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斉藤鉄夫政調会長インタビュー記事

2006.10/8
信頼基に自民へ意見 教育改革〜家庭の負担軽減図る (山陰中央新報06.10.8付け)

 自民党と連立政権を組む公明党の政調会長に、島根県邑南町(旧羽須美村)出身の斉藤鉄夫衆院議員(54)=比例中国、五期=が就任した。安全保障や教育など国の骨格が問われる局面で自民党とどう向き合っていくのか。抱負を聞いた。

 −小泉内閣では、首相の靖国神社参拝問題などで公明党が押し切られた印象が否めない。安倍政権では政策協議で「けんかする」という姿勢を打ち出しているが。
 「自民との連立という困難な決断をした背景には経済・財政の立て直しがあった。連立を組む中で公明党らしさがなくなったという批判もあったが、今後は信頼関係をべースに言うべきことを言うのが私の役目だ」

 −自民党との政策合意で焦点になる安全保障問題で、集団的自衛権の行使について太田昭宏新代表が憲法九条を背景に「容認しない」というスタンスを強調した。行使できるが研究するとした安倍首相の路線と垂離(かいり)するのでは。
 「首相の言うことは、例えば『日本から離れた地域での平都維持活動で外国の同僚に敵が攻撃した時、武器を使って守れないのか』という、個別的自衛権の範囲で理解できるグレーゾーンについて、定義をはっきりさせたいという意味だ。(他国に対する侵害を排除するための行為を行う)本来の集団的自衛権行使ではない」

 −自民党内からは憲法を改正して集団的自衛権行使が可能になるよう求める声が高まりそうだ。
 「議論自体は否定しないが、(九条を含む)そうした憲法改正は国民に理解を得られないと思う。満州事変から十五年に及ぶ日中戦争も"個別的自衛権的"発想から拡大していった。国外における武力活動は、よほど慎重でなくてはならない」

 −首相が力点を置く教育改革も、与党の政策協議は難航しそうだ。
 「当初、首相が設立する教育再生会議の狙いに右傾化の恐れがあった。だが、教育改革については与党協議会を設けることで自民党と合意しており、きちんと意見を言う。子どもたちの幸せにつながる現場からの改革を目指す」
 −首長のリーダーシップが発揮できるとして待望論もある教育委員会廃止には否定的だが。
 「今の教育委員会制度がいいとは思っていないが、教育は政治的中立でなくてはならない」

 −教育制度改革の具体策は。
 「家庭の経済力によって教育機会の均等が崩れ、格差の拡大再生産につながっている。まず家庭の教育費の負担軽減を図っていく。日本学生支援機構奨学金の上限引き上げなど、学生が利用しやすい制度を提案したい」
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