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2013年6月議会一問一答質問

[2013/6/18]
 「知の広場」の著者、アントネッラ・アンニョリさんのお話を踏まえ、公共図書館について取り上げましたが、少し思いはすれ違ったかも。
自閉症・情緒障がい特別支援学級の定員問題は、現場の切実なお話を踏まえて取り上げました。検討するとの答弁ですが、県独自での加配もそれほど大きな負担ではないので、実現してあげたいものだと思います。
 障害者優先調達推進法、調達する方も何が調達できるのかという情報がないし、される側にもそんな意識が薄かった。知事からも前向きに取り組んでいくとの力強い答弁がありました。
障がい者雇用が進み、福祉の対象から社会の構成員として認知される社会への一歩になればいいですね。

  1. 図書館・学校図書館について
  2. 特別支援学級について
    • 定数いっぱい、それに近い自閉症・情緒障がい特別支援学級の現状認識
    • 学力をつけて欲しい子どもたちへの支援は、満足すべき現状か
    • 学級編制基準を独自に見直している他県の状況は
    • 定員の8人学級を6人まで下げると何人の学級担任が必要か
    • 独自に学級編制基準を見直すことは
  3. 障害者優先調達推進法について
    • 実績の部局別の内訳と市町村の状況
    • 事業所や企業、在宅就業障がい者の状況は
    • 市町村や公的機関の意識の現状と、推進役としての県の対応
    • 知事の推進の旗振り役としての決意は

 質疑内容は下記の通りです。それぞれ文字色で私の質問知事答弁関係部長・教育長答弁がわかるようになっています。
 先日、図書館アドバイザーとしてイタリアの国内外で活躍する「知の広場」の著者アントネッラ・アンニョリさんが山陰に来られ、お話しする機会がありました。
 特に興味深かったのは、ネット時代にあって、公共図書館や本屋さんなどが生き残るにはというテーマ。
 彼女は、メグ・ライアンとトム・ハンクス主演の「ユー・ガット・メール」を例に、メグ・ライアンの家族が経営する街角の小さな本屋の前に、カフェを持った値引き商法の全米一の大型書店が開店し、大きな打撃を受ける。その中で持ちこたえた彼女の小さな書店。一方、全米一の大型書店はネット書店のために倒産してしまうという、映画のストーリーを話してくれました。
 何年か前に韓国で驚いたことがあります。学校図書館や公共図書館を訪ねる機会がありましたが、電子書籍を積極的に蔵書にしていました。また、米国のAmazonでは、今や売り上げで電子書籍が紙の書籍を上回ったとのこと。
 世界では大きな流れになりつつある電子書籍ですが、わが国では、電子書籍化の権利調整に時間と手間がかかるなど、伸び悩みの状況と聞いています。どんな情報にでも、取りあえずはインターネットでアクセスできる時代であり、世界の趨勢を考えれば、わが国の状況も変わらざるを得ないのではないかと思っています。
 そんな我が国の書籍と電子書籍出版や販売の動向をお尋ねいたします。また、教育長に尋ねるのも変ですが、今後電子書籍はどうなって行くと思われますか?お聞かせください。
 まず、書籍の最近の販売動向等であります。
 まず、紙の書籍でありますが、平成23年の販売部数、約26億9,000万冊、これ16年連続で減少いたしております。それから、販売額、約1兆8,000億円、これは7年連続で減少をいたしております。一方の電子書籍でありますが、平成23年の販売額651億円であります。右肩上がりで伸びてまいりましたが、平成23年は携帯からスマホへの移行というようなこともありまして、横ばいになっております。書籍販売全体の割合ですが、先ほど申し上げました1兆8,000億円の約3%ということであります。多くはコミックが占めているという状況であります。
 今後の動向というお尋ねございましたが、私自身、電子書籍、なれておりませんで、本をめくって、途中でしおりを差し込むとか折るとか、そういった本の温かみというのが大変貴重なものだと思っておりますが、そういった私のような者、あるいは先ほど議員がおっしゃいました著作権の問題、いろいろあるかと思いますが、中長期的に見ますと、供給体制の整備、あるいは情報端末の普及、こういうことで電子書籍は伸びていくだろうというふうに思っているところでございます。
 アメリカ議会図書館では、毎年100万冊の本をデジタル化しているとか。わが国の国会図書館でもデジタル化の取り組みが始まっています。わが国の状況は、まだ猶予があるのかもしれませんが、書店も公共図書館もその役割が大きく変わる時代を迎えようとしているのではないでしょうか。
 先に述べたメグ・ライアンの小さな書店が生き残ったのは、居心地のいいコミュニティの場であったからだったのはきわめて示唆的です。
 アントネッラは、図書館がコミュニティにできることとして、人と人をつなぐこと、人と情報をつなぐことを挙げ、本を中心に考えるのではなく、文化を提供するという視点で市民、ユーザーともっと連携すべきだと話しました。
 出会いと参加の場、そこにたまたま図書館があるというイメージでしょうか。
 また、図書館は自由であるべきで、遊びたい幼児と静かに勉強したい学生が、それぞれの自由をともに充足できる空間づくりを目指すべきであるとも。
 どんな情報も居ながらに手に入るデジタル化時代、資料としての蔵書がデジタル化されたら、公共図書館の役割は劇的に変わらざるを得ないように思います。
 仮に、資料がデジタル化、データベース化されてしまえば、蔵書資料の博物館としての役割はあるかもしれませんが、資料情報としてはどこかで一つだけあればあとはデータベースとして共有できれば事足りてしまう。では図書館は、今、公共図書館が果たす大きな役割である、貸本屋機能を競うのか?はたまた、レファレンスの検索の腕前を競うのか?
 グーグルは、世界のあらゆる資料をデジタル化すると豪語しています。高いハードルがあるにしても世界の流れかもしれません。そんな時代が来るとすれば、では、図書館員の仕事は?公共図書館の役割は?と考えてしまいました。そんな時代をも見据えて、意識変革する必要があるように思います。
 先日、「知の広場」を手に取りました。17の忘れてはならないポイントは極めて大切な視点であり、特に、11から13は、元千代田図書館長の柳氏の解説と合わせ、わが国図書館界の一番の問題点をついているのではないかと感じました。
 そんな時代の県立図書館、公共図書館の目指すべき姿について、教育長、どうお考えですか。
 今、議員からございましたデジタル化が進展をいたしております。書店や図書館に行かなくても、自分の端末でさまざまな情報を取得したり、あるいは書籍までがダウンロードして閲覧できると。大変便利な時代に入っているわけであります。一方で、やはりネット上にあります情報は、出典や真偽が定かでないものがあふれております。また、ネットの検索機能ですが、先ほどグーグルの話もございましたが、基本的に多くの人に好まれる情報が中心に来ております。本人にとって必要な情報が、必ずしも迅速に適切に取得できるかというと、そういう点で問題もあろうかと思っております。
 そういった中で、公立図書館ですが、やはりレファレンス機能、このサービス機能というのは大変大事なものだというふうに思っております。情報の検索、調査、相談などのサービスを行いまして、県民一人一人に必要で大切な情報を、書籍とか資料等でございますが、そういった情報を提供しておりますが、このことは今後とも図書館の重要な役割であるというふうに思っております。
 また、県立図書館は、市町村の図書館、あるいは学校図書館を支援していくこと、また地域の歴史、文化、産業などにかかわります資料、情報の収集、発信、さらには講座の開設でありますとか研修会でありますとか、そういったさまざまな形で県民の文化支援を行っているところであります。
 今後ですが、やはりそういう意味でいきますと、質の高い資料の収集、保存、それから司書のやはり力量アップ、それから情報化に対応した情報発信のやり方、こういった点で工夫を凝らしまして、県民の知的活動の拠点としての役割、こういったものを果たしていく必要があるのではないかというふうに考えております。
 彼女の話を聞きながら、そうした時代だからこそ、子どもたちの情報活用能力を育てる学校図書館、学校図書館活用教育の果たす役割がとても大きいだろうと感じました。そうした人づくりを進めないと図書館に未来はないのではないでしょうか。
 情報化時代における学校図書館の果たすべき役割と、情報活用能力を学校教育の中で子どもたちにどう身に付けさせていくのか、改めて教育長の所見をお尋ねいたします。
 現代は、先ほどから話出ております、子どもたちでもICT機器を活用することによりまして、容易に膨大な情報を収集、発信することができるようになっております。こういった環境の中では、子どもたちに何よりも情報を主体的に取捨選択、整理、分析して伝えるという、いわゆる情報活用能力、これをしっかりと身につけさせることが重要だというふうに思っております。そのためには、学校図書館を子どもたちのそうした情報活用能力を育てるインフラとして捉えまして、活用していく必要があるというふうに考えております。
 例えば、子どもたちが基礎的な知識、技能を生かしながら、図書資料などから情報を探して整理をしてまとめていく。こういった学校図書館を活用しました探究的な学習を展開することによりまして、情報活用能力を育成できるのではないかというふうに考えております。この意味で、各学校におきまして、引き続き司書教諭等が中心になりまして、そうした学習の充実を図ってまいりたいと考えております。
 昨年の9月議会でも質問させていただきましたが、学校図書館教育を中心となって進めるのは司書教諭であります。リーディング校を作るという点で、大きな役割を果たしてきた本県の司書教諭サポート事業であり、来年度以降の存続と腰を据えて取り組める体制の構築をお願いしたいものと思っています。今後の考え方について教育長にお尋ねいたします。
 お尋ねの司書教諭サポート事業でありますが、平成20年度から、司書教諭の授業を代替する非常勤講師を配置する事業としてスタートをいたしております。平成23年度から増員をいたしまして、今年度は県内14校に配置をいたしております。
 それから、配置の期間ですが、できる限り多くの学校に配置をしたいということから、現在は各学校に配置する期間は1年間というふうにいたしております。
 現在のところ、この事業によりまして、図書館を活用した授業がふえてきております。また、担当教諭とのチームティーチング、こういうことによりまして、子どもたちが積極的に図書館での学習に取り組むようになっております。
 一方で課題でありますが、先ほど申し上げました1年間の学校への配置ということから、図書館教育を学校全体に広げるまでに、まだなってない学校も見受けられるというような課題もございます。そういうことから、今後についてでありますが、今申し上げました成果、課題も踏まえまして、また現場の小中学校等の意見も聞いた上で、どういう配置のやり方がよいのか検討を進めていきたいというふうに思っております。
 知事のおかげで、本県の図書館教育は全国の関係者から羨望されるまでに育ちました。これまでの成果も含め、改めて知事に、子ども読書に対する思いをお尋ねいたします。  
 教育委員会からの報告によりますと、3点ぐらい変化が出てきておるというふうに聞いております。
 1つは、有償ボランティアの人も含めまして、学校司書さんの配置率が、県内では小中学校、特別支援学校、高等学校、それぞれ100%になったということで、図書館に行けば誰かがいて、わからないことを教えてくれたり、そういうことになっているということであります。
 それから、学校図書館を子どもたちに使いやすいものにするために、地元の人たちも一緒になりまして、あるいは学校の先生も入って、図書館の中を明るくしたり、本の配置を変えたり、あるいはこういう本がおもしろいよという生徒の感想なんかもあったり、あるいは座って読むような場所がふえたりして、児童生徒にとって居心地のよい図書館ができたというふうに言っております。アンケートでもそういう調査結果が出ておるということであります。
 そういうせいもあってでしょうか、週1回以上図書館に行く児童生徒の割合がふえております。平成21年に、小学生の場合21%でありましたが、平成24年は30%ぐらいに上昇している。全国の平均が24年度に18%ですから、島根の割合は高いと、こういうことであります。
 やはり読書というものは、知らない世界を知ることができる、こういう意味で大事なものだろうと思います。それから、本を読むということは、テレビを見るのと違って、自分で一定の集中力を要するわけであります。机に座ったり、いろいろおもしろいものを見つけて、一定時間、本を読み、集中して考えるとか、そういう習慣を与えるということで、学問の基礎みたいなものでありまして、やはり子どもたちにそういうことを教える、そういう場所を提供するというのは大人の役割ではないかというふうに思うわけでありまして、今後ともこうした努力を続けていく必要があるというふうに思います。
 ついででありますけども、学校図書館問題研究会という全国の会合がありますが、ことしの8月4日から6日、玉造温泉で開催をされますが、そのときに学校図書館と子どもたちの未来ということで、前の鳥取の片山知事は、やはり図書充実を随分やってこられましたが、前から対談をしたいということがありまして、対談をすることになっております。以上であります。
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 対談楽しみにしております。できたら、それまでに最近多分、まだ見とられないと思うので、随分進化してますから、現場を一度見る機会をつくっていただけたらなと思ったりしております。よろしくお願いします。
 特別支援学級について
 ある特別支援学級に関わる方から、8名という定数いっぱいの自閉症・情緒障がい特別支援学級の学級経営の困難さについてお話を聞き、何カ所かの現場の現状を見させていただきました。
 小学校では1年生から6年生までが、中学校では1年生から3年生までが一つのクラスに在籍しており、困難さの程度もまちまち。その上、生活力は勿論、一人一人の学力もきちんとつけて欲しいとのニーズにも応えなければならない。
 ある先生は、自分なら3人までが限度と仰っていましたが、現場では様々な知恵を絞って子どもたちの育ちを支えようと懸命に頑張ってくださっていました。
 定数いっぱい、あるいはそれに近い自閉症・情緒障がい特別支援学級の現状認識を教育長にお尋ねいたします。
 自閉症・情緒障がい特別支援学級ですが、私も何カ所か回りましたが、人数の多いところでは、やはり児童生徒の障がいの程度、特性が多様でございます。そのために、学力差が大きいとか、あるいは学級集団がつくりにくい、こういった課題があると聞きました。そうした中で、担任は児童生徒一人一人の状況に応じました学習指導、生活指導、そういったことに工夫をしながら取り組んでいるなというふうな認識をいたしております。
 自閉症・情緒障がい特別支援学級に在籍する学力をつけて欲しい子どもたちに対する支援は、満足すべき現状にあるのかどうか、教育長の所見をお尋ねいたします。
 自閉症・情緒障がい特別支援学級に在籍いたします児童生徒への学習支援でありますが、いろいろ障がいの状況に応じまして、担任指導に工夫を凝らしております。例えば、担任や教科担当によります個別の指導、あるいは反対に、この特別支援学級に在籍する生徒で、学力の程度によっては、通常の学級に入って一斉指導を受けるというようなことも行われております。こういったことで、それぞれ工夫を凝らしながら、子どもたちへのできる限りの学習支援をしているというふうに認識をいたしております。満足すべき状況にあるかというのは、なかなか現状は難しい状況にあるというふうに理解をしております。
 学力をつけて欲しい子どもたちへの支援について、中学校での免許外教科担任制度や、市町村雇用の退職教員で学校支援員をして頂いている皆さんの柔軟な活用ができないかとの現場の思いがあります。なかなか難しい課題でありますが、手一杯の現場からすれば切実な問題だろうと思います。
 そんなこともあってか、他県では、学級編制基準を独自に見直しているところもあると聞きます。他県の状況はいかがですか?お尋ねいたします。
 国の学級編制の標準は8人でございますが、全国の状況を見ますと、この8人を下回っている県、現在3県ございます。3県ですが、5人から7人の編制というふうに聞いております。
 例えば、自閉症・情緒障がい特別支援学級の定員である8人学級を6人まで下げるとすると、現状では何人の学級担任が必要になりますか?お尋ねいたします。
 島根県で、この自閉症・情緒障がい特別支援学級の学級編制を、例えば8人から6人まで下げた場合ですが、ここ3年で見ますと、平成23年度では5学級の増、平成24年度では2学級の増、今年度は1学級の増ということで、毎年変化をしておりますが、ここ3年で見ますと、平均して二、三学級の増ということであります。
 学級編制基準については、第一義は国であり国への働きかけを強めていくことは当然として、それまでの間、県で独自に学級編制基準を見直しも課題ではないかと思いますが、教育長の所見をお尋ねいたします。
 今、ございましたように、特別支援学級の学級編制基準、基本的には国のほうで措置をしてほしいということで、これまでも全国知事会、全国教育長協議会等を通じて要望してきております。今後も強く要望してまいりたいというふうに考えておりますが、その上で県としてどうかというお話でございます。
 全国の先ほど申しました状況、それからきょう申し上げましたいろいろ工夫しながら現場取り組んでおります。現場の話。それから、特別支援学級全体の話もございます。そういった状況もよく把握をして、今後、検討してまいりたいというふうに思っております。
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 次に、障害者優先調達推進法について
 障がい者施設の工賃向上については、これまで「工賃倍増計画」や「工賃向上計画」を立てながら取り組んできて頂いています。本年4月から障害者優先調達推進法が施行され、障がい者施設からの物品や役務などの優先調達について新たな取り組みが求められています。これまでの県全体の実績額は2,000万円ほどとのことでしたが、この実績の部局別の内訳と市町村の状況を健康福祉部長にお尋ねいたします。
 障がい者施設からの調達の状況でございます。
 県の調達実績は、給食や弁当、印刷を中心に、平成23年度は1,968万6,000円、平成24年度は2,076万9,000円となっておりまして、ここ2年は2,000万円前後で推移しております。部局別では、教育委員会と健康福祉部で実績額の9割を占めるという状況でございまして、部局ごとにかなりばらつきが見られます。
 市町村につきましては、調達実績を把握できているのは8市町でございまして、数十万円のところから、多いところで約3,000万円の状況でございます。
 そうなんだ。3,000万円のところがあるんですね。県、もうちょっと頑張らないといけませんね。
 調達先と見込める事業所や企業、在宅就業障がい者の状況はどのようになっていますか?お尋ねいたします。
 調達先と見込める事業所等でございます。
 障害者総合支援法に基づく事業所で生産活動を行っているところとしまして、障がい福祉サービス事業所が149カ所、地域活動支援センターが38カ所ございます。そのほか、障がい者を多数雇用している民間企業としまして、特例子会社が1社、重度障がい者対応は多数雇用事業所が3社ございます。また、在宅就業障がい者につきましては、障がい者支援団体に確認したところでは、少なくとも県内に30人以上はおられるんではないかということでございます。
 法の施行によって、現場の事業所等では調達増加を期待して営業活動するものの、のれんに腕押しという印象を話してくれた担当者があります。
 県の調達計画もこれからの現状ですから、ある程度やむを得ないかと思いますが、市町村や公的機関の障害者優先調達にかかる意識の現状と、推進役としての県の対応についてお尋ねいたします。
 この法の対象となっている県、市町村と、それから地方独立行政法人である県立大学、これらはそれぞれ調達方針を作成して調達を行うことになります。県においては、現在、調達品目や目標額を掲げる調達方針を策定中でございますが、市町村や県立大学も地域における障がい者施設の情報収集を行いながら、現在、調達方針の準備を進めているところでございます。
 県としましては、県の調達方針ができ次第、市町村等に対しまして情報提供するとともに、実効性のある調達方針の策定を働きかけていきたいというふうに考えております。
 また、県の外郭団体や指定管理者等に対しましても協力要請を行うなど、幅広い取り組みとしていきたいというふうに考えております。
 民間事業者との競合や部局間の意識の違いなどの問題があるように思いますが、障害者優先調達を進めるうえでの課題は何ですか?健康福祉部長にお尋ねいたします。
 課題でございますが、1つは行政サイドに事業所の情報が不足していることでございます。つまり、どこの事業所で何ができて、どれくらいの量をどれくらいの期間で提供できるかが不明ということでございまして、発注が一部の部局に限られているという結果になっております。したがって、取り組みにばらつきが見られるというのもそこから来てるんじゃないかなと思います。
 それから次に、事業者サイドのほうですが、事業者サイドには、行政の発注情報が入ってないということだろうと思ってます。つまり、どの部局が何をいつごろどれくらいの量を欲しいのかというのが伝わっていないために、せっかくの受注機会を逃してしまうことがあり得るんじゃないかなというふうに思います。
 こうした課題に対処するために、松江と浜田に設置してます障がい者就労事業振興センター、これを活用しまして、行政と事業所間の受発注の仲介を行っていくこととしております。
 今年1月、西成に行く機会があり、課題を持った人たちの支援を続けるNPOの代表と話す機会がありました。
 その女性は、西成には、発達障がいらしき人が多い。その人たちは地域から疎外され、流れてこの地に集まってきた。そして、この地域では、人がいつの間にか死に、消えてしまうのは日常茶飯のこと。
 震災の地で、絆が叫ばれ新たな地域づくりが進もうとしているが、絆を叫ぶのであれば、彼らが疎外されない地域でなければ。そうなっているの?と問われました。彼等は福祉の対象かもしれないけれども社会の構成員にはなっていないんですね。
 障がいのある人たちが、社会の構成員として普通に存在してもいい社会を作る、足掛かりとなるのが障害者優先調達の本当の意義かもしれません。
 知事には、推進の旗振りをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。決意のほどをお聞かせください。
 障がいのある方が就労されておる施設における仕事を確保するということは、障がい者の方々が自立をするために大変大事な課題だというふうに認識をしております。今回の法律の施行を機に、障がい者施設からの調達の推進につきまして、県庁挙げまして、積極的に取り組んでいき、全県に広がるよう推進を進めてまいりたいというふうに考えております。
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