財政健全化という棘の道を進む中ですが、県民の目線で、県民のための県政を目指すという視点で質問させていただく。
最初に、小泉総理の続投が決まり、小泉改造内閣が発足しました。
麻生総務大臣は、地方交付税に対する質問に対して「地域間競争の時代であり、改革は経営努力のない知事は見捨てられるのは前提であり、県民、市民の意識改革が必要」と答えられたとのこと。基本的に構造改革路線が継続されることになりますが、知事の小泉再選、改造内閣発足に対する所感をお尋ね致します。 |
小泉首相は、圧倒的な信任を集め再選されましたが、その後の組閣の状況を見ると、今後構造改革路線がより一層具体化され、強力に推し進められるものと考えます。
私は、小泉内閣が構造改革を推進するに当たっては、未だ社会基盤整備が立ち後れている地方の声を十分に聞き、地方の実状に十分配慮しながら進めていただくよう、今後とも強く要望してまいります。
また、三位一体の改革に関しても、権限の移譲を進め、地方の主体性の向上に努められるとともに、地方税財源の確保や財政調整機能の堅持についても、リーダーシップを発揮されることを期待しております。 |
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この頃、誰のための県政かということを考えさせられることがいくつかありました。まことに小さい問題で恐縮ですが、取り上げさせていただきます。
最初に、県営住宅の階段手すりの話をさせていただきます。従来、階段手すりの取り付けは、相応の理由があり、その階段室の住民の同意を得て申請すれば順次取り付けていただけることになっていました。高齢化の時代であり、そんな煩雑なことをしなくとも順次取り付けていくべきだと要望してきましたが、国の補助基準も変わったことから、外壁改修に合わせて取り付けて頂けるようになり、大変感謝しています。
さて、その階段手すりですが、昨年来、取り付けをお願いしていた県営住宅があります。
この住宅の4階には這って階段を上り下りするご婦人がいらっしゃいます。もちろん相談があった際には住み替えもお勧めしましたが、それも大変だということで手すり設置の要望になったのであります。
昨年申請した時点では、年度予算がなくなったために次年度に取り付けるとの話でした。先頃この住宅にお邪魔したらまだ手すりがついていません。その住宅の方の話では、2階に住む足の不自由なご婦人が、付けて頂けると聞いていたがどうなっているのかと聞きに行ったところ、予算がなくて付けることができないということと住み替えの制度があると言う話になり、この年になって引越しなんてとんでもないと思ってすごすご帰ったというのです。
早速、修繕管理をしている住宅公社に出向き話を聞くと、国庫補助事業で取り付けることになった。そのため、一般修繕の中で確保されていた手すり取り付け予算が全額カットされたので対応できない。一般修繕費も老朽化が進んでいるのに予算は変わらない。とてもじゃないけれどできませんと木で鼻をくくったような返事です。
実情調査もせずに予算がないからと門前払い、誰のための県政か、何のために行政職員が存在するのか、本当にお寒い思いでした。
次に県立図書館の駐車場についてです。
私は、昨年から公立図書館と学校図書館の充実に取り組もうと調査活動をしてきました。近くに市立図書館がありますので、近年では県立図書館に行くことはほとんどなかったのですが、この調査活動などで県立図書館に4回行きました。
ところが、駐車場はいつ行っても満員です。図書館の前には広い職員用駐車場があります。職員駐車場のほうへはバリケードがあって入れません。
一方で、見直しの結果7億円圧縮できた芸文センターも、ヒ素検出で新たに10億円も注ぎ込むことになる。いい機会であり、規模見直しなどの再検討があってもしかるべきだと思うのですが、そうしたことも聞きません。
同じ文化を支える施設でありますが、一方は来て頂かなくて結構ですよ、とも言えるような現状のまま手付かずで何十年放置。一方では単年度新たに100億の財政切り詰めを言いながら見直しもない。
あるホテルでは、従業員駐車場をはるか離れたところに変えたとの話を聞きました。もちろん、コスト面からですが民間では血のにじむような努力をしています。県職員の皆さんが遅くまで一生懸命仕事をしている。そのために近くに駐車場の確保も必要なことだと理解しています。しかし、駐車場の多層化も簡単にできる時代です。
県政の主役は、県職員なのか、県民なのか、とても素朴な疑問にとらわれるのであります。
経済の先行きも不透明な中、財政健全化という棘の道には県民の大きな痛みが伴うことは承知していますが、生活弱者に対する十分な配慮と県民主役という基本姿勢は絶対に失ってはならないと思います。
財政健全化推進の中で、知事のお考えになっている県政運営の基本姿勢を改めてお尋ね致します。 |
本県の極めて厳しい財政状況については、これまでも御説明してきたとおりであり、財政健全化への道筋をつけることは私に課せられた大きな責務であります。
今後も、歳入の大きな増が見込めない以上、財政健全化のためには歳出削減の取組みが中心とならざるを得ません。
そのため、県職員の給料カット、定員削減、公共事業費の削減をはじめ、事務事業、補助金等の既存事業や外郭団体等の徹底した見直し、地方機関の見直しなどの様々な取組みを進めております。
こうした取組みは、議員御指摘のように県民の皆様はもとより各方面に痛みや御負担をおかけすることになり、私にとりましても苦悩の末の決断でありますが、財政健全化は本県の明るい未来を切り開くために、なんとしてでも達成しなければならない最重要課題であります。
もとより、私が進める改革は、単なる財政の引き締めのみではありません。むしろ、財政健全化を実行していく中で、産業振興や少子化対策に重点的に財源配分を行うなど、真に県民が必要とし、本県の発展に貢献する事業を積極的に展開するためのものであります。
私は、既に重ねて表明してまいりましたように、諸施策を実施していく上での基本姿勢として「県民との協働」を掲げているところであります。
県政に県民の方々の声を取り入れ、積極的に参加していただくことによって、県民の目線に立ち、県民のための県政運営を実現してまいりますので、なにとぞ県民の皆様の御理解と御協力をお願いいたします。 |
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次に、芸文センターの見直しの検討はあったのかどうか、また、教育文化を支える基盤整備の現状を考えたときの、立派な芸文センターへの投資の妥当性について、本当に厳しい予算編成の中でありますので敢えて知事にお尋ね致します。 |
芸術文化センターは、県西部地域の芸術文化拠点として、地域の熱い期待を受けて建設整備を進めているところであります。
このたび搬出残土から、環境基準を超えるヒ素が検出され、多くの方々に不安と心配をお掛けしたことは誠に残念であります。
県の厳しい財政状況の中で、残土処理に多額の経費を要することになりますが、先ずは住民の安全・安心を第一に、この対策に取り組んでまいりたいと考えております。
芸術文化センター建設事業につきましては、昨年、設計変更を含め全体事業費の縮減を図ったところでありますが、県の財政負担を考えますとき、更なる縮減が必要と考え、現在、設計事務所等と作業を行っているところであります。
私は、島根の人づくりを支える教育文化施設の整備は、極めて重要なことだと考えており、これまで、学校や社会教育施設、あるいは芸術文化施設などの整備を積極的に進めるとともに、各々の施設の機能や内容の充実にも努めてまいりました。
芸術文化施設につきましては、多彩でいきいきとした文化を創造し、県民の生活にうるおいと活力を与え、文化の香りに包まれた魅力あふれる島根を実現するため、文化交流拠点を整備することが必要だと考えております。
このため、県立美術館の整備や、島根県民会館の全面改修により、県東部における芸術・文化の拠点づくりを行ったところであります。
県西部におきましても、地域に根ざした新しい文化の創造を日指し、美術館とホールの機能を併せ持つ複合施設として、地域の熱い期待を受けて芸術文化センターの整備を進めているところであります。
今後は、これらの芸術文化施設を活用し、県民の主体的な芸術文化活動を盛り上げるとともに、そのような成果を積み上げることにより、将来は国民文化祭の開催などにも繋げてまいりたいと考えております。 |
次に、折角話題を出しましたので、私が話した2点についてお尋ね致します。
県営住宅の建て替えがままならず、老朽化が進む中で、入居者の修繕への要望は広範多岐にわたり、増え続けています。対する一般修繕費の予算は平成12年に減額され、そのまま横ばい状態で、どんどん増える修繕要望への対応は、事実上後退している現状です。構造的にも問題ではないかと思われるものさえなかなか手がつきません。
今後の県営住宅の修繕に対する考え方、予算確保に対する考え方を土木部長にお尋ね致します。 |
県営住宅の修繕につきましては、小規模な修繕を行う一般修繕費と、計画的に大規模な修繕を行う国庫補助対象の特別修繕費、補助対象外の環境整備費により、安全性.・緊急性などを考慮し、国の補助制度を有効に活用しながら、実施しているところです。
今後「老朽住宅建替事業の遅延や、昭和五十年代に建設した耐火構造住宅の老朽化など、修繕費の増大が予想されることから、必要な修繕費の確保に努めると共に、適切な執行に努めてまいります。 |
次に、県立図書館駐車場の整備方針について、整備時期も含めて教育長にお尋ね致します。 |
県立図書館駐車場につきましては、現在、34台分のスペースしかなく、利用者の皆様に大変御不便をおかけしているところであります。
この5月に策定しました県立図書館振興計画におきましては、「駐車場については、引き続き関係機関等と協議を行い、場所の確保に向けて検討していく。」と明記しておりますが、現在のところ、図書館駐車場が満車の場合は、職員駐車場への誘導などにより、対応しています。不足している駐車スペースについては、関係機関等と協議しているところであります。
整備の時期につきましては、明示できる段階ではございませんが、できるだけ近いところに駐車スペースを確保できるよう、引き続き努力してまいりたいと考えております。 |
次に、特別職の退職手当についてお尋ね致します。
高級官僚が、数年単位で天下りを繰り返し、二重三重に高額な退職金を稼いでいたことが社会の批判を浴び、この悪弊が是正されたことは記憶に新しいことであります。
こうしたこともあり、埼玉県や新潟県で知事の退職手当について報酬審議会や県議会において審議され、実際に条例改正により減額されている例や、首長選挙の公約として減額をアピールする事例も見られるところです。
特別職の退職手当は、給料月額に在職月数、支給率をそれぞれ乗じて算出されますが、わが県の支給率は知事で70/100で、全国では中位より少し下といった所であり、昭和35年以降改正されておりません。
金額で見ると給料月額も低いため、全国でも下位のグループでありますが、それでも計算すると1期4年分で4390万円余になるとのことです。
ちなみに、一般職員の退職手当は、同じ4年間で見ると、自己都合により止めた場合は、退職日の給料月額の2.4か月分に調整率を乗じた金額で、知事の給与に当てはめて見ますと319万円余であります。地方交付税上の基準財政需要額の単位費用では、年間の退職手当は年俸に137.6/1000をかけた数字となっていますので、これで計算すると845万円余となります。
首長の皆さんは大変な激務であります。また、4年に一度は選挙を戦わなければなりません。そうした点を考慮すると当然と捉えることもできるかもしれません。
しかし、この厳しい財政健全化の中であります。市民感情、県民感情からすれば決して安いと思える退職手当ではないと思います。
昭和54年に出されている自治省行政局公務員部長通知では「特別職の職員の退職手当についても議会の審議等を通じ、住民の十分な理解と支持が得られるものとすべきであること」とされております。
また、退職手当は対象になっていませんが、特別職の報酬等については、昭和39年の自治事務次官通知があり、特別職報酬等審議会を設置し、知事や副知事、出納長の給料の額について意見を聞くこととされています。
この際、特別職の退職手当についても特別職報酬等審議会などで検討されるお考えはないのか、お尋ね致します。 |
知事等の特別職の退職手当につきましては、平成元年に制定した「特別職の職員の退職手当に関する条例」により、退職時の給料月額に在職月数とそれぞれの職に応じた支給率を乗じた額とすることとされております。
また、退職手当算定の基礎となる給料月額につきましては、島根県特別職報酬等審議会の答申に基づき、条例で決定されております。
退職手当の水準のあり方については、他の自治体の状況などを参考に判断すべき問題であると考えますが、その見直しを具体的に検討する際には、ご質問にありました島根県特別職報酬等審議会を活用することも今後、検討してまいりたいと考えております。 |
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