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2008年12月議会 一般質問

[2008/12/3]
一般質問二日目、下記の内容を取り上げました。
  1. 「定額給付金」について
  2. 文化芸術振興について
  3. 「こども読書県しまね」について 
  4. ドクターヘリについて
  5. 地域で学生を育てることについて
 質疑内容は下記の通りです。それぞれ文字色で私の質問知事答弁関係部長・教育長答弁がわかるようになっています。
  質問の前に、午前中、「定額給付金」についての論議がありました。知事のお話で十分かと思いますが、我々の好きな先進事例というか、世界の流れをご紹介いたします。世界は、この10年、特にこの2年、給付き減税が多くの国で実施される趨勢にあります。
 従来の景気対策の中で減税は大きな力でしたが、昨今は減税の恩恵に預からない人にも併せて給付することが大事という考え方から給付を付けた減税が、フランス、オランダ、イギリス、カナダ、アメリカ、そして韓国などで実施されたり、これから実施されようとしている。つまり、給付付き定額減税は世界の中の新たな景気対策の仕組みとなっているようであります。
 もう一つ、忘れてならないのは世界の景気後退の影響が我が県にも既に現れている。その影響は更に大きくなると思えてならない。例えば議場にいる我々や公務員への影響は少ないが、真っ先にその影響を受けるのは庶民。その庶民を支える、そして中小零細事業者を支えるという意味では年度内に実施して欲しいと思います。
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 質問の第一は、文化芸術振興についてであります。
 先日、中山間地域研究センターで「中山間地域に人々が集う脱温暖化の「郷」づくり」キックオフ・セミナーが開催されました。
 このセミナーの中心テーマとなるプロジェクト、05年、人口1,612人の浜田市の弥栄自治区を2050年、食料・エネルギーの自給率8割以上を目指し、さらに、中山間地域の再生可能資源を活用してCO2排出の80%削減を実現させ、人口を5,600人にするという余りに“無謀”と思えるような計画ですが、ここで提示される目標と同様、私の思い描く次代の島根も、トップランナー足りうると思っています。
また、今回のプロジェクトは、私の持つ島根像に明確な輪郭を与えるもので、想像しただけでワクワクするものでした。
 一方、大枠として示されたプロジェクトの概要には、ベースとなるべき人の心の豊かさを生み出そうとする積極的なスタンスが見えないように思いました。
 今次、アメリカ発の金融危機は、大恐慌以上だとも言われています。1930年代、米国では、ルーズベルト大統領が大恐慌を乗り切るためにニューディール政策を実行します。その柱は大規模公共事業と芸術文化政策でした。フェデラル・ワンとして、連邦美術プロジェクト、連邦音楽プロジェクト、連邦劇場プロジェクト、連邦作家プロジェクト、歴史記録調査、5つのプロジェクトを設け、驚くべき多くの人とお金を注ぎ込んで、あの大不景気、大恐慌の中で、徹底した芸術文化政策を遂行しております。
 それが、不景気で沈んでいたアメリカ国民の心に明るさを取り戻し、よし、アメリカ国民として頑張っていこうという勇気を奮い起こさせたのです。そして、そのことが、第2次大戦後、芸術の中心がパリからニューヨークへ移り、ブロードウエー・ミュージカルの興隆をもたらし、西海岸ではハリウッドが巨大映画産業に成長していく基礎になったと言われています。
 壮大な展望を持って島根の根っこである中産間地域対策に取り組もうとする今、厳しい時代であればこそ、私は、魅力ある地域のベースとして、伝統芸能をはじめとする文化芸術の振興を位置づけて欲しいものと思います。
 先日、旧八雲村の劇団あしぶえを訪ねた際、観劇とボランティアで参加した鳥取大学生の感想を読ませていただきました。一部抜粋して紹介します。
 今回のあしぶえ訪問の2日間では前回の訪問と違い、僕が経験してきた旅の中でも非常に楽しい旅となりました。まず、何よりもうれしかったことが、一度しか訪問していない僕のことを憶えていただけていたことです。たくさんあるであろう訪問者の中の一人を憶えていてくださっているという事は、一人ひとりの訪問者を大切にしていることを感じます。
 本番当日では午前の公演のボランティアもさせていただけたこともとてもよい経験になりました。僕の仕事はT兄さんのもとでの駐車場整理でした。駐車場整理は初体験でしたが、思っていた以上に楽しいですね。一番お客さんと関わりない裏方仕事だと思っていましたが、予想以上にお客さんとも挨拶を通じてのコミュニケーションが取れたことがやりがいでした。
 裏方ではMさんとしか面識はなかったのですが、他の方とも変に躊躇することなく気軽に話したり、遊んだりして接することが出来ました。正直、あしぶえのスタッフやボランティアとして参加している人たちが羨ましく思えてしょうがないです。
 自分の身近に人と人が心から楽しめる環境がある場所はそうそうないと思います。もしかしたら参加していた子どもたちも今はそのことに気づいてないかもしれません。物心ついたころにはボランティアでいろんな人と出会って育ってきたなんて今の僕にはとても羨ましいです。
 他にも感じたことですが、観劇に来られたお客さんとスタッフ・ボランティアの距離が非常に近いと思います。僕が一般的にイメージしているような演劇は大きな劇場のもと、たくさんのお客さんに向けて一方的に劇を観せてあげるというもの。しかし、あしぶえの演劇はお客さんから励ましだったり感動だったりを直接に受け取れる環境が作られていると感じました。
 ゲネプロと本番を通じて土筆さんが目標とする演劇として演者だけでなく、観客と一緒に劇をつくり上げるという感覚がわかりました。ゲネプロと本番では空気が違いました。お客さんたちも劇を楽しんでいたのが伝わるし、それに反応するかのごとく演技も昨夜観た演技と違うことがわかります。役者や観客だけでなくボランティアなどの裏方やあの環境がどれかひとつでも欠けていたらまったく違うものになっていたかもしれません。
 今回の訪問は「ひとを大切に」「出会いを大切に」そんな当たり前に知っているようなことを実感する旅にもなりました。この訪問で感じたようなことは何も今回が初めてということではないはずですが、今までそんなささいなことにいちいち感動していなかったことを思うともったいなかったな、と思います。そういう意味でも忘れることのない経験となりました。あしぶえで出会った皆さんに本当に感謝します。今回も本当にありがとうございました。
 新しい演劇という文化が地域の中でしっかり根付いている、たった2回目の訪問ながら、そんな姿を彷彿とさせる学生の感想文ではないかと感じました。今朝の園山議員の映画塾も同じコンセプト。
 知事は、最近、愛と地球と競売人のスタッフや劇団あしぶえとの意見交換など、この分野でも積極的に現場の声を聞こうとされています。
 知事の関係者との意見交換の感想と、厳しい時代だからこその島根のあるべき文化芸術振興についてのお考えをお尋ねいたします。
 1つは、島根における芸術文化の振興について所見を問うということでございました。
 特に、文化芸術の振興に当たっておられる方々とお会いして意見交換などを行う機会がありましたから、その感想を含めてということでありました。
 1つは、県民のミュージカル「あいと地球と競売人」、これは練習風景とかを何度か見させていただいたり、公演も見たり、公演も2回ぐらい見ましたでしょうか。それから、監督の方とかそういう方々からもお話を聞く機会がありました。このミュージカルは平成6年から既に14年にわたって行われておりまして、子供から大人まで幅広い方がミュージカルに参加をしとられて、毎年オーディションで採用されると。中には、小さい子供のころからやって、小学校に上がっても中学校に上がってもまたおやりになる方がおられるし、それから学校を卒業して成人になられてからも、ミュージカルをまた大人の役としてやられて、家族4人ぐらいでやっておられる方がおられるとか、非常に文化活動を島根の中で広げる役割を演じているなという感じがいたしましたし、またこういうミュージカルを県内の方が見る機会がそれによってふえているわけでありまして、そういう意味で文化のすそ野を広げる大きな役割を果たしておられるなという感じがしますし、また環境といったテーマをやっておられて、島根でこういうミュージカルができるのかということで、都市の人々の島根に対するイメージを変える役割も果たしておるんじゃないかなというような感じがしたわけであります。
 それから、旧八雲村の劇団あしぶえも見ることができましたし、去年は国際公演をやられて、外国の劇団とも交流をされてるところも参加をして見させていただきましたが、あの八雲の地で、八雲の地というのは山の中でありますけども、こういう文化的な活動が行われてるのかということで、びっくりをしたわけでございますけども、園山さんという非常に昔からプロの演出家としてやられてる方がそのグループを率いておられるわけでありまして、そういうところに劇団員が地元から参加をしたり、あるいはボランティアで地元の方々、地元以外にも全国各地から、例えば国際公演などの場合は参加をして、助けて、支援をしておられるわけであります。そういう意味におきましても、やはり多くの文化芸術を担う人材の育成に寄与されてると。地域文化の拠点として重要な役割を果たしておられる。劇場はしいの実シアターというとこでありまして、山の中腹のちょっと平地につくってあるわけですけども、まさに山中にあるわけでありまして、小高いところにありますから、眺めもいいところでありまして、木造の100人ぐらいしか収容できない小さいアットホームな感じのする劇場でありますけども、観客と演台が非常に近いところにありまして、後で解説があったりして、非常に親密な違った演劇を見ることができるわけであります。
 そういうことでございますが、やはり仕事に加えまして、芸術文化に日常生活で触れるということは、県民、我々にとりまして大事なことでございます。人生を楽しむ一つの大きな要素であります。豊かな生活を送るためにも、こういうものを振興するというのは意味のあることでありますし、それからやはり、島根の魅力っていうのは自然がありますけども、美しい自然だけではやはり魅力が平板になるわけでありまして、それに深みを与えるものは人間の営為でありまして、やはりそういう営為の中で自然と調和したような文化活動あるいは伝統芸能、そういうものが残ってるということがその地の魅力にとって大事な要素であるわけであります。
 そういう意味におきまして、この今の新しい文化活動のほかに、各地にも伝統芸能、隠岐の蓮華会舞でありますとか石見神楽でありますとか、あるいは各地で民謡等もあるわけでありまして、こうした地域文化を育てていく、大事な県としての課題であろうというふうに思うところであります。そういう意味におきまして、厳しい財政の状況の中でいろんな工夫を要しますけれども、引き続き豊かな島根実現のためにも必要な支援はやっていく必要があろうというふうに考えるところであります。
 最近、文化芸術に関わる若者や、そうした皆さんを支える活動に汗を流す方々と話す機会が幾つかありました。
文化芸術を生かした地域づくりと言っても、事業を考え実現にこぎつけてきた皆さんの思いと、支え、協力しながら地域振興に取り組む皆さんの思いが微妙にずれているように思いました。
それは、ある意味では当たりまえかもしれませんが、その齟齬が大きくなると、そうした活動そのものも終わってしまうことになりかねません。
統計的にどうかわかりませんが、益田のジャズプレーヤー人口は日本一かも知れないと益田駅前のジャズ・バーのマスターが仰っていました。しかし、その活動を支えるマスターも大変な思いをしながらの取り組みと聞きました。
私は、文化芸術を生かした地域づくりの現状は、特定の個人に負担が集中せざるを得ない構造になっているのではないかと危惧致します。
鳥取県には島根の持つ文化ファンドと言うような、文化芸術を広く支える素晴らしい制度はありませんが、県民文化祭を、そうした活動をマネジメントできる人材の養成の場と位置づけ、力を入れています。
文化芸術を支える人づくりでは、文化振興財団の活動や益田のジャズ・バーの現状を見るにつけ、マネジメントできる人材とともに、見識を持ったボランティアの養成が課題ではないかと思います。
今、国でも検討が進められていると聞くアートマネージャーや、ボランティアの養成について、必要性の認識と育てる仕組みの現状と今後の考え方についてお尋ねいたします。
 議員お尋ねのアートマネジャーとは、文化芸術施設などでの公演等の企画、制作、営業等に従事するとともに、文化芸術の振興に向けた政策提言や、調査研究にも従事するアートマネジメント担当者でございまして、国の文化芸術の振興に関する基本的な方針の中で、その養成を提言されております。
 現在、県の文化振興を担う島根県文化振興財団では、館長等を中心にその役割を担っておりますが、専任で担当する職員は配置されておりません。そういう中にありまして、例えば「あいと地球と競売人」の公演に当たりましては、日本振りつけ家協会の会長を歴任され、劇団四季キャッツの振りつけも担当されておりました山田卓氏に、長く総合演出をしていただきました。さらに、しまね映画塾では、錦織良成氏に映画塾の塾長をお願いするなど、多くの外部の専門家の協力によりまして、アートマネジメントをしていただいておりますと同時に、人材育成につきましてもあわせて行っていただいているところでございます。
 また、文化芸術活動を支えるボランティアについてでございますけども、島根県芸術文化センターグラントワでは、ボランティア会員の皆様に、オープン時から情報発信、ホール受付、清掃などの取り組みをいただいておりますし、松江市の劇団あしぶえでは、作品上映時には、地域のサポート会員に、受付、駐車場での誘導等の裏方すべてをお願いされております。そのほか、多くの団体におきましても、ボランティアによりその活動は支えられていると思いますが、これらの活動を紹介することによりまして、今後もこうした取り組みが広がっていくことが望ましいと考えております。以上でございます。
 この項の最後に、指定管理制度ありかたについてお尋ねいたします。
現在、わが県の指定管理制度の期間は3〜5年となっており、管理運営以外の部門がある場合には5年となっています。事業目的や働く職員のモチベーションを考えると、期間の設定や事業者を特定しての指定管理者委託も検討すべき重要な課題だと考えます。全国の動向と今後の考え方についてお尋ねいたします。
 本県の指定管理者制度の指定期間につきましては、施設の維持管理を主たる業務とする施設は3年間とし、施設の維持管理とソフト事業を一体として業務とする施設は5年間といたしております。また、指定管理者の選定については、すべて公募により行っております。
 全国の動向でございますけれども、指定期間につきまして、先ごろ都道府県を対象に行った調査では、回答のあった42団体、これは本県も含めてでございますが、これで見てみますと、本県と同じ3年または5年のいずれかとしている団体が、本県を含めまして18団体でございます。また、3年から5年までの間で設定している団体が22団体ございます。そして、5年を超える期間設定を可能としている団体が2団体というふうな状態でございまして、ほとんどの団体で3年から5年の期間設定となっているというものでございます。
 また、指定管理者制度の選定状況でございますけれども、これは他県が実施した調査ですが、回答のあった46団体、これは島根県も含めますが、その46団体中、本県と同じくすべてを公募により行っている団体は、本県を含めて、愛媛県、宮崎県の3団体というふうになっております。全国で3団体でございます。ただし公募により指定管理者を指定した施設数で見てみますと、全体で7割弱程度を占めているということでございます。
 制度の考え方でございますけれども、指定管理期間を長期に設定した場合は、安定的な経営というメリットがございます。一方で、指定管理期間を短期に設定した場合は、民間等他社の参入の機会が増しまして、サービス向上や運営の効率化が期待できるというふうなメリットがあるわけでございます。
 また、指定管理者の指定を公募で行うかどうかという点につきましても両面ございまして、非公募で行えば、安定的な経営というメリットはあります。他方、公募で行えば、他社の参入の機会を増すというメリットがあるわけでございます。
 こうした指定管理の期間やあるいは事業者の選定の仕方につきましては、この安定性と競争性の両面から検討する必要があると考えておりまして、次期指定管理の一斉更新に向けまして、制度を検証していくことといたしております。
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 質問の第二は、「読書県しまね」についてであります。
先日、山形県鶴岡市の朝暘第一小学校にお邪魔しました。1年ぶりの訪問でしたが、今回の目的は研究授業の見学、特に、実学としての学校図書館活用教育の指導講評を見ることを第一の目的としました。
 朝の学校図書館は、7:45分の開館時間を待ちわびていた子ども達が次々飛び込んできて、返却と貸出でごった返すというすさまじい様子は相変わらずで、この日も400人くらいの児童がやってきて芋の子を洗う状態でした。
 さて、肝心の研究授業ですが、4年生の総合学習の時間で、この日が3時限目。前の2時限の成果でワークシートが埋められていましたが、その中身は半端ではありません。A4数枚のワークシートの半分以上が埋まっていました。その調べ、まとめると言うスキルの高さは舌を巻くもので、学校図書館活用教育の成果を垣間見るものでした。
 もう一つ、凄いなあと思ったのが、このスキルの高さで、更に高みを目指して授業研究に取り組む学校と先生方の姿勢でした。
 更に、この日は、現場を徹底して踏んできたある大学の先生が指導講評をされましたが、その講評はそこまで言うのかというほど厳しいもので、火花が飛び散る真剣勝負の現場でした。図書館活用教育、本当に深いと思いました。勿論、何の現場も一緒だとは思いますが、こんな環境で勉強できる子ども達、羨ましい限りです。
 しかし、朝暘第一小学校を超えるかもしれないというのが東出雲の取り組みです。何が凄いのか、それは、小中一貫したカリキュラムの中で情報活用のスキルを作る取り組みです。
 大田市に縁のある八洲学園大学の高鷲教授は、ことあるごとに東出雲の取り組みを紹介し、絶賛しています。たった2年の取り組みの揖屋小学校は、見事に変身を遂げていますし、東出雲中学校も3年です。ある高校の司書は、城北と東出雲の生徒はスキルが全く違うと舌を巻いています。それが9年間の取り組みでどれだけ成長するのかと、全国から注目されています。
 このような成果著しい事例を県内に持つ学校図書館を活用した教育、その因は、学校司書の配置であり、司書と司書教諭の協働、学校一丸となった体制の整備、全体として上手くコーディネートする支援センターの存在です。
 私は、こうした東出雲の取り組みが島根県全体の取り組みとして広がり、次代の島根を、日本を背負ってくれる心豊かで、勝れた生きる力を持つ子ども達の育成に繋がって行くことを心から願っています。
 前置きが長くなりましたが、知事は、本年、県政の柱の一つとして「読書県しまね」を掲げてくださいました。以来、8月に玉湯で開催された学校図書館問題研究会、9月20日には「知事と語る!学校図書館」に出席して頂き、特に後者では、知事の思いを熱く語って頂き、学校関係者にとっては驚きと喜びと興奮に包まれた会合ではなかったかと思っています。
 そこで質問でありますが、二つの会合にご出席頂いた知事の感想と、「読書県しまね」への思いを改めてお尋ねいたします。
 この場におきましても何度か御質問をいただいておるわけでありますけども、8月と9月に学校図書館の運営に関与されている方々の会合に出てお話を聞いたり意見交換をすることがあったわけでございますが、各地で学校図書館を充実する活動が広がっておるということであります。また、学校図書館を子供たちが非常に利用することによって、いろんな視野を広めたり、関心を広めたり、そういうことを通じて、子供の社会性を高めたり、あるいは豊かな心を育てるといったことに大きな役割を果たしているなというのを皆さんから話を聞いたり映像で見たりいたしました。また、そういうことをすることによりまして、読書を通じて子供たちの集中力というんですか、あるいは持続力といいますか、本を読むというのはなかなか大変なことでありまして、注意の持続が必要なわけでありますけども、それが日常の勉強にも役に立っておるというような話も聞くわけであります。島根県の中で、午前中の質問にもありましたけれども、学力の問題が問われているわけでありますけれども、読書を通じて、これは学問だけではありませんけれども、子供の教育に役立てる大事な課題だというふうに感じたところであります。
 また、そういうことをするためには、図書館に人がいなきゃならない。あるいは、学校で図書を薦める先生方がいないといけないということがあります。先生方は司書教諭であり、図書館でいろんな作業をされ、子供たちに関心を深め、導くのは学校司書であります。さらに、地域の方々がボランティアとして、本の整理でありますとか、いろいろな活動をされております。こういう人々の力があって、学校で子供たちの読書の活動が活発化するわけでありまして、そういう意味におきまして、読書を子供たちに広げていくというためには、そうした人的な整備というのが必須の課題であるというようなことを皆さんお話しになっておられましたし、私もそうかなという感じがしたわけであります。
 次に、今まで何度となく質問してきた学校図書館の充実と、学校図書館を活用した教育の推進について留意すべきではないかと考えている点についてであります。
 一つは、一日の大半を学校で過ごす子どもたちにとって、学校図書館は一番身近な本との出会いの場です。先日のこだま欄には、司書配置がなくなり子どもが本を借りなくなったと言う悲しい投書がありましたが、子どもたちの「読みたい」「知りたい」という気持に応え、本を手渡す専任で専門の学校司書の存在は必要不可欠です。
 また、専門知識による資料収集は、教師を支え豊かな授業展開が可能になります。その先進事例が城北小であり、東出雲町です。
 知事は、新聞のインタビューに答えて、県内の小中学校の学校図書館への学校司書配置への支援を考えている旨、お話されていましたが、是非前向きなご検討を頂きたいものだと思います。
 二つには、教育活動を行う司書教諭と図書館専門職員として支える学校司書は「車の両輪」です。司書教諭については、12学級以上の学校に配置し、発令することが義務付けられていますが、島根県は小規模校が多く、県内の小中学校347校中、104校には司書教諭がいません。学校図書館を教育活動の中心に位置づけ、その運営の企画立案を行ったり、校内協力体制を整えたりするためには、司書教諭の存在は欠かすことができません。司書教諭の全校配置を進めるべきだと考えます。
 三つには、学校図書館を活用する教育については、これまでまったく蓄積がありませんでした。学校現場が理解活用を図るためには、配置された学校司書の研修や学校の管理職研修、司書教諭研修、初任者研修、経験者研修など、図書館利用促進の研修を系統立てて行うことが不可欠であります。
 四つには、厳しい財政状況を理由に、市町村ではここ数年図書購入のための予算措置が十分に行われていません。生きのよい読み物や資料があってこそ、学校図書館としての機能をはたします。
 学校図書館図書整備5カ年計画に基づいて市町村に措置された地方交付税が、学校図書のために適切に使われことが必要です。
 今述べた点は取り組みを進める上で、欠くことのできないポイントだと考えます。知事の新年度に向けての取り組みのお考えがあればお聞かせください。
 県下を見ますと、先ほどのお話にもありましたが、学校司書でありますとか、あるいは司書教諭のおられるところもありますけども、まだ十分でないところもあります。それから、図書の整備が進んでるところもありますし、そうでないところもあります。そういう意味におきまして、学校図書館は市町村の仕事でありますけれども、県の中でも、進んでるところ、そうでないところがありますから、やはり県下全体の子供たちのことを考えると、県としても一定の役割を果たす領域があるんではないかというような気がしておりまして、学校司書の充実などにつきまして、今後、予算措置を含めまして検討していきたいというふうに考えておるところであります。
 また、そういう整備の仕方につきましては、議会の皆様ともよく相談をしながらやっていきたいと思っているところでありますので、よろしくお願い申し上げまして、質問にお答えをする次第でございます。以上であります。
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 質問の第三は、ドクターヘリについてであります。
 ドクターヘリへの追い風でしょうか、島根県内でも元警察庁長官國松孝次氏を講師に迎え、「ドクターヘリ事業導入促進特別講演会」が出雲市の3ライオンズクラブの主催で開催され、そのすぐ後には、「田園や離島の暮らしを支えるヘリコプター救急」とのテーマで、日本航空医療学会総会が開かれるなど、大きな動きが矢継ぎ早にあり、風向きの変化?の予兆のようなものを感じる今日この頃です。
 さて、わが県のヘリコプター救急については、防災ヘリを活用した離島からの患者搬送を中心に実績を重ねてきております。防災ヘリには、さまざまな制約と限界があることから、ドクターヘリ導入が大きな検討課題だと認識しています。国では、ドクターヘリの導入を促進するため、ドクターヘリ運用の弾力化が図られると先日の学会で伺いましたが、弾力化の内容についてお尋ねします。
 これまでの県議会の場での国制度によるドクターヘリ導入に関する質疑では、利用目的が限定されていることや、医師等スタッフの体制など、いくつかの課題が示されていましたが、このたびの運用弾力化に伴い、これらの課題がどのように変わってきたのか、それにより、今後、県として、どのように対応していくお考えかお尋ねします。
 国では、ドクターヘリの配備や運用に関する諸課題について有識者による検討が行われまして、この8月にその結果がまとめられました。島根県にとりまして重要なポイントといたしましては、ドクターヘリの導入を促進する上では、従来の単独県での導入、配備や、単独病院で運営する形態にこだわらず、複数県での共同配備あるいは複数病院での共同運用といった導入形態の弾力化も含めた検討が必要という方向性が示されたところでございます。
 こうした方向で施策を展開いたしますと、医療スタッフの確保あるいは運用コストといった課題は依然としてございますが、工夫によりましては、これらのハードルは相当下がる可能性も出てくるものと認識しております。したがいまして、これらのハードルを下げる方法も含めまして、引き続きさまざまな角度から検討をしてまいりたいと、かように考えております。
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 質問の第四は、地域で学生を育てることについてであります。
 前議会中、地域と学生をもっと結びたいとの思いもあって、島根大学生をインターンとして迎えました。
研究室の先生に紹介を受け面接しましたが、山口出身、3回生の彼女、バイトと勉強が忙しく松江も島根もほとんど知らないとのことでした。
 何を目的に受け入れるのか考えました。その一つは、島根と松江のファンにして卒業させたい、今回をそのきっかけとする。そのために素敵な大人に一人でも多く会わせる。そして、課題を見つけてその解決をさせようと考え受け入れました。彼女の、課題を着実にこなすスキルの高さには驚きましたが、一方、ある意味ではマニュアル学生との印象を持ちました。
 そんな彼女から、次へ踏み出すいいきっかけになったとの感謝のメールが届き、テロ直後ではありますが、つい先日、インド旅行に出発しました。
 ひょっとしたら、彼女の素晴らしい人生を切り開くキックオフになり得たかも知れません。
 地域に顔が見えないと評価される島大、また、就職率だけが売りなどと自虐的に言う学生もいる県大の学生ですが、折角島根の大学に席を置いてくれた彼らですので、この縁を大切にして地域ぐるみで育て、他地域に出ても島根の応援団として活躍して欲しいものと思います。
 そうした両大学の学生達をどう見、何を求め、地域としてどう育てようとしているのかお尋ねいたします。
 次に、今述べてきたような視点からお尋ねしますが、島根県庁で受け入れている学生インターンシップのミッションは何でしょうか。今年は、島大生5名のインターンシップを受け入れたと聞きますが、彼らへの課題設定等についてどのような考え方で迎えたのか、その成果と今後の課題についてそれぞれお尋ねいたします。
 島根の大学生たちに何を求め、どう育てようとしているのかという点でございます。
 学生たち若者の新しい価値観や柔軟な発想、行動力、またネットワークの広さなどは、地域の活性化に大いに役立つものと考えております。島根大学、県立大学では、両大学ともに地域社会との協働により、社会貢献に寄与することを大きな目標に掲げておるところでございます。
 具体的には、県立大学におきましては、例えば浜田市室谷地区の棚田再生に取り組みます現代島根学実践など、授業課目において地域活動を通じた教育を行っております。また、大学内の地域連携推進センターが、地域からの相談窓口となっておりまして、相談に応じて学生が参加する例もございます。
 他方、島根大学では、文部科学省の補助を受けまして、正課外活動に参加するごとにポイントが積み重なって、そのポイントで学用品などと交換ができる仕組みを構築しまして、地域活動への積極的な参加を促しているところでございます。
 こうした地域活動は、学生にとっても社会性や実践力を養うなどの効果があると考えているところでございます。また、学生のエネルギーが地域の活性化を刺激する一方で、議員御指摘のように、そうした経験や地域との縁が島根への愛着となって、将来いろいろな形で島根に協力をしていただけるようになることを期待しております。
 次に、学生インターンシップの受け入れについてであります。
 県におけるインターンシップは、学生に対し、事前の就業体験を提供することを通じまして、職業意識の向上及び県行政に対する理解を深めるとともに、県職員を志す学生の確保にもつながることも期待して行っておるところでございます。本年度は、県庁に、島根大学から5名の学生を受け入れまして、県職員として業務を理解しやすいよう、中山間地域対策や観光振興などの具体的な施策につきまして、できるだけ地域に出かけて現場での体験ができるよう配慮した内容といたしました。インターンシップ終了後の学生に対する聞き取りによりますれば、大変よかったという声が聞かれたところでございまして、職業意識の向上と県行政の理解につながっていると思っております。
 今後の課題といたしましては、より実践的で密度の濃い就業体験の機会を与えられるようにできないのか。あるいは、インターンシップの効果を上げるために、現在の期間5日間が適当かなどの点について問題意識を持っております。学生や実際に受け入れた部署の意見などを聞きながら、今後、より効果が上がるような形で実施していきたいと考えております。
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