 必ず修正が必要になるので、できるだけ早く動くものを作り、実際に使ってもらい、 修正したほうが早いと思っています。
Access・Excelはそういうやり方を可能にするツールです。 Access・Excelよりもっとよいツールもあるかもしれませんが、①早くできる②慣れている③特に困らない、 というわけで、Access・Excelを使ってシステムを作っています。 Access・Excelのユーザーが多く、ネット上に情報が多いのも魅力でしょう。
まずは、Access・Excelでハッキリ効果のある部分や必要な部分に限って試してみて、効果を実感すれば別の部分に拡大していけばよいのでないでしょうか。