春らしい穏やかな天気が続くこの頃です。桜の花はほとんど散ってしまいましたが、そんな春爛漫の4月11日、文化庁の芸術文化課長を迎えて、「文化芸術振興フォーラムinしまね」を開催しました。イラクの人質事件の只中ということもあり、ちょっぴり心配もしましたが、活発な御意見を頂き、内容の濃い会合になりました。
清水の舞台
文化芸術振興と銘うつからには、と協議の末、清水の舞台から飛び降りるような思いで、〜党には予算がないのです〜ホテル一畑の高砂の間を借りて開催した「文化芸術振興フォーラムinしまね」。
意見交換の時間を少しでも多く、なるべく多くの皆さんの御意見、ご要望をお聞きしたいと計画致しました。多くの文化芸術団体の代表の皆さまや、各界で活躍される芸術家、街の先生といわれる皆さまにご参加いただきました。
国も地方も大変厳しい時代、真っ先に削減の槍玉に挙げられそうな文化芸術分野。団体の代表の皆さんも同様な心配をしていらっしゃいます。
文化芸術は産業
高校の先輩で、劇団あしぶえを主宰する園山土筆さん(島根県演劇ネット会長)は、21世紀は文化芸術が産業となる、と挨拶してくださいました。
経済恐慌に襲われた米国では、トルーマンがニューディール政策で公共事業への投資と共に、文化芸術振興に力を入れ、パリをしのぐ芸術都市ニューヨークや、世界の映画産業(総合芸術産業といわれる)の8割以上を占めるハリウッドの礎を築きました。
全国一の高齢県、高齢者の皆さんの文化芸術への熱気は高まる一方。島根の産業の柱は文化芸術、と胸を張って言えるような地域づくりを進めたいものと思います。八雲村から世界に発信している、劇団あしぶえという素晴らしい事例もありますし。
最後に皆さまから頂いた意見の一部を掲載しますが、ここにもあるように多くの課題があります。
当面、県民意識高揚のための文化芸術振興条例の制定や、県民が広く文化芸術活動を支援するメセナ機能の充実などをテーマに、平成19年に予定される全国高校文化祭の充実などに取り組みたいと考えています。 |
【ご意見】
- プロとの接点がもっと持てる機会の拡充など、立派になっていく前段の取り組みの充実と制度化。
- アマチュアが学校での演奏会をする時など、ボランティア休暇の制度化や社会の認知。
- 全国高校総合文化祭にも高校総体と同様な国の支援を。
- 文科系の部活動など、若い人の日常的な文化芸術活動支援に金を掛けるようにして欲しい。
- 国の支援策で国と直接交渉をしなければならないものがある。県を窓口に手続きが行えるようにして欲しい。
- 地方ではアマチュアが行政に変わって支えることが多く、汗だけではなく体を削ってやっている。実行委員会形式などには支援措置が人件費にも充当できるようにして欲しい。
- 国民文化祭と国体の認知度が全く違うため、会社の理解と支援が全く違う。文化に対する理解がスポーツ並みになるような取り組みを。
- 全国に500以上のアートNPOが誕生し、ミニ行政の立場で文化活動を支えている。NPOが動きやすくなるような法制度の充実を。
- 指定管理者制度が現場に導入されようとしているが、現場には民間にない高い芸術性を支える部分がある。そうしたものが廃れないように。
- 市町村合併に伴って地域固有の伝統文化が失われる危険性がある。支援体制の充実を。
- 文化は評価が難しい。団体の意義付けをしっかりして欲しい。
- お金だけではなく、元気の出る演出をして欲しい。
- 展示部門では高齢化で裾野がどんどん広がっている。県展を集約化した展示会を開いて欲しい。
- 子供達の心の空洞化が進んでいるが、そうしたところに生け花やお茶の先生などをもっと生かす取り組みを進めて欲しい。
- 出雲メセナ協会は201の個人と企業の協賛を得て幅広い支援を行ってきた。個人の参加をお願いしたいことと、個人も含めて税制での優遇措置の拡大をお願いしたい。
- NPO法人の設立が簡単になるようにお願いしたい。
- アマでもセミプロでも大きな組織になると小さなグループが埋もれる。生かして欲しい。
- 子供達が芸術文化に触れる機会の確保を。
- フォーラムを定期的に開催し、様々な意見を集約してほしい。
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