2007.3/8 |
「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」 の改正を求める意見書 |
生まれながらに心と体の性が一致しない「性同一性障害」については、平成9年5月に医学的疾患として治療のためのガイドラインが定められるとともに、平成16年7月には「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」が施行され、戸籍上の性別変更が可能となった。
しかし、この法律で全ての問題が解決されたわけではなく、戸籍上の性別変更を行うための審判を請求するには、現に子がいないことなどの要件を満たす必要がある。これにより、子供を持つ性同一性障害者などにおいては、一律に戸籍上の性別変更の途が閉ざされ、今なお、社会生活において差別的な取扱いを余儀なくされているのが現状である。
また、性同一性障害の治療には、精神療法を除くと健康保険が適用されていない現状もある。
この法律は、施行後3年を目途に見直すこととされている。平成19年の見直しにあたっては、戸籍上の性別変更の要件を見直し、性同一性障害者すべてが、その希望するところにより戸籍上の性別変更を可能にするなど、できる限り普通の日常生活や社会活動ができるよう、一日も早い社会環境整備が必要である。
よって、以下のことを早急に検討、実施されるよう要請する。
- 「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」の「現に子が いないこと」の要件削除を含む性別変更要件の緩和
- 性別変更していない者に対する名の変更を容易にする省令の公布等
- 性同一性障害治療に対する健康保険の適用
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成19年3月 日
島根県議会
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
法務大臣
厚生労働大臣 |
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