第1に、財政健全化についてお尋ねいたします。
先の9月議会も終わろうとする10月11日の行財政改革特別委員会で、起債制限比率シミュレーションを含む財政健全化に向けた取り組みの方向性が示されました。私は、翌日このシミュレーションを見て少なからず驚きました。それは、その内容もそうですが、なぜ今までこのような資料が示されなかったのかという点についてであります。その数日後、議員になって初めて来年度予算編成方針の説明を受けました。
他県にあまり類例を見ないほどの県債残高や、一昨年から示されるようになった中期財政見通しなどに基づいた厳しい財政状況と財政健全化についての論議は、この議場でもたびたび繰り返されて参りましたが、有利な起債と基金残高という二つのキーワードによって、本当に真剣な論議と取り組みが先送りされてきたのではないかと考えます。
おそらく今までにも何度となくチャンスはあったと思います。一昨年12月議会においても、知事は聖域を設けることなく財政健全化を念頭に予算編成に取り組むと答弁されましたが、依然として聖域が守られました。そこに、来年度公共事業15%カットという予算編成方針であり、公共事業の30%削減という財政健全化指針です。
それでなくても厳しい経済環境の中、なぜこんな急激な政策をとらなければならなかったのか、企業体質の改善や他業種への参入なども、体力のあるうちに強力な支援に取り組むなど今までにソフトランディングを図る術はなかったのかと思っても後の祭りです。
税収の減少や交付税制度の変化などの要因はあったにしろ、幾らなんでも少なくとも中期財政見通しが示され始めたときから今日への予測は少なからずあったはずであります。また、起債制限比率シミュレーションにしても出そうと思えば出せたはずです。
われわれ議会にも執行部以上に大きな責任があります。危ういと思いつつも公共事業に支えられた産業構造という現実を考えると簡単には予算に反対できないと、執行部提案の予算に賛成してまいりました。
また、わが県は、国の施策を最大限利用し忠実に消化しながら基盤整備を進めてきたわけで、国にとっては優等生であり、恩恵も受けてきました。今のわが県の姿は、このような再配分システムを構築した国にも責任の一端はありますが、あまりにもわが身を振り返ることなく、モラルハザードに陥っていたとも言えるだろうと思います。
議会と県民への説明責任について、また、財政健全化への取り組みをここまで引き延ばしてきた現在までの財政運営をどのように総括なさっているのか知事にお尋ねいたします。 |
まず、本県の財政状況に対する説明責任とこれまでの財政運営に対する総括についてであります。
私は、知事就任以来4期15年余にわたり、遅れている社会資本の整備や県政の発展に資する戦略的なプロジェクトの推進に全力を挙げて取り組んでまいりました。その結果、生活、産業、教育文化など各方面の社会基盤の整備水準は相当程度向上してきたものと認識しております。
しかしながら、こうした取組みの一方で、これらの事業の主要な財源として活用した県債の残高が年々増大し、これに伴う公債費の増こうが財政運営に重くのしかかってきているとともに、収入面では引き続く景気の低迷に上り県税の伸びが期待できず、さらに平成十三年度からは本県財政の生命線とも言える地方交付税が実質的に減少に転じるなど、本県財政を取り巻く環境は、近年急速に厳しさを増しつつあります。
そのような中で、ここ数年は、事務事業の見直しや経費の節減合理化を徹底して行いつつ、本県の生活水準の向上や地域の活性化の観点から、ぎりぎりの財政運営を行ってまいりましたが、低迷を続ける景気の現状や国の構造改革の方向性等をも踏まえると、引き続き現行の予算水準を維持していくことはもはや困難であり、今ここで思い切った財政改革に取り組まなければ、島根の次代を担う若い人たちに明るい未来を託すことはできないと判断するに至ったところであります。
また、こうした本県の厳しい財政状況につきましては、数年来、毎年度の予算編成や決算報告を通じて対外的に説明してきたほか、平成12年度からは中期財政見通しを公表するなど、情報提供に努めてまいったところでありますが、今後とも、県民との情報共有のもとで説明責任を果しながら財政健全化の取組みを推進してまいりたいと考えております。
私といたしましては、財政健全化の土台を築き、「自立的に発展していける快適で活力のある島根」を実現するため、この改革を不退転の決意で断行してまいりたいと考えております。 |
もとへ |
次に、財政健全化指針についてお尋ねいたします。
この指針では平成17年までの3ヵ年を集中改革期間として捉え、財政運営における目標設定として起債制限比率を今後10年間18%台以下、基金残高を10年後に概ね500億円以上としています。
示された財政健全化シミュレーションでは、補助公共の40%、単独公共の50%削減によって起債制限比率の目標達成可能とされ、起債制限比率シミュレーションでは、平成23年で18.5%と試算されています。
また、健全化による改善効果の試算では、毎年の財源不足額を200億円前後と試算し、平成17年には基金残高314億円とされています。
このことから、基金残高500億円という数字は極めてハードルの高い数字だと思われます。起債償還の激減か県税収入の激増、交付税の激増などの要因がなければ、健全化指針の取り組みの延長では基金残高がすぐになくなってしまうと考えられます。その収支を逆転させ、基金を積み増し、10年後に500億円以上とすることは、どんなマジックや魔術を使っても不可能と思えるのは私一人でしょうか。
改革の視点に情報を県民と共有とあります。2つの目標達成への道筋を明確に示すことなく、県民への理解と協力を求めることはきわめて困難ではないかと考えます。もっと手の内を見せる、県民と情報を共有することが今求められていると思うのです。
本当にこの財政運営における目標設定の実現は可能であるのか、3年間と期間を区切って示された財政健全化指針で情報を県民と共有するという理念が叶えられていると考えていらっしゃるのか知事に伺います。また、起債制限比率を平成23年で18.5%と試算されていますが、どのような前提であればこの試算が可能か、基金残高500億円への明確な道筋とともにお示しいただきたいと思います。 |
次に、財政健全化し秦に示した財政運営における目標の実現可能性についてであります。
指針においては、今後の財政運営に警戒信号を発している公債費の増こう抑制するとともに、将来にわたる財源調達の弾力性を担保するため、起債制限比率を「今後10年間18パーセント台以下」にとどめる、また、基金残高を「10年後に概ね500億円以上」確保する、という二つの目標を掲げ、その実現を目指して財政健全化に取り組むこととしております。
このうち、起債制限比率の目標につきましては、今後の県税・地方交付税の動向にもよりますが、来年度以降三年間の集中改革期間において公共事業費の総額を補助・単独合わせて、平成十四年度当初予算に対して30パーセント程度削減するとともに、既発債の繰上償還の実施や新発債の償還期間の延長など県債管理を徹底することにより、目標達成に向けた道筋をつけることができるのではないかと判断しております。
一方、基金残高の目標につきましては、財政基盤が脆弱な本県としては、災害等不測の事態に備えるためにも一定規模の基金残高を保有することが必要との見地から設定したものであります。
この目標については、集中改革期間において相当思い切った財政健全化策を講じてもなお、試算上は単年度の収支不足を解消する方向までは示し切れていないことから、その成否を現時点においては明確にお示しできませんが、目標達成に向けて、様々な財政健全化努力を行ってまいりたいと考えております。
次に、財政健全化の取組みによる改善効果について集中改革期間の3年間に限らずより長期的な情報を提供すべきとのお尋ねについてでありますが、今後の我が国経済の動向や国の構造改革の進展が本県財政にもたらす影響を中長期にわたり的確に予測することは事実上不可能であり、たとえ一定の前提条件を置いて試算したとしてもその数値に責任を果たしえないとの考えから、集中改革期間の取組みによる改善効果に絞ってお示ししたものであります。
また、今後10年間を見据えた財政運営の目標を達成するためには、まずは集中改革期間における財政健全化の取組みを着実に実施した上で、3年経過後の姿が確実に見通せるようになった時点でもう一度、それまでの取組みの成果やその時点における地方財政を取り巻く状況等を踏まえ、議会はじめ県民の皆様にも積極的な情報提供を行いながら、目標達成に向けた新たな取組み方策を検討してまいりたいと考えております。
|
財政運営の目標についてのご質問にお答えします。
まず、財政健全化指針で示した起債制限比率の試算の前提条件であります。
比率の算式上分子に当たる公債費の算定に当たっては、公共事業については、平成17年度までに本年度当初予算対比で30%相当額を削減し、以後、この水準で推移するものとし、高等学校建設等その他の建設専業については、中期財政見通しにおける積上げ額をべースとし、平成20年度以降は、平成19年度と同程度の事業費で推移するものとしております。
これにより、各年度の県債の発行額を積算し、その上で、現在、10年、15年、20年の種別がある銀行等引受債の償還期間を、一律、地方交付税の算定の基礎となっている20年に延長することとして試算しております。
また、算式上分母に当たる県税と地方交付税の算定に当たっては、平成19年度まではいずれも中期財政見通しの推計値を用い、それ以降は、県税については、平成19年度と同程度の水準で推移するものとし、地方交付税については、中期財政見通し期間中の縮減傾向がその後も続くものとして、それぞれ試算したものであります。
この結果、10年後の平成23年度の起債制限比率は18.5%と見込まれ、ほぼ目標の達成は可能ではないかと見ております。
次に、10年後の基金残高500億円の目標についてでありますが、集中改革期間において公共事業の大幅削減や人件費の抑制など財政健全化に向けた強力な取組みを行うことによって、公共事業の大幅削減や人件費の抑制など財政健全化にむけた強力な取り組みを行なうことによって、試算上は約265億円の収支改善が見込まれる結果、中期財政見通しでは、ほぼ枯渇状態(47億円)となる見込みであった平成17年度の基金残高が300億円台(224億円)を確保できる見通しとなっております。
しかしながら、こうした思い切った財政健全化策を講じてもなお、毎年度200億円程度の収支不足が生ずる見込みであり、単年度収支の均衡に向けた方向性までは示し切れていない状況にあります。
したがって、まずは集中改革期間における財政健全化の取組みを着実に実施するとともに、毎年度の予算編成作業等を通じて、この試算を上回る改善が図れるよう努める必要があると考えております。
その上で、3年経過後の姿が確実に見通せるようになった時点でもう一度、それまでの取組みの成果や県税、地方交付税等の収入動向等を踏まえ、議会はじめ県民の皆様にも積極的な情報提供を行いながら、目標達成に向けた新たな取組み方策を検討してまいりたいと考えております。
|
もとへ |
次に財政健全化と経済、雇用への影響と対策についてであります。
極めて厳しい経済・雇用環境の中、財政健全化への取り組みは、県内経済と県内の雇用環境に甚大な影響を及ぼすであろうととても心配です。特に、離島と中山間地への影響が心配であります。
隠岐では、すでに公共事業受注単価が大幅に下がり、ある業者は、従業員に20%の人員整理か20%の給与削減かの選択を迫っているというような話も聞きます。雇用の受け皿のない地域であり、今後の人口流出と高齢化の加速によって、更なるコミュニティの崩壊が懸念されます。これは、中山間地でも同様だと思われます。
県では平成15年度公共事業削減に伴う雇用等への影響を試算され、全員協議会で示されました。それによると、雇用への影響は550人から800人程度とされています。
財政健全化指針では、公共事業を17年までに30%の削減、その後、40%を上回る削減の実施も考えられるわけですが、雇用と経済への中・長期的影響をどのようにお考えかお尋ねいたします。 |
公共事業費を平成17年度までに30%程度削減した場合の雇用と経済への中・長期的な影響についてお答えします。
平成15年度の公共事業費15%削減に伴う雇用への影響は500人から800人程度と試算しておりますが、この数値は、激変緩和策として実施する「県単用地先行取得事業を活用した工事費の確保」による効果等を含めて試算したものであります。従いまして、30%程度削減した場合の中・長期的な影響についてはこの2倍を超える数値となる可能性があるものと考えております。
また、30%程度削減した場合の本県経済への影響について「産業連関表」を用いて計算すると、約590億円の影響を与える可能性があると試算されます。
次に、県内建設業者で新分野進出を目指す企業の予測、誘導策と支援強化策及び金融支援強化策についてお答えします。
新分野進出に当たっては、自社の企業体力や人材、ノウハウ、技術力を客観的に評価することが必要であり、その評価結果とともに、企業の経営環境、今後の市場の展望等を踏まえ、検討することが必要であると考えております。
このような視点でみますと、現在、県内建設業者のうちどの程度が新分野進出可能で、実現性があるかどうかについては把握しておりませんが、今議会で提案している補正予算で措置することとしている「建設産業経営革新促進事業」において実施するアンケート調査等により、建設業者の現状と意向を把握することとしております。
県といたしましては、今後、指導・助言を希望する企業等に対しては、経営改善アドバイザーの派遣や、新たに開設する専門家による移動相談窓口の活用を促すとともに、初期の段階での市場調査や研究等に対して助成するなど、しまね産業振興財団等の関係団体とも連携しながら、意欲のある県内建設業者の新分野進出を積極的に支援してまいります。
また、金融支援強化策についてでありますが、経営状況は厳しいものの事業意欲のある企業に対しては、借入金の返済負担の軽減を目的とする「構造転換支援資金」、経営革新や新分野進出を行おうとする企業に対しては「特別目的資金」などの支援策を用意しているところであり、今後とも、これらの積極的な活用を促してまいりたいと考えております。 |
もとへ |
次に、雇用対策、産業振興対策についてであります。
島根県雇用対策本部では当面の雇用対策および建設産業対策の方針をまとめられました。
この方針は、短期的な雇用創出対策、産業の振興による雇用の維持・創出、建設産業に及ぼす影響への対策から構成されています。
短期的な雇用創出対策等の中に掲げられた新・緊急地域雇用創出基金事業の規模と考え方をお尋ねいたします。また、緊急地域雇用創出基金事業以外での雇用創出効果はどの程度が見込まれるのかお尋ねいたします。 |
初めに、新・緊急地域雇用創出基金についてであります。
この新たな県単独の基金については、平成15年度当初予算編成に向けた今後の作業の中で、事業規模や詳細な事業内容を決定することとしております。
現時点において、10億円程度の規模を考えているところですが、今後、本県の雇用失業情勢や現行の基金の活用実態、さらには国の補正予算編成の動向等を見極めながら、その規模を決定してまいりたいと考えております。
また、新たな基金を設けることとした考え方についてでありますが、一言で言えば、現行の基金では対応できない県独自の雇用創出事業を実施するために創設するものであります。
例えば、現行の基金事業は、事業費のうち8割以上を人件費に使わなければならない等の要件があり、地域の実態に応じた事業が取り組めない場合があります。
また、近年、若年未就職者が増加しているため、この常用雇用を促進するための施策を講じる必要があると考えております。
これらの事情を踏まえ、県単独で基金を創設し、独自の雇用創出事業を実施することとしたものであります。
次に、現行の基金事業以外での雇用創出効果についてであります。
新たな基金事業については、その規模や事業内容によりますが、仮に10億円規模の基金を設けた場合、現行の基金の例によって大まかな誠算をすると、来年度400人昼度の雇用創出が見込まれます。
このほか、若年者雇用創出緊急対策事業、いわゆる自治体版ワークシェアリングと、福祉・医療施策の推進によって、400人程度の雇用は確保したいと考えております。
|
産業の振興による雇用の維持・創出では、産業振興プログラムに沿って産業振興施策を推進し、雇用の維持・創出を目指すとされています。
公共事業削減の影響に対する即効的な受け皿ではありませんが、島根県の未来にとってこの部分が最も肝要であり、最も力を入れるべき部分であると思います。
私も、島根県産業振興プログラムを一通り読ませていただきました。とても立派な内容だと思いますが、厳しい経済環境の中、どこの都道府県でも産業振興に力を入れており、余程の金と知恵を注がなければ、差別化を図ることはできないと思います。
中国進出を予定していたシャープの液晶工場を90億円でつなぎとめた三重県のことが話題となりましたが、例えばそれくらいの思い切りを持って取り組まねば、新しい展開は厳しいのではないかと思われます。
プログラムの中で、新しい視点として多様な資金調達システムが掲載されています。どんな素晴らしいビジネスプラン、ビジネスチャンスであっても、ベンチャーキャピタルと言いながら、担保力のないところには金融機関は融資しません。産業振興のもっとも大きな柱である起業・創業の支援足りうる投資制度創設は、リスクは高いかもしれませんが、本県の産業振興支援の中で取り組むべき最も大きな課題ではないかと考えています。
知事の産業振興に特段の金と知恵を注ぐことと投資制度創設に対する所見と決意をお尋ねいたします。 |
産業振興についての御質問にお答えいたします。
将来の雇用の維持・創出のためには、県内産業の活性化と新たな産業の創出が不可欠であり、産業振興は、県政の最重要課題であります。
このため、厳しい財政状況の中ではありますが、自立した地域経済を実現するための施策を、重点的かつ効果的に実施していかなければならないと考えております。
他県との差別化という面では、例えば、先端的、独創的技術の開発拠点となる次世代技術研究開発センターが、8月に竣工いたしました。ここでスタートした全国に類を見ない先進的な「プラズマプロジェクト」は、具体的な商品化につながる実証実験であり、地元企業への技術移転によって、将来大きな成果が生まれることが期待されております。
また、企業立地に関しては、土地のリース制度の創設や、通信費助成制度の思い切った拡充により、国内最大級のコールセンターの誘致に成功したところであり、このように、企業の二―ズを踏まえ、柔軟かつ大胆に対応することが必要であると考えております、
昨今叫ばれる様々な社会・経済環境の変化は、試練であると同時に、チャンスでもあります。現状の課題を克服し、さらに大きく飛躍せんとする企業やひとを、あらゆる局面において応援してまいりたいと考えております。地域に潜む新たな産業の芽を育て上げるためにも、私自ら、低迷する経済状況を打破する気概と勇気を持って、必要な施策は積極果敢に実施してまいる決意であります。 |
投資制度についてであります。
産業振興プログラムに盛り込まれた新しい投資制度創設を含む多様な資金調達システムにつきましては、県内の各関係機関及び有識者と検討を重ねております。しかしながら、家業的な中小企業が多く、必ずしも他人資本の受入れを望まない本県の企業風土や、既存融資制度の充実、政府系金融機関をはじめとした新しい融資制度の有効性が確認できていないなどの理由により、調整がつきかねている状況であります。
また、長引くデフレ不況下にあって、株式相場の低迷により上場件数が激減する一方で、未公開株を売買する市場での資金調達や私募債などの発行が増加するなど、ベンチャー企業の資金調達方法も多様化してきております。
議員ご指摘のとおり、本県といたしましても、優れた経営能力を有し、地域の中核企業となることが期待されるベンチャー企業に対して、その成長を加速する資金調達環境を築いていくことは重要であると認識しております。今後、どういう方策や制度の構築が最も適切であるのか、多角的な視野で、関係機関と検討、協議してまいりたいと考えております。
|
建設産業に及ぼす影響への対策では、経営基盤強化・経営合理化支援や新分野進出支援などが挙げられています。
企業として経営基盤強化・経営合理化は当然取り組まねばならない問題ですが、中、長期的には建設業からのシフトや新しい雇用の受け皿創出のため、是非とも新分野進出に取り組んでいただきたいものと思います。
しかし、新分野進出には新しい着眼点が必要であり、人材とノウハウは勿論、何よりも余力がなければ取り組むことができません。
私もかねてから新分野に取り組む経営者を何人か知っていますが、順風満帆、うまくいっているところは少数であり、苦労しながら、試行錯誤しながら取り組んでいます。また、一方では、取り組みたいけれども、旧態依然、新しい着想もなく手をこまねいて世相に流されているという経営者も多くいらっしゃるように思います。このような実態を見るとき、新分野進出も大変な労作業であり、体力が落ちかけている今からの取り組みは並大抵ではないと思えます。
県内の建設業者で今後新分野進出を望む企業と可能な企業はどの程度あると考えているのか、ノウハウの提供などソフト部分での誘導策と支援強化策、余力はないが知恵のある企業への金融支援強化策についてお尋ねいたします。また、農業参入での支援体制はどう整えていくお考えかお尋ねいたします。 |
農業参入に向けた支援体制整備についてお答えします。
新分野への進出が重要な課題の一つとなっている建設業にとって、従業員に兼業農家が多いこと、保有機械の有効活用が可能なことなどから、農業は身近な進出分野であると考えております。
その一方で、農業への参入に際しては、農地の取得にあたって、新たに法人の設立が必要となるなど、多くの解決すべき課題があります。
このため、本県としましては、今年度より全国に先駆けて、「しまね農業振興公社」に相談窓口となる企業参入促進員を配置し、建設業を始めとする企業が円滑に農業参入できるよう支援しているところです。
また、企業参入を効率的に推進するため、県関係部局、関係団体からなる連絡会議を設置して情報交換を進めるとともに、各圏域においても、農林振興センターが中心となって、関係団体と連携を図りながら、建設業者などを対象とした農業参入に断する説明会を開催しているところです。
今後とも、市町村、JAなどの関係機関・団体体と連携を深めながら、支援体制の充実強化に取り組んで参りたいと考えております。 |
もとへ |
次に、大型建設事業についてであります。
最初に、先般着工された芸術文化センターについてお尋ねいたします。
今春、委員会調査で敷地を見に行った際、あまりの広さに驚き、ある委員と本当にこんな広いところが必要か、十分活かされるのかと思わず話し合いました。
自ら審議しながら、このことにあえて触れることは自己否定につながることは十分承知で、敢えて、取り上げさせていただきますことに是非ご理解をいただきたいと存じます。
さて、ご承知のように、芸術文化センターは、事業費160億円の大プロジェクトであります。この事業にはいわゆる有利な起債と言われる地域総合整備事業債が活用され、事業費の内起債充当分が144億円、一般財源分が16億円であります。起債償還の内交付税措置されるものが55%にあたる90億円で、一般財源からの償還分は74億円であり、償還額の内一般財源分は年3.7億円であります。
また、聞くところによりますと単年度の経常経費は、石西県民文化会館分を除くと現在に比して2.3億円程度の増であり、人件費の増がプラス7000万円程度とのことであります。今後、償還の終わるまで少なくとも20年間、毎年6.7億円程度が一般財源から余分に支出され続けることになります。また、企画展などの事業費補填も考えられます。
私は、毛頭この施設を否定するつもりはありませんし、石見地域の芸術文化活動の拠点として必要なものであると思います。しかし、現実を見ると、1098席の石西県民文化会館が満席になるのは月に1回程度、美術館で予定されている企画展も、県立美術館程には開催できないのではないかと聞いておりますし、近くには山口県の美術館もあります。
文化芸術振興の鍵は「人材」だと思います。「人材」を育て、活動するには当然お金もかかります。仮に、これから一般財源から支出され続ける6.7億円を石見地域の芸術文化振興に振り向ければ、どれだけ石見地域の芸術文化レベルが上がるのかと思うと、ある意味で胸が痛くなります。
例えば、6.7億あれば、国民文化祭が3年に1回開催できます。また、益田市から松江の県立美術館まで、特急料金を含めても年間80,000人の人を無料招待できます。
こんな入り口の初歩的な論議をして来なかったことに責任を感じつつ、かなり多くの声なき県民の声を代弁し、勇気を持ってお尋ねいたします。
かかる厳しい財政健全化方針を提示する中、文化芸術振興のあり方論も含め、毎年6.7億円程度の純増ということが本当に県民の理解を得られるのでしょうか。事業延期という選択肢はないのですかお尋ねいたします。 |
芸術文化センターについてお答えします。
芸術文化センター「グラントワ」は、島根県、特に石見地域の芸術文化拠点施設として、このほど、建物本体建設工事に着手したところであります。
現在、益田の駅前通りは、大きく様変わりを見せ、日々「街が動く」様に、グラントワを中心とする街づくりの槌音が響き始めているのを感じているところであります。
私は、石見地域に足を運ぶたびに、グラントワに対する県西部の皆様の熱い思いや期待が、日に日に大きくなるとの思いを感じているところであります。
翻ってみますと、平成6年12月議会における、益田市への県立美術館整備の発表から、複合施設の整備方針の決定などを経て、今日に至っているところですが、その間、ソフト面においても様々な取組が始まっており、開館への気運が高まっております。
長年の懸案でありました山口県などと結ぶ「美術館回廊」構想につきましても、先に結成された石見地域七つの美術館による「いわみ美術回廊」とともに、その具体化に向け取組を始めたところであり、また、ホール部門においても、石西県民文化会館で実施している県民参加型ミュージカルなどを通じて人材育成が進んでおります。
さらに、グラントワを支えるボランティアの養成も着実に進むなど、多くの方の協力を得ながら開館に向けて大きく歩みを進めているところであります。
私は、かねてから、出雲も石見も隠岐もそれぞれの特性を活かした均衡ある発展を遂げることが必要であると考えており、このグラントワが、芸術文化振興はもとより、観光や産業など、石見地域振興の要となるとともに、地域の人々にとっての希望の星になるものと確信するものであります。
芸術文化センター「グラントワ」の整備につきましては、厳しい財政状況の中、十分精査を行ってきたところではありますが、今後とも管理運営面を含めて検討を行い、平成16年度末の開館を目指してまいりたいと考えております。
|
もとへ |
次に、歴史民俗博物館、古代文化研究センターについてお尋ねいたします。
お聞きしますと、この事業は、概算ではありますが事業費187億円で、起債充当分が162億円、一般財源分が25億円であります。起債償還の内交付税措置されるものが103億円で、一般財源からの償還分は84億円、償還額の内一般財源分は年4億円であります。
単年度の経常経費は、およそ8億円とのことであります。人員の配置計画はまだのようでありますが、少なくとも10人やそこらは増員しなければならないと思います。10人とすれば人件費がプラス8000万円です。博物館と風土記の丘の経常経費が1.5億とのことですので、毎年11.3億円程度を一般財源から余分に支出し続けることになります。また、企画展も年3〜4回考えられているとのことで、1回2000万円としても6000万から8000万必要です。美術館以上に採算性は低いのではないか思われますので、相応の事業費補填増も考えられます。
歴史民俗博物館、古代文化研究センターについても、あったほうがいいに決まっていますし、必要だと思いますが、一方で建設業が窮地に追い詰められようとしている時、このようにお金を注ぎ続けなければならないハコ物建設にこだわらなければならないのか、費用対効果を検証し、島根の将来を考えたとき、今もっと他に力を入れるべきソフト事業があるのではないのかと考え込んでしまいます。
芸術文化センターは着工されていますが、幸い両事業は未着工であります。知事の決断次第でどちらの道も選択が可能です。理を尽くせば、県民にはわかって頂ける、否、決断を賞賛して頂けるのではないかと思います。
本当に今、この厳しいときに建設する必要があるのか。事業延期の決断が必要ではないのか費用対効果についての見解も含め、説得力のある御答弁を期待いたします。
百歩譲って、少なくとも、古代文化研究センターは現在の県立博物館で業務可能ではないのかご見解をお尋ねいたします。あわせて、両ハコ物建設による県内への経済効果と起債制限比率への跳ね返りについて見解を尋ねいたします。 |
歴史民俗博物館と古代文化研究センターについてお答えします。
歴史民俗博物館と古代文化研究センターは、古代文化を中心とする本県の特色ある歴史文化を積極断に活用し、「郷土への誇りと愛着をもった人づくり」、「歴史と文化を活かした地域づくり」を進めるための拠点施設であり、両施設は、まさに島根のレーゾン・デートルと言えるものであります。
温故知新という言葉がありますが、歴史に学ぶことは、困難な時代にあって、打開策を見い出す糸口の発見にもつながるものと考えております。
次に、古代文化研究センターの業務を今の県立博物館で行えないかとの質問でありますが、ご指摘の建物は、築後40年以上を経過している上、時代の先端を行く、多様で高度な調査研究と情報発信を行うためには、著しく手狭で機能が不十分であります。
また、設置場所としても、県内随一の遺跡密集地である風土記の丘に整備することで、周辺の学術的発掘調査、史跡等の整備・活用、調査研究への県民参加の場づくりなどにも大いに資するものと考えております。
なお、両施設を整備した場合の、起債制限比率への影響は、0.3ポイント程度と推計しております。
次に、県内への経済効果についてでありますが、建設工事そのものにおいても、大きな効果が期待され、両施設の建設費を、例えば100億円と仮定した場合、約九十億円にのぼるものと推計される上に、下請け及び資材調達とを含めると、一層経済効果は大きくなるものと見込まれます。
さらに、両施設の開設は、年々増加しつつある本県への観光客を一層増加させる大きな誘因となる上、地域の活性化に資することからも、多大なる効果があるものと考えられます。
しかしながら、施設整備のあり方につきましては、財政健全化との関連で、様々なご意見があることも承知しておりますので、今後県民の皆様をはじめ多くの方々のご意見をお聞きした上で、責任をもって最終的な判断をしてまいりたいと考えております。 |
もとへ |
次に、このような厳しい環境の中、県民、県職員が自信と夢と希望の持てる目標の提示についてであります。
ここまではとても後ろ向きの話でしたが、いくら過去を振り返っても仕方ありません。どう前向きに改革に取り組み、明るい明日を切り開いていくのかということが今最も求められる点であろうと思います。
最初に県職員についてでありますが、高い志を持って島根県に奉職した職員は、県土づくりをリードすべき尊い使命を担っています。今、その県職員の思考が少し内向きになっているのではないかと心配であります。悪循環に陥れば、モラルハザードを引き起こすことにもなりかねません。今こそ、県職員の皆さんには自信と誇りと夢を持って県民をリードしていただきたいのであります。
知事は、強いリーダーシップと信念を持って改革への理念を提示し、士気を鼓舞していただきたいと思うのであります。県職員が確固とした自信と誇り、夢と希望を持って改革に取り組むための理念と方策についてお尋ねいたします。 |
県職員が確固とした自信と誇り、希望をもって改革に取組むための理念と方策についてであります。
私は、機会あるごとに職員に対して、県民の立場や視点からものごとを考え、常に時代の流れを読み、時代の要求を先取りするような積極的な姿勢を求めてきたところであり、それに応えるべく職員も努力してくれているものと思っております。
しかしながら、国、地方を通じた厳しい財政状況のもとで、21世紀にふさわしい分権型社会の実現への道筋をどう切り拓いていくのか、改革に取り組む者としての真価が、これまで以上に、私に、そして、職員一人心とりに問われているものと強く認識しているところであります。
私は、職員の自信と誇りの源の多<は、行った業務に対して県民の皆様から評価を得、信頼されることにあるものと考えております。
このため、県民の視点に立った成果重視の行政運営を行うための行政評価制度の導入や、より県民に身近な地方機関からの政策提案など、地域の実情を反映し、職員の創意工夫が活かされる仕組みづくりなどにより、さらなる組織の活性化や、変革意識の醸成に努めてまいる考えであります。
「改革」自体は、厳しいものであり、その道のりも容易ならざるものと覚悟しておりますが、改革を成し遂げた先にある自立的に発展できる快適で活力ある島根の姿に夢と希望を抱き、この改革に職員とともに取り組んでまいりたいと考えております。
|
次に、県民についてでありますが、県民は未来に対してもっと暗いものを感じているのではないかと懸念しています。
私は、例えば、知事のおっしゃる「子育てするなら島根県」や「人づくり」の原点である教育、「健康長寿日本一」などのソフト施策に特段に力を入れ、敢えて県民に生活のレベルを少し落とすことをお願いしてでも、どこにも真似のできないような子供と高齢者を最も大切する“心が豊かになる”島根の未来像を示すなど、県民が明日の島根に限りない夢と希望を持てるビジョンを提示していただきたいと思うのであります。
将来の島根県の姿について、何をもってどう県民に夢と希望を持っていただくのかそのビジョンをお尋ねいたします。 |
どのように県民に夢と希望を持っていただくのかというご質問についてであります。
私は、これまで、「豊かで躍動する島根」を創り上げることを目標に、県政運営に取組んでまいりました。
若者の人口流出と、それに伴う過疎化・高齢化という大きな流れの中にあって、だれにとっても暮らしやすく、働きやすい島根、住むものには誇りを抱かせ、訪れるものには魅力を感じさせる島根、そういう島根を築くために、道路、下水道、情報網、産業基盤、福祉・医療施設、更には、教育・文化・芸術施設など、さまざまな基盤を整えてきたところであります。
今後は、これまで築いてきたこれらの基盤や地域資源を十分に活用して、本県に活力と働きの場を生み出す産業振興に、力強く取り組むとともに、少子高齢化対策や人づくりなどのソフト事業にも一層配慮することにより、この厳しい時期を乗り切ってまいりたいと考えております。
また、県、市町村、県民がそれぞれの立場において、自立を意識し、知恵を出し合い、互いに協力することが、今までにも増して重要であり、こうした全県挙げての取組みにより、自立的に発展できる活力のある島根を創り上げることができるものと確信しております。
|
もとへ |
第2の質問は教育問題、特にLD・ADHD児などへの支援強化についてであります。
先日、機会があって学習障害福祉フォーラムにお邪魔いたしました。
以前から話で聞いたり、新聞で読むなど、若干の知識はあったのですが目を見開く機会となり、問題が山積している実態をお聞きいたしました。
この子供たちは、全児童生徒の6%を占めるといわれますので、一クラスに2人くらいはいることになります。不登校や自閉症などとも重なり合い、いわゆる問題児扱いされることの多い子供たちですが、対応の仕方によっては普通の子供たちと同じように育っていくとのことであります。そのためには「こころ」を豊かに育てることを第一にしなければならないと言われ、まずは、大人自身の、徹底した人格の錬磨が必要と言われています。
その対策は最近始まったばかりで、教師の不理解や子供の現実を認めようとしない親がいるなど、取り巻く環境は厳しい現状とのことであります。対策は、不登校や自閉症などとも共通するものでもあり、今後の格段の充実が必要であります。
諸課題の中でも、特に、教員研修の強化、校内委員会などの支援体制の構築、医療・福祉サイドとも連携した機動的な相談支援体制の構築などが必要であります。
また、松江教育センターでの相談体制の充実や隠岐、石見地域での相談支援体制の構築も課題であると思います。
それぞれの課題に対する取り組みの現状と、今後の取り組みに対する教育長の決意をお尋ねいたします。
最後に、こうした問題とも深くかかわる少人数学級導入への新年度の予算措置に対する考え方と取組状況をお尋ねいたします。また、1年生だけではなく、今後更なる拡充の取り組みも必要と思いますが、ご所見をおたずねいたします。 |
LD児等への取組みの現状と、今後の取組みについてであります。
ご指摘のように小・中学校の通常学級に在籍するLD児等の特別な教育的支援を必要とする児童生徒は、6.3%に及ぶとの報告があり、まず、一般教員がこれらの児童生徒の状況について理解を深めていくことが必要であると認識しております。
このため、昨年度から開催している「LD・ADHD研修」の受講定員を、今年度は約二倍にするとともに、国が行う中央研修をもとに各教育事務所単位で「学習障害児等に対する指導」、講習会を実施し、理解啓発を進めています。
また、専門的な知識や技能を有する人材が必要であることから、昨年度より国立大学等に教員を長期派遣し、指導者養成を行っております。
校内支援体制づくりについては、現在、松江市をモデルに、指定校における校内委員会の設置や専門家の活用方法などについて研究しており、ここでの成果と課題を踏まえ、県としての対応について検討していく考えであります。
一関係機関と連携した相談支援体制の整備についてですが、LD児等については、小学校入学前からの対応が効果的であること、また、学校教育修了後の進路等の課題も多いことから、医療・福祉・労働などとの連携が重要であります。
このため昨年度から江津エリアで各関係機関が連携し、一貫した相談体制のシステム化を図るための研究事業を実施しており、今後さらに検討を深めていきたいと考えております。
さらに、松江教育センターにおける教育相談につきましては、LD児等に係る相談件数が、平成11年度の61件から、平成13年度は、199件と大幅に増加していることも踏まえ、今年度から新たに教育相談課を設置して体制の強化を図ったところです。
隠岐、石見地域での相談については教育センターからの出張相談を行っておつますが、状況によっては、他の相談機関へつなげるなどしながら、その対応に努めております。
LD児等への対応については、「特別支援教育」の重要かつ新たな課題であり、県教育委員会といたしましては、従来の施策に加え、校内での対応の中心となるゴーディネータの養成や、緊急を要する事例について相談員が直接指導・助言にあたる仕組みづくりなどについて検討しているところであり、今後とも、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、少人数学級導入への取組についてであります。
少人数学級は、子ども一人ひとりに、よりきめ細かな指導を行うことにより、基礎基本の確実な定着や、より深い児童理解など、充実した指導が期待されることから、これまで、三十人学級編制の導入について、検討を行ってきたところであります。
一方、平成十二年度から実施しております、小学校一年生の多人数学級に非常勤講師を配置する、島根スクールサポート事業につきましては、二人の教師が協力しながら、児童の指導を行うことにより、個別指導の機会が増えたり、多面的に子どもたちを捉えることができるなど、学習・生活の両面において、子どもの成長に着実な成果を上げているところであります。
三十人学級編制につきましては、こうした状況を踏まえ、来年度から小学校一年生を対象に、スクールサポート事業との調整を図りながら、学校の実態等に応じた、効果的かつ柔軟な方法による導入をめざし、現在、各方面からの検討を行っているところであります。
他の学年の学級編制につきましては、この小学校一年生における30人学級の成果等も踏まえながら、更なる研究をすすめてまいりたいと考えております。 |