三島おさむの県政つうしん REPORT SHIMANE TOP
三島おさむについて
自己紹介主張
職務について
議会質問議会ではその他の活動
趣味と情報について
ブログ趣味と写真三島情報
関連項目
リンクメルマガ
HOME/トップページ
トップページ > 三島おさむについて > 議会質問 > 2013年2月議会一般質問

2013年2月議会一般質問

[2012/10/3]

  1. コミュニティと地域再生について
  2. 食育について
  3. 給食・食育と地産地消について
  4. いじめ、不登校等の対策について
    • 本県の授業力の現状認識、人を育てる学校に変える管理職のマネジメント力について
  5. 遺伝子組み換え食品・種子について
  6. 自死対策について
    • 自死への用語の代置について
  7. 再質問

 質疑内容は下記の通りです。それぞれ文字色で私の質問知事答弁関係部長・教育長答弁がわかるようになっています。
  第1に、コミュニティと地域再生についてであります。
 先日、ある議員が、「中山間地域の集落からお店が撤退したため、高齢者は買い物ができなくなって困っている。地元の行政や県にお願いしても一向に轟いてくれない。そんなことでは地域の存続ができない」と噛みついていました。確かに現実はその通りかもしれません。
 これを聞きながら、地域の幸福って何だろうと思いました。
 コミュニティデザイナーの山崎亮氏は、「コミュニティの活動、言い換えれば、人と人とのつながりが機能するまちの暮らしは、住民ひとりひとりの 『やりたいこと』『できること』『求められること』が組み合わさって実行されてこそ、初めて実現するものではないか。『できること』を他者に委ね、『求められること』を拒否し、『やりたいこと』だけに時間と労力を費やす人々の生活からは、成熟した豊かなコミュニティの姿を展望することはできない」と書いていました。
 中山間地は都市部ほどではないにしても、私たちの社会は、「できること」を他者に委ね、「求められること」を拒否する外注化の構造を作り上げ、外注化が日常化した結果、地域の幸福は誰かが作ってくれるものだと錯覚してしまった。
 背景には、強い絆で成り立っていた地縁コミュニティが、人々が豊かさを手に入れることで絆がしがらみとして忌諱され、機能が弱ってしまったことにあるのではないかと思います。
 コンサルや行政が地域を幸せにするのではありません。外の力に依存する生き方や価値観を変えない限り、地域の存続はないように感じています。縮小への時代だから尚更です。
 山崎亮氏は、「変えようという努力が集まると、本当に日本の未来が部分的に変わることになるだろう。僕たちはそういう時代に生きている。『でもやっぱり時代なんて変わらないよね』と笑うこともできるし、『やってみようぜ』と肩を組むこともできる時代だ」とも書いています。
 時代が大きく動いています。時代を変えることができるかどうか、今そんな時だろうと思いますし、変えようとする人たちが着実に増えているように実感しています。しかし、時代を変えるのはそう簡単ではないかもしれません。
 知事、時代は変えることができるのでしょうか。これからの時代の地域の豊かさに対する所見と合わせお尋ねいたします。
 最初の質問は、時代を変えることができるのか、地域の豊かさをどう考えるのかという御質問であります。
 議員はいろんな例を挙げられて、各地でいろんな努力がなされてる、今の問題を指摘され、それに対してどう対応するのかという中でお聞きになっておるわけであります。なぜ今のような事態が生じてきたのか、現状はどうなってるのか、そういう点から少しお話をしないと、なかなか私の考えは理解されにくいんではないかと思いますので、その点を申し上げますと、非常に巨視的に見ますと、戦後の日本の発展は太平洋側の大都市を中心に工業化が起こり、そこに地方から多くの人が、職がふえますから、職を求めて出ていく。大都市化がさらに進む。他方で、地方のほうでは過疎化が進むと。地域社会が崩壊をしかねない。それがさらにグローバル化が進行することによって拍車をかけておるということではないかと思うわけであります。
 そこで、地方部におきましては、いわゆる人口構成がピラミッド型からろうそく型に変わり、あるいは逆ピラミッド型になりかねないと。いわばそうなりますと、人口がふえていくということは難しいわけであります。そうすると、小さい集落では集落そのものがなくなってしまう。いわば重力のような巨大な力が働いておる状況で、この時代の大きな流れそのものを変えるということはなかなか難しい。しかし、それは地方で雇用をふやすとか、あるいは大都市集中をもう少し地方に分散を、企業活動あるいは教育等々分散を進める政策をとる、そういうことが大変必要だろうと思います。
 しかしながら、近年の動きを見ますと、大都市におきましては行き過ぎた過密の中で、人は多いけども、議員御指摘のように、隣の人はよく知らない、無縁社会のようなものが広がりつつあると。あるいは、近年ではグローバル化による企業間、国際的な競争の激化で雇用の形態が非常に変わってくる、社会のセーフティーネットが非常に薄くなってしまう、大変厳しい事態が生じ、都市の中でもこうした事態をどう打開すべきなのか、いろいろ活動も行われておるわけであります。人と人とのつながりをどうやって緊密なものにして、セーフティーネットと、あるいは団結と、団結のネットといいますか、そういうものをどうやってふやすかという努力はいろんな形でなされてきております。
 他方で、地方のほうでは、特に中山間地域などでは、まだまだ残る地域社会を活性化することによって生活を守り、集落を守っていこうという取り組みが各地で行われるようになっておるというふうに思います。そういう動きの中で、この島根を見ますと、豊かな自然、古くから受け継がれてきた文化伝統、あったかい地域社会といったものが残っておりまして、これは今の日本全体から見ると地域の豊かさの一つだというふうに見られるようになり、このところ島根へのUIターン者なども増加をしてますし、県民の市井の方々も、島根でいい雇用の場があればできるだけ残りたいという人もふえておるわけであります。
 そういう意味で、島根のような、やや発展はおくれたけども、古来からの豊かさ、真の豊かさと言っていいのかもしれませんけども、そういうものが人々がいいものだというふうに思うようになってきてる、これはそういう意味では時代が少しずつでありますけども変わり始めてるんではないかというふうに思うわけであります。したがいまして、県としては、こうした島根の豊かさを維持するよう、あるいはこれがさらに育つよう、地域を活性化するための支援を行うと同時に、そういう活動をいろいろされておられます方々を支援をしていく、これを一生懸命やることによって、議員がおっしゃるような問題に対応していく必要があるというふうに考えておるところであります。
  今、旧来の社会が持っていた血縁、地縁、社縁などのコミュニティ機能が衰え、新しい社会関係資本としての人的ネットワークが注目される時代になり、旧来型コミュニティからテーマ型コミュニティへの大きな流れがあります。
しかし、特に中山間地域の持続性を考えると地縁コミュニティが機能することが不可欠で、やはり地縁コミュニティに帰らなければならないと思います。それを可能にするのは地域をマネジメントできる人材。地域再生、地域の存続はマネジメント人材にかかっているのではないでしょうか。
集落支援員や地域おこし協力隊、各地で取り組まれている地域プロデューサー養成やビジネスコンテストなど、次世代の地域再生をマネジメントする人という視点で共通するのですが、力不足、力があっても地域が生かせない、数が足りないという現実があるように思います。
地域を支える、マネジメントできるコーディネーターの現状と育成について、地域振興部長の所見をお尋ねいたします。
 まず、地域をマネジメントできるコーディネーターの現状と育成についてでございます。
 地域づくりは、まずは住民一人一人が地域のことをみずからのこととして考え、全員が何らかの役割を担って参加していただくことが重要であります。そのような地域に、地域をマネジメントする人材が配置されることにより、地域課題の解決に向けた取り組みの成果が上がるものと認識しております。
 県では、さまざまなプログラムにより、地域が求める人材の育成、誘致に取り組んでおります。事例を紹介いたしますと、育成策といたしましては、地域おこし協力隊など地域で活動を進める際に必要となる基礎知識を学ぶスキルアップ研修やステップアップのための研修があります。また、誘致策といたしましては、都市部で島根での地域づくりに関心を持つ人を集め講座等を行いますしまねことおこしアカデミーや、県内で地域づくり体験に取り組む人を県外から誘致する島根おこし体験事業などに取り組んでいるところでございます。
 地域運営を担う人材は、今後ますます必要になると考えております。引き続き、人材の育成、誘致に取り組んでまいります。
 とは言っても、やはりしがらみを嫌う人は多く、無縁社会が広がり、このままでは、社会的コストは増嵩するばかりです。
 311を契機に、テーマ型コミュニティの活動が一層盛んになってきていますが、どこに行っても同じようなメンバーに出会うというのも現実ですし、街づくりなどのテーマ型コミュニティでは敷居が高い。
テーマ型コミュニティの幅と量を広げると同時に、テーマ型コミュニティの縁辺部に、緩やかな出入り自由なコミュニティ、昔の縁側コミュニティのような機能を数多く、意識的に作ることが必要ではないかと感じています。
 そうしたさまざまなコミュニティを複層的に再構築し、社会関係資本の網目を細かくすることが無縁社会を支えることにつながっていくのではないでしょうか。
 無縁社会を支えるコミュニティについて、地域振興部長の所見をお尋ねいたします。
 議員御指摘のとおり、都市部を中心に、地縁型コミュニティーや他人とのかかわりが希薄な人たちがふえていると認識いたしております。しかしながら、このような方々も、日々の生活の中で全く人とのかかわりを絶つことはできないと思います。困ったことややりたいことなどをきっかけとして、コミュニティーを求めることがあるものと考えます。その際には、さまざまなコミュニティーの情報や出会いの場が必要となります。議員御指摘の緩やかな出入り自由なコミュニティーは、そのような機能を果たすものと感じました。
 今日では、従来からあります地縁型のコミュニティーや趣味を通じたサークルだけでなく、さまざまなニーズに基づくコミュニティーがございます。したがいまして、人々は必要なときに、求めるコミュニティーがあればそれに参画し、なければみずからつくることもできます。そのような行動が、NPOや地域づくりグループ、サークルなど、自発的、主体的な取り組みの活性化につながると思います。地域に生きる人々に活力や安らぎを与え、地縁型コミュニティーとともに地域を支えることになるものと考えております。
 県では、ふるさと島根定住財団の補助制度などにより、さまざまな地域づくり団体や県民の方々の活動を支援いたしております。今後とも、県民の方々がさまざまなコミュニティーに参加しやすいよう情報や場を提供するとともに、新たなコミュニティーをつくりやすい環境の整備にも意を尽くしてまいりたいと思います。以上でございます。
ページのトップ
  第2に、食育についてであります。
 一昨年秋、体質を改善したいと思い、日本の伝統的な食に近いであろう発酵食品中心の食生活に変えました。その結果がここに立つ私の姿であります。
 体調はすこぶる快調で、食べ物がこの体を作るということを改めて実感しています。しかし、食べ物が体を作る、この当たり前のことが当たり前として意識されなくなっています。
 私たちは、欲しいものは何でも手に入る豊かな生活を手に入れましたが、それとともに、食の優先順位が低下してきました。毎食カロリーメートで済ます学生や、母親に一度も料理を作ってもらったことのない学生が生まれ、生ごみの少ない肉中心の食卓になり、ジャンクフード全盛の時代になりました。その結果、2009年の厚生労働省の調査では、高校生の43%が生活習慣病予備軍とのことであります。
 一方、医療費は毎年1兆円増え続け、医療保険制度や介護保険制度がいつまで持つのか、兢々としています。食育が叫ばれるゆえんだろうと思います。
 しかし、戦後欧米の食事が推奨・推進され続けて、今日の食環境が作られてきたわけですから、社会全体の意識を変えるのは容易ではありません。多忙感のある教育現場に負担感が増す結果になっていますが、学校給食に期待されるゆえんであります。
 その食育の本県の取り組みですが、全国トップレベルとの声がありました。ここまでの関係者の努力に敬意を表しながら順次質問させていただきます。
 その期待を背負って創設された栄養教諭制度。ここでも島根県の取り組みは評価できると思います。しかし、期待され、求められる役割に対しての体制はあまりにも脆弱です。
 栄養教諭は、特定の学校に籍を置き、一人で5〜6校を担当し給食センターの運営とエリア内の学校の食育を担当しなければなりません。その上、教諭ゆえに、校務分掌を引き受ける栄養教諭もあるようです。そして、地域の食育のリーダー役まで期待され、過重な負担を背負っているように思います。
 また、絶対数の少ない栄養教諭にもかかわらず横の連携が十分でないようですし、栄養教諭と一般教員との連携にも課題があると聞きます。
 この度、食育という観点でいくつかの学校、給食センター、自治体などにお邪魔しお話を伺ってきましたが、食育のホシは体験であり、子ども自身が考えてアウトプットする授業によって、子どもの食に対する意識は大きく変わるということを目の当たりにしました。
 また、食育を中心としたマネッジメントは、新学習指導要領に明記された思考力・判断力・表現力等の育成を可能にしていました。そして、子どもが変わると教師が変わり、親が変わる。地域が変わります。とても確かなアプローチだと感心しました。
 しかし、子どもの意識を変える食育の授業は、経験のない一般教員には難しいし、経験の少ない新採の栄養教諭にも難しい現実があります。そんなことから、授業のモデル化に取り組む先進地がありました。現場がそれを生かすかどうかは次の問題ですが、取り組むべき課題ではないでしょうか。
 制度創設から7年、栄養教諭、学校栄養職員の配置基準と配置状況、ここまでの成果、見えてきた課題、今後の取り組み方針について教育長にお尋ねいたします。
 栄養教諭、学校栄養職員についての御質問でございます。
 この栄養教諭、学校栄養職員のまず配置の基準ですが、児童生徒数によりまして、共同調理場では、6,000人を超えた場合に3人、1,500人から6,000人までが2人、1,500人以下が1人と。それから、単独調理場ですが、550人を超えた場合に1人配置、550人を下回る場合は4校に1人配置をいたしております。
 それから次に、その教諭、栄養職員の配置状況でございます。
 小中学校、それから特別支援学校に配置をいたしておりますが、栄養教諭が59名、学校栄養職員が16名、合わせて75名を配置をいたしております。この配置している学校の全学校数に対する割合ですが、栄養教諭について見ますと17%、栄養教諭と学校栄養職員合わせますと20%の学校に配置がされております。
 それから、栄養教諭配置の成果でございますが、食育の学習で栄養教諭と担任の共同授業が増加をしております。それから、小中学生の朝食摂取率が増加をしてきております。それから、保護者を対象とした食に関する活動の機会も増加をしております。こういった成果がある一方で、課題といたしましては、食育のコーディネーターとして校内の教職員とかかわりながら学校運営を行うという、こういった栄養教諭の役割があるわけでありますが、これが栄養教諭間でその取り組みにまだばらつきがあるということ、あるいは御質問にもございました、授業の経験がまだ不足してるというような課題もございます。
 今後の取り組みでございますが、こうした課題を踏まえまして、栄養教諭のコーディネート力を育成するための研修会の実施でありますとか、授業力の向上を図るために栄養教諭同士の公開授業の実施、それから今年度は、食の学習に係ります実践事例集を作成をいたしました。来年度以降、この事例集を活用しながら、授業において各小中学校で実践をしてまいります。また、学校におきます食育の推進を通しまして、保護者や地域の人々の意識を高めていくことが必要であると思っております。関係機関が連携をいたしまして、地域全体で子どもの食育を支えるよう働きかけてまいります。
 給食の供給には、親子方式を含む自校方式とセンター方式があります。
 我々の時代には、授業中に調理の音や匂いが流れてきてそわそわしたり、給食のおばちゃんに声をかけて貰った暖かい思い出がありますが、食を身近に感じるそんな環境は本当に少なくなってきました。
 また、センター方式では、ご飯の外注化は避けて通れず、湯気の立ち上る温かいご飯は望むべくもなく、配食時間の関係から調理時間が限定され、手間のかかる食材への対応が困難で、調理済み食材を利用せざるを得ないケースも多々あると思います。
 全国的には、食育という観点から、センター方式から自校方式へと転換を図る自治体もありますが、効率優先のセンター方式へという流れは、子ども中心ではなく大人の都合そのものではないかと寂しい思いです。
 センター方式と自校方式の評価と本県の動向について、教育長にお尋ねいたします。
 まず、この両方式の評価でございますが、センター方式でございますが、長所といたしましては、施設設備、運営経費の削減、あるいは材料費の調達コストの削減等、安価な材料費が入るというようなことで保護者の負担が軽減をされるということ、それから教職員の給食に対する事務負担が少なくなってまいりますので、教育活動に専念できる時間がふえる、こういった長所がございます。一方で、短所といたしまして、これも御質問ございました、多量の食材を必要といたしますので地場産物の納入が難しくなる、あるいは配送の時間がございますので適温の給食を提供することが難しくなるというような短所もございます。反対に、自校方式は、今申し上げました長所、短所の裏返しの関係になろうかと思います。
 県内の動向でありますが、平成24年度、今年度ですが、平成21年度と比べますと、3年前ですが、センター方式が5施設減りまして45施設、それから自校方式が9施設減りまして29施設となっております。こういった傾向、児童生徒数の減少によりまして自校方式から共同調理場への移行が進んだのが1つ、それから共同調理場同士の統合、これも行われるということで、先ほどの数値になってると理解をいたしております。
  給食は教育か?教育とするならば、給食時間は大きな課題の一つではないかと思います。
 我々の時代は、全部食べ終わるまで席を立たせてもらえなかったように思いますが、今そんなことをすれば虐待と言われる時代です。
 残食と体力には相関があるとされ、小学校低学年では、好き嫌いなしに残さず食べる習慣を早くつけることが必要ですが、十分な時間がないとの声があります。また、中学校では、学力や部活動が優先され、食べる時間が少なく、給食の教育的意義など望むべくもないと聞きます。
 生きる力と成績とどちらが大切なのか?生きる力を育む給食の時間について再考する必要があるのではないかと思います。教育長の所見をお尋ねいたします。
 また、食への意識を学生、社会人へとつなぐためには中学校、高校での取り組みが不可欠であろうと思います。中学校、高校の食育の現状評価と今後の取り組みについて、教育長の所見をお尋ねいたします。
 食育は、申し上げるまでもなく、生きる力の基礎を育成するものでありますが、その中で、学校給食は食について直接学べるよい機会でありまして、その教育的効果は大きいと考えております。ちなみに、現在、県内の各学校で給食の時間をどれぐらい確保してるのか調べてみましたところ、給食の準備も含めまして、小学校で平均45分、それから中学校で平均35分、実際に準備時間等を除きます実際に食べる時間ですが、小学校で平均で25分、中学校で平均で20分というような状況のようでございます。
 この給食の時間でありますが、児童生徒の発達段階や学校の規模等の実態が異なりますことから、一律には決められていないということであります。各学校で工夫をしながら取り組んでいるという実態でございます。
 いずれにいたしましても、限られた給食の時間であります。給食前の授業の終了時間を守るなど、できる限り給食時間を確保いたしまして、地産地消や健康を始めといたしまして、食について学ぶよい時間が確保できるよう、指導の充実を図ってまいりたいというふうに思っております。

 中学校、高校の食育についてであります。
 現在の現状でございますが、中学校、高校ともに、食育を推進する上で必要な指導計画の作成をしておりますが、この作成率は向上してきております。ただ、高校での作成率が低いという状況でございます。まだまだしっかりと取り組んでいく必要があるというふうに思っております。ただ、そういう中で、家庭や地域を巻き込んだ食育に関する体験活動を行ってる学校も増加をしてきております。
 そういった中で、今後の取り組みですが、いろんな先進的な取り組み、各学校でございますので、そういった取り組みを、小中県立学校の食育担当者を対象といたしました研修会や県のホームページあるいは広報紙等で積極的に紹介をいたしまして、県内に普及していきたいというふうに思っております。また、全国的に高校生の生活習慣病予備群、増加傾向にございます。健康づくりに視点を置きました、例えば和食の効果、こういったことについても普及を図っていきたいというふうに思っております。
  先日、食の研究所・情報の受発信基地と謳うアンテナカフェを主宰する方と、食をめぐって意見交換する機会がありました。
 その方は、生産現場から調理、食事までを体験する料理教室を始めたと仰っていました。実体験を通してより深く健康な食の大切さを知ってもらおうとの取り組みです。
 一昨年の食育大会の主催地・三島市では、小学校給食はすべて自校方式、市単独で正規の栄養士を10人、臨時1人を配置。歯科医師会が積極的に食育にコミット、また、「わが社の家族団らんの日」を設け、27社が行動宣言するなど、農林、福祉、教育の3部局が絶妙な連携で市を上げて食育の推進に取り組んでいました。
 また、食育都市を目指す小浜市では、食育職を設け、食のまちづくりを担当する食のまちづくり課に専門職員を配置。食文化館を中心に市民が地元の食材を楽しく料理し、おいしく食べ、健康で豊かな生活ができるよう、ライフステージにあった、きめ細やかな健康づくりに関する取り組みを進め、高齢者の医療費が縮減するなどの効果も出ています。
 ストーブで有名な(株)コロナでは、社員食堂等の食の改革に取り組んだ結果、欠勤率が下がり、職場も明るくなり、生産性が上がった。その上、医療共済の赤字が黒字に。
 お話を聞いたある大学の栄養学の先生は、朝食をとることや健康な食をとることが、禁煙のように社会が当たり前のことと認知するようにしたいものだと仰っていました。
 考えればやれることはたくさんあります。やるかどうかだろうと思います。食は人の体を作るもの。少し時間はかかるかもしれませんが、食が禁煙のように当たり前に認知される環境づくりを進めたいものだと思いますが、知事の所見をお尋ねいたします。
 食が禁煙のように当たり前だと認知される環境づくりを進めたいが所見を問うと、こういう御質問であります。
 私も、議員がおっしゃるように、食育を進めて正しい食習慣を身につけるということは、禁煙の場合と同じように、人々の間で当たり前だと、そういうふうに思われるということが、考えられるということが大事だというふうに思います。禁煙の場合ですと、やはりたばこの、禁煙の場合は何かの行為をやめるということでありまして、食育の場合は何かの行為を身につける、考え方を身につけるということで、若干の違いはあるわけですけども、禁煙の場合はたばこの害のPRをいろんな形でやっぱりやってまいりましたね。これは世界的にやってきたわけです。そうした中で、個人個人が自分の判断で禁煙をされることもありますが、会社や組織で受動喫煙防止の取り組みなどを長年かかって実施をしてきて、それで禁煙が進んでおるというふうに思います。
 禁煙の場合は、1988年、25年前にWHOが世界禁煙デーというのを設けて世界的な活動を開始し、それから1998年、15年前には自主規制でたばこのテレビCMが撤退をするということが起こり、航空機内で全面禁煙がやはり15年前に起こってます。それから、国では10年前、2003年に健康増進法を施行して、多数の者が利用する施設の受動喫煙防止措置が定められております。そうした動きでなされてるわけでありますが、食育につきましてもそういう意味で、専門家などによります、あるいはいろんな団体によります食の大切さのPR、あるいはNPO、いろんな地域の方々が活動されてます、そういう方々の活動、そういうことをやっていくという中で、家庭内でも子どもの食の大切さを教える、このためには学校の教育ということもありますし、学校給食も関係をするだろうと思いますが、こうしたことを官民挙げて進めていくということが大事だろうというふうに思います。こういうことを一生懸命やることによって食育が広がるよう、県としても努力をしてまいりたいというふうに思います。
ページのトップ
 第3に、給食・食育と地産地消についてであります。
 本県給食の地産地消率は、46%と全国でもトップクラスとのこと。よく頑張っていただいていると評価しています。ただ、この地産地消率の数字だけを見て判断するには問題がありそうです。数字よりも、給食を経験した児童生徒が、将来どんな食行動をとるのかということが大切であろうと思います。
 生産者サイドである農林水産部局としては、給食・食育で育った児童生徒が地産地消を支える消費者に育つことを望まれるのだろうと思いますが、今の消費者がそうであるかと言えば、決してそうなってはいません。地産地消給食に取り組んだ先進地のアンケート結果では、明らかな相関関係は出ていないのであります。
 給食教育の中で地産地消を意識付けしていく、狙いを持った食育への取り組みがないと、期待通りの結果は生まれません。
 地産地消に果たす給食の役割に何を期待していますか、農林水産部長にお尋ねいたします。
 本年度、県内の公立小中学校合わせて1日約6万3,000食の給食が提供されております。また、学校給食の実施日数は195日前後であることから、延べで年間約1,230万食の給食を児童生徒、教職員が食べている計算になります。こうした給食需要に向けて地元食材の利用拡大を図っていくことは大変重要であると考えておりまして、地元食材の販路の一つとして期待しているものでございます。
 地元食材には、新鮮さ、旬のおいしさなどすぐれた魅力があり、それらは島根の気候風土が育み、生産者の熱意や日々の努力が支えております。子どもたちが学校給食などを通じてこうした背景を学ぶことによりまして、地域の農林水産業、農林水産物への理解を深め、将来、地元食材を優先して選ぶような大人になってくれることを期待しております。
 先に述べた栄養学の先生は、県が積極的に進める有機農業の生産者には給食で使ってほしいとの声があるが、その実現へのハードルはとても高い。有機農業生産者の出口対策には悲壮感が漂っていると仰っていました。言いえて妙であります。
 安心・安全な食べ物を子どもたちに届ける、旬の食材を旬産旬消する、言葉では簡単ですが、幾重のハードルがあります。ロットの問題、価格の問題、虫や形状の問題、既得権の問題、そして、何より納入へのマネジメントの問題であります。
 特に、大規模なセンター方式では絶望的であります。
 何か所かで給食に納入する有機農業者と話しましたが、子どもたちに安心・安全な食材を届ける、美味しいものを届ける、旬のものを届けることへのこだわりと誇りは価格に代えがたいのです。その思いは、子どもたちに伝わります。生産者の思いが子どもたちに伝わること、子どもたちが現場を体験することで、給食教育の効果があがるのです。
 大変な労力が必要ですが、マネジメントを進めることに対する所見を農林水産部長にお尋ねいたします。
 学校給食へ地元食材を供給していくためには、各地域においていつごろどのような野菜がどれくらい供給できるかというような生産現場の情報が学校給食の現場にきちんと伝わる仕組みづくりが必要だというふうに思います。現在のところ、県内の有機農業者は小規模で、かつ点在しておりますことから、有機農産物が学校給食へ取り入れられている地域は、生産者が組織的に活動し、供給体制が整っている地域に限られております。
 このため、みんなでつくる「有機の郷」事業等の支援によりまして、まずは有機農業に取り組む農家数と取り組み面積をふやすことに力を入れていきたいと考えております。さらに、先般、全県を対象として、生産者、消費者、流通関係者等から成るしまね有機の郷ネットワークが結成されました。それで、このつながりを生かして、県内各地域におきまして学校給食への供給を希望する生産者の組織化を図り、供給体制を整えていきたいというふうに考えております。こうした活動により、学校給食における地産地消の取り組みに有機農業者が参画できるように進めてまいりたいというふうに考えます。
 教育長、地産地消を推進する視点から、給食現場は、有機農業を含めた生産者の思いにこたえることができますか、お尋ねします。
 学校給食に地場産物を提供している生産者の方々は、ふるさと教育などにおきまして直接学校に出向き、会食や農業体験などの授業を通しまして、熱い思い、例えば生産する過程での苦労や喜び、安心で安全な食材を提供している誇り、こういったことを子どもたちに伝えていただいております。こうした生産者との触れ合いを通しまして、子どもたちにも地域の食文化や食料自給率への理解が深まるとか、あるいは地場産物を使って家庭で料理をしたり、弁当の日の取り組みに生かす、こういった効果もあらわれてきております。
 今後、安全・安心な有機農産物の生産拡大が図られまして、学校給食への供給体制が整えば、調理場での需要は高まるものと考えております。あわせまして、生産者と子どもたちとの触れ合いが増し、地産地消への理解がさらに深まり、教育的効果も高まっていくと考えております。
ページのトップ
 第4に、いじめ、不登校等の対策についてであります。
 質問戦の初日からの答弁を聞いていて、不思議な感じがしています。
 なるほど、その対策は必要かつ有効な対策であろうと思いますが、それは、あくまで対症療法であり、根本的解決ではないのではないか。
 私は、県内外、外国も含めて恐らく200を超える学校現場にお邪魔し、授業を見せていただき、管理職や先生方、現場の皆さんと意見交換してきました。食育をめぐっても貴重な学校現場の取り組みを見せていただきました。
 そうした現場を見る中で、授業が変われば、なぜ学ぶのか、学びは自分のため、学びは楽しいとわかれば、子どもたちに居場所が生まれ、自尊感情を持つことができる。さすれば、子どもたちは、学校は、モンスターペアレンツでさえ変わるのです。
 しかし、それは簡単ではありません。でも、実は簡単かもしれません。
 この力ある校長にしてこれだけ苦労して、と思ったことがあります。それは、子どもたち自ら考えさせる授業への改善というミッションを立てて取り組みを進めているものの、旧来型授業に慣れてきた教師には頭の切り替えが難しいのです。
 本当に不登校がない学校があります。いじめ、なくならないかもしれませんが、陰湿ないじめはなくなります。授業が楽しいのです。自分の居場所があるのです。
 教育長、いじめ不登校対策は、授業を変えることこそ最大の対策ではありませんか?本県の授業力の現状認識、人を育てる学校に変える管理職のマネジメント力について所見をお尋ねいたします。
 私どもも、子どもたち一人一人が認められ、自尊感情が育まれる教育、学ぶ楽しさを味わうことができる授業、こういったものはいじめや不登校の未然防止を始めとする生徒指導の基本であるというふうに思っております。この学ぶ楽しさ、いろいろあると思いますが、しっかりと考えてそれを表現することに子どもたちには喜びを感じてほしいというふうに思っております。
 ただ、島根県の児童生徒、学力調査の結果を見ますと、基礎的、基本的な知識、技能の習得に比べまして、思考力や判断力が十分ではないという数値があらわれております。そういった力を育む授業力の育成に重点を置きまして、現在、研修とか学校訪問指導等で取り組みを進めてるところでございます。また、授業力を高めるためには、学校図書館活用教育、こういったことも効果のある取り組みだというふうに思っておりますが、こうした取り組みを学校全体で進めるためには、管理職がリーダーシップをとりまして組織的に実践する必要があるというふうに思っております。今後とも、自主的な研修あるいは教育センターでの研修、こういうものを通しまして管理職のマネジメント力の向上に努めてまいりたいと考えております。
ページのトップ
 第5に、遺伝子組み換え食品・種子についてであります。
 遺伝子組み換えによる除草剤・ラウンドアップ耐性の大豆があるとは知っていましたが、その圧倒的な効果と、ひょっとしたらですが、それによる影響に震撼する思いです。
 その作付けは、超大規模圃場に大型機械でラウンドアップを散布後、耐性大豆の種を撒き、生育途中でもう一度ラウンドアップを散布する。散布された除草剤によって環境に影響が出ている地域、それによって小規模な農家が営農を続けられなくなる事態も起こっていると聞きます。
 我が国にとって大豆は、納豆・豆腐・しょうゆ・みその原料としてとても馴染みの深い食材ですが、大豆の自給率はというと、搾油用と食用をあわせて4%、食用でも20%です。
 大豆は米国からの輸入が67%で、米国での作付面積の86%が遺伝子組み換え。残りの輸入量の大半がやはり遺伝子組み換え作付けが過半を占めるブラジル、カナダですから、私たちは間違いなくラウンドアップ耐性大豆に大きく依存しています。
 世界的種苗メーカーの遺伝子組み換え種子戦略に関して、ブラジルでは、2002年の大統領選で遺伝子組み換え作物は作らないと公約した候補者が当選したものの、密輸により種子が流通してしまっており、2005年に使用を認めざるを得なくなったという事例や、2007年、米国において、カントリーエレベーターから購入して栽培に利用した種子に、特許で保護された種子が混入していたため、種子メーカーが大豆生産者に対して訴訟を起こした事例。メキシコでは、遺伝子組み換え種子の輸入が禁止されているのに、主食であるトウモロコシの固有種に遺伝子組み換え種子が交雑し、その対策に頭を悩ませている等、様々な問題が起こっています。
 我が国では、遺伝子組み換え種子の使用には高いハードルが設けられているものの、ナタネなど流通過程で自生しているケースもあるようで、自治体によっては、独自に条例で規制しています。
 遺伝子組み換えの種子に依存するようなことになれば、食料戦略を種子メーカーに預けることとなり、ひいては、種子メーカーの母国に隷属しなければならないことにもなりかねません。
 強欲資本主義と思える世界的種子メーカーの世界食料戦略に対する知事の所見をお尋ねいたします。
 この問題、いろいろ聞いてみますと、世界の大手の種苗会社というのは、世の中変わって、化学会社などがそういう会社に変貌してるようでございます。それは議員よく御承知、先ほどの説明にもありましたけども、アメリカあるいはカナダ、ブラジルといったとこは巨大な農業経営が行われておるわけです。アメリカでは平均の耕地面積が200ヘクタールといってますから、日本の100倍とか200倍、そんなような巨大な、機械を使った工業に近いようなもんですね。場合によると1万ヘクタールだとか、我々が想像つかないような大きな巨大農業であります。そういうとこでは、除草といったものが大変大儀ですから、肥料で雑草が生えないようにする。そうすると、薬品ですね、化学薬品をまく。そうすると、その化学薬品に弱い雑草がやられるわけですから、小麦もやられて大豆もやられる可能性がある。そうすると、そういう耐性を持った種子をつくればそれが可能になるわけです。雑草はなくなって大豆だけ残るということでありますが、そういう意味で、除草剤に強い遺伝子組み換えをした種子をつくる、それを販売すると同時に、ラウンドアップと例を出されましたけども、除草剤を販売する、そういう農業が進んでおるわけであります。
 こうした遺伝子組み換え農産物につきましては、日本では輸出入に関する国際ルールに従って国内法を整備しております。2004年から、環境及び食品の安全性が確認されたもののみ輸入、栽培が可能になってるということでございます。そういう意味で、今の米国等で行われてる農業が日本に適用されるということは可能性としては私は薄いですし、そういうものをすることはよく考えなければいけないことでありますし、日本としてはそうした遺伝子組み換えについては非常に慎重な施策を方針をとってきてるというふうに理解をしております。そういう意味で、特に島根などにおきましては、島根の豊かな地域資源を活用した有機農業の推進、あるいは食の安全・安心を確保するための美味しまね認証制度などの普及を行っておりますが、島根らしい特色のある農産物の生産を推進していくべきものだというふうに考えております。
 なぜこんな質問をするのか?
 本県農業の未来を考えた時、地勢的に大規模営農になじまないこと、農は人の命を支えるものであること、環境問題的にも地産地消的小規模農業が持続発展できる取り組みを進めるべきであり、自給的農業、兼業的農業の振興を図るべきであろうと思います。
 そのためには、種苗メーカーが不可欠のF1種や遺伝子組み換え種子に依存するのではなく、地域固有種を守ることが不可欠と思うからであります。
 遺伝子組み換え食品の現状と種子の動向、遺伝子組み換え種子に対する所見とシーズバンクの現状と今後の考え方について農林水産部長にお尋ねいたします。
 まず、遺伝子組み換え食品の現状ですが、遺伝子組み換え食品につきましては、国において安全性が確認された遺伝子組み換え大豆やトウモロコシなどが家畜飼料や加工食品の原料として輸入され、その飼料を食べた家畜の肉や食用油となって消費されている状況にございます。
 また、遺伝子組み換えの種子の動向ですが、遺伝子組み換え農産物の種子につきましては、アメリカ、ブラジルなどにおいては広く使用されておりますが、我が国におきましては消費者の抵抗感が強いことから、食用農産物の商業栽培は行われていない状況にございます。このような遺伝子組み換えの種子に対する考え方ですが、今後も我が国のこうした消費者の動向というのは続くものと思われますので、遺伝子組み換え農産物の種子を使用した農業生産が行われるような状況になるとは考えにくいというふうに思っております。
 次に、シーズバンクの現状と今後の考え方であります。
 シーズバンクにつきましては、遺伝資源の保存、生物多様性の確保を目的に、国においては1986年に独立行政法人農業生物資源研究所内に遺伝資源センターが設置され、島根由来品種439種を含む約21万5,000種の保存が行われております。また、島根県では農業技術センターにおきまして、遺伝資源の保存や新たな品種の作出などを目的に、ワサビやカブの固有種など673種を含む約1,300種の種苗保存を行っております。
 今後とも、国の遺伝資源センターなどと連携をとりながら、地域固有種の収集や産地戦略に基づいた種苗供給などを行うことによりまして、島根ならではの特色ある産地づくりにつなげていきたいと考えております。
 併せて、学校給食における遺伝子組み換え食品の使用について教育長にお尋ねいたします。
 最後に、遺伝子組み換え食品の学校給食での使用でございますが、県内調理場に聞き取りで調査をいたしましたところ、各調理場では現在、遺伝子組み換えの作物や食品は使用していないという報告を受けております。以上でございます。
ページのトップ
 第6に、自死対策についてであります。
 自死について、本県では自殺対策総合計画の改定に当たり、県内の遺族・遺児らの強い願いを受け、「自殺」という言葉を「自死」に代えることについて、自殺総合対策協議会の中で検討していくこととされました。
 このことは、昨年改訂された国の自殺総合対策大綱では「地域レベルの実践的な取り組みを中心とする自殺対策への転換」が謳われ、地域の実情にあわせてこれからの自死対策を進めるべきとの基本精神にも合致し、評価できると思います。
 一方、「自死」に置き換えることについては、なお一部に疑問をお持ちの県民の方もあるように思います。その疑問の根幹にあるのは、「自死」用語は自ら命を断つことを美化するもので、「自殺」用語が持つ自死防止という抑止効果を無視するものという意見であります。
 抑止効果という言葉は、自死者をスケープゴートの見せしめにして、あのようになってはいけないという、自死者とその遺族に対して拒絶的、否定的な後ろ指を指すものと言えないでしょうか。
 長い間、自死遺族・遺児は、十字架を背負い、声をあげることのない人たちでした。その人たちが、これ以上自分たちと同じ悲しみを背負う人を増やしたくないとの思いで声を上げ始めました。県もその皆さんの思いに応え勇気ある決断をすべきと考えます。
 自死への用語の代置について知事の所感をお尋ねいたします。
 議員が御指摘のように、自殺という用語につきましてもいろんな見解がございます。現在、議員が御指摘になっておりますけども、次期の県の自殺対策総合計画を自殺総合対策連絡協議会で検討中であります。この計画は、来年度から平成29年度の5年間の計画であります。国の自殺対策基本法に基づいて作成をされているもんであります。
 この協議会で、用語につきましていろんな議論がなされております。この議論の内容を見ますと、議員がおっしゃったような遺族の方々からの御意見等がありますし、他方で、自死という言葉は現時点で十分認知されているのかといった御意見、あるいはパブリックコメントなんかもとっておりますけども、パブリックコメントでは、自死を用いるべきというような意見も多いようでございます。
 いずれにしましても、この自殺総合対策連絡協議会は、学識経験者、医師会などの医療機関、あるいは職域の代表ですね、商工会、商工会議所等々の、あるいは農業協同組合連合会の代表の方々、あるいは地域の代表の方々、社会福祉協議会、連合婦人会、公民館連絡協議会、あるいは実践団体の方々、あるいは弁護士、行政、33機関の代表の方が出て議論をされております。近々その自殺対策総合計画案ができてまいりますから、その議論の結果をよく見まして、県として総合的に考えていきたいというふうに考えておるところであります。以上であります。
【再質問
 最初に、禁煙のように当たり前に認知される環境づくり、県民運動ですけれども、コロナの例をお話ししました。コロナでは、やっぱり職員が、社員が社員食堂でラーメンとかおそば、この需要が非常に高かった。これを何とかしたいということで、それの改革に取り組んだようであります。その結果が、さっきお話ししたような欠勤率が下がったり作業能率が上がったりということで、非常に会社の業績も上がったと、このように聞いております。
 県内でも、企業全体で食育といいますか、食の改善に取り組んでる企業もあるということは私も承知しておりますけれども、県庁みずからリーダーシップをとることも検討する課題かなと思ったりしますので、その辺も含めて、しっかり県全体、県民運動としてできるように推進をしていただきたいなと思います。何か所感があればちょっとお尋ねしたいです。
 もう一点、遺伝子組み換え食品についてでございます。
 恐らく、農林水産部長がおっしゃいましたように、国民が簡単に受け入れないだろうなと、そういうふうには思いますけれども、我々は知らずに食っとるわけだよね、現実に。それがありますし、メキシコの例をお話ししましたけれども、メキシコはこの遺伝子組み換え種子の輸入を禁止してますけれども、主食であるトウモロコシ、ここに遺伝子組み換えの種子が混入、種子というか、何ですかね、あれは花粉で受粉するからということなんですかね。混入して、その影響、非常にこの対策に頭を悩ませてると、こういうふうに聞いております。そういうことがあっちゃいけないなと思います。実際に流通する過程でアブラナ科のものが自生したりしてるケースもあるようですから、そういうところに神経をとがらせていただきたいなというのと、シーズバンク、島根県内のお話、673種、1,300種だったかな、ちょっとよく、何かそんな話でしたけれども、品種数としては非常に多いけれども、品目は10品目しかないんだよね。10品目というのは余りにも多分少ないだろうと思いますよ。例えばゴボウ、桜江ゴボウとか秋鹿ゴボウとかあるけれども、ゴボウなんかないよね、そのシーズバンク、県内の。だから、そういうことをやっぱりしっかり掘り起こして未来に伝えていく、地域の風土に合ったものが地域の中でじっくり熟成されて固有種というのができてるわけですから、そういうことにもっとしっかり前向きに取り組む必要があるんじゃないかと思いますので、農林水産部長の再答弁をお願いをいたします。以上でございます。
 食育を県を挙げて進めるべきではないか、私も基本的に賛成でございます。食育というと、育という字が入ってますから、子どものころちゃんと正しい食事の仕方を教え込むといいますか身につけると、それができれば後々まで生きますから、子どもに対するものが大変大事なんだろうという気がいたします。それも学校給食の場で行うこともあるでしょうし、あるいは子どもたちが農園に行って実際の野菜とかそういうものに触れてみる、それで料理をしてみる、そういう自分でやってみるというようなことも大事でしょうし、しかし議員がおっしゃったのは、そういう教育だけでなく、企業の例を出されましたけども、幅広く行うべきではないか、おっしゃるとおりだろうと思います。ただ、県はというよりも、それがやはり県民運動、市民運動として出てきませんと、なかなかこういうことは難しいわけでございまして、県も一緒になりまして、そういう正しい食のとり方、我々の身近なことですから当たり前みたいなことになってて、なかなか、大体わかってるけどもできないという人も多いでしょうしね。よくいろんな人の意見、あるいはいろんなとこで先進的なことをやってるとこもありますから、そういうところもよく勉強しながら、どうしたらいいか、よく考えてまいりたいというふうに思っております。
 遺伝子組み換え食品が今後どうなっていくかという質問、まず1点再質問ございました。
 お答えしたところでは、こうした今のような消費者の抵抗感というのは今後も続くだろうというふうなお答えしたんですが、本当は、TPPとかこういうのが今後どういう展開になっていくのか、そういう成り行きの中で、こういった遺伝子組み換え食品なんかの輸入問題でありますとか、あるいは栽培の問題、こういうことも当然俎上に上ってくることではないかと思います。そうした中で、やはり国民の感覚といいますか持っている感じというのが重要視されないといけないと思いますので、国挙げてもそうですし、特に島根県は、先ほど知事も申し上げましたように、有機農業ですとか美味しまね認証制度で非常に安全・安心ということを一つのキーワードで農業に取り組もうとしてますので、少なくとも県におきましてはそういった消費者とかあるいは県民が非常に抵抗があるような、そういったものが入ってこないように、やはり行政としてもそこはしっかり注視していかないといけないというふうに思います。
 それから、シーズバンクの話がございました。
 種としては673種あると、県の固有種ですけど、品目的にはまだ少ないということでございますが、ワサビですと島根3号という非常に優秀な品種が島根固有種としてありますし、あとカブですと津田カブとかありますが、最近ではメロンのゴールドスター、あるいはイチゴのいずもびじんですとか、この前フラワー・オブ・ザ・イヤーをとりましたアジサイの万華鏡、こういった種をしっかり保存していくこともやっておりますし、今後ともそういった種を議員言われるようにふやしていくという努力をしていきたいというふうに思います。
ページのトップ

 

前のページ ページのトップ