各誌に大きく取り上げられた県立高校再編計画、幸いなことに?私達の地域は痛みを伴いません。が、地域間対立の構図を乗り越え、子供達の立場に立って考えて行きたいものです。
最初に、山陰中央新報の地方版、ホットラインというコラムの記事を紹介します。
ホットライン
いくつかの高校や分校を統廃合候補に挙げた、県教育委員会の県立学校再編成計画案(二〇〇四〜八年度)。その中身を見て、落胆した関係者は多いはずだ。
少子化に伴い入学定員維持の見通しが立たず、学校の適正規模化が急務‐という再編理由は分かる。が、県立高校は、果たして子どもたちだけを受け入れる学びの場なのだろうか。
中山間地の支局で長く生活してきた。そこで痛感したのは、自らをスキルアップするために通える教育機関がないこと。もし、地元の“最高学府”である高校の入学定員に社会人枠があり、大学と高校連携の特別コースで知識を深め、専門性を高め、資格を得ることができたなら、と何度思ったことか。
学校をつぶすのは簡単だが、教育は定住施策の要。地域再生に欠かせない人づくりに目を向け、大胆な発想で活路を求める長期的な戦略があっていい。県教委は四月十六日まで電子メールなどで県民の声を聞く。大いに議論しよう。(山陰中央新報3.11)
態度保留
県立学校再編成計画案、委員会でも廃校となるであろう分校や小規模校、統合の対象となるであろう高校の地元議員から、いつ終わるのかと思える論議がありました。その末、再編計画への同意は保留し、パブリックコメントを踏まえ、次回委員会で再度論議することになりました。
1/3から1/4へ
昭和38年に比べると32%に激減した中学校卒業生、10年後には25%になってしまいます。
不登校や問題を抱えた生徒達の受け皿ではありますが、地元中学校の生徒さえ希望しなくなった高校。生徒数が激減し、1学年1クラス維持がやっとの高校。その学校があるために近くの学校も定員割れし、満足な部活も出来ない。図書館司書も39校中(分校含む)25校にしか配置されていません。
義務教育でもないのに、皆が高校に行かなければならないのか?職人の世界だってある。素晴らしい技能の後継者が減っている。社会で、教育の中で、職業観を問い直す必要はないのか。
片や財政危機。財政危機が高校再編を促すという構造は看過できません。が、地方も受益と負担を認識し、一定以上のサービスには、相応の負担という住民意識を育てなければならないと思います。分捕ってこれる時代は終わったのです。
地域再生と人づくり
「地域再生に欠かせない人づくりに目を向け、大胆な発想で活路を求める長期的な戦略」、全く同感です。が、それが高校なのか。全県高速通信網も完成した。放送大学もある。高度なレファレンス機能を備えた県立図書館もある。産業振興財団には各種データベースも揃えられている、らしい。あとは、それらを機能的に使っていけるソフトの充実ではないかと思うのです。
残念ながら、あれもこれもから、あれかこれかの時代になってきたのです。限られた中でどう智恵を使うか、いかにコストを少なくしてそれ以上のものを創造するか、それが求められているのではないでしょうか。
対立の構図?
こんなことを言えるのも都市部の議員だから?東京と地方の縮小版?
警察署も地方機関も整理、合理化される予定です。やはり、中山間地の議員からは大きな抵抗があります。選択と集中、その姿がこれではないのか。私は、地方機関の統合は、こんなスピードで良いのかと思っています。またも、“民主的意思形成システムの未成熟の克服”という課題にぶち当たっているように思います。
県教委は4月16日まで県民意見(パブリックコメント)を聞きます。是非あなたも提言してください。 |
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