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トップページ > 趣味と情報について > 三島情報 > 三位一体改革と島根県の航路

三位一体改革と島根県の航路

[2004.1/20]
 国の来年度予算編成方針が閣議決定されてから20日余り、三位一体改革の緒が地方にどのような影響を及ぼすのか、16日、直下の激震を最初に受けた財政課からわが県の平成16年度財政の概要を聞きました。
 県民に明日の島根をどう語るのか? どう未来の夢と希望を示すのか?
 とても難解で困難な命題を突きつけられた、そんな思いです。

地方交付税削減
 地方交付税(臨時財政対策債を含む)12%削減を受ける各地の悲鳴は新聞報道などで知っていましたが、現実を突きつけられるとやはり動揺します。

財政健全化への取り組み
 わが県(県庁と県議会)の危機意識は余りにも希薄であったと何度も書いてきましたが、それでもいよいよ尻に火がついて、今年度から3年間を集中改革期間とする財政健全化への本格的な取り組みが始まりました。
 主なものは人件費の3〜5%削減、公共事業30%削減(補助公共20%、県単独50%削減)などで起債制限比率を18%台に抑えていこうとの計画でした。公共事業30%削減、業界に激震が走りました。
今年度は初年度ということもあり、補助公共5%、県単独33%でしたが、その影響がボディーブローのようにジワリ、ジワリと出始めています。
 しかし、この財政健全化指針では平成17年には基金(今年度末700億円強)をほぼ食いつくし、平成18年度は財政再建団体に転落という財政見通しから、本県が構造的に抱える150億円程度の収支不足を圧縮し16年度から18年度の3年間で段階的に100億円程度の一般財源の削減を目指すことになり、これによって平成20年度にはまだ200億円の基金が残る見込みとなったのです。
 その初年度である16年度は、補助公共を対前年比10%、県単独を対前年比30%削減し、各部局が主体的に推進する施策(15年度は139億円)を25%、経常経費を5%削減するなど約70億円更に圧縮することとしていました。

地方交付税削減と島根県
ところが、三位一体改革の緒となる来年度予算編成方針における地方財政計画では、予想をはるかに超える地方交付税12%削減です。
今月下旬に地方交付税の配分方針が示されるまでその詳細はわかりませんが、単純な試算で280億円の影響です。財政課も成す術なし、お手上げといったところです。
今年度、健全化指針を5割以上上回る削減努力の結果が95億円、更に身を切るような−県民生活への影響は必至です−努力で70億円上積みして削減が16年度の見込みでした。そこに更に280億円!!!!勿論事業費ベースではなく、歳出一般財源ベースであります。
16年度の義務的経費を除く歳出一般財源は、154億円の合併市町村支援交付金を含めて815億円、そこからの280億円です。人件費、扶助費などに手を付けないとすれば、単純に言えば、280億円吸収するためには県の事業を平成14年度の半分にするということになります。
しかし、いまさら市町村や業界などとの約束を反故にすることは出来ません。更に縮減をかけるにしろ何十億円も削減できるわけがありません。
平成17年度、国は更に厳しく絞ってくることが予想されます。ということは、わが県の場合、相当努力しても少なくとも平成18年辺りには財政再建団体に転落というシナリオが見えるのです。

地方破れて東京あり
それを回避する〜というより引き伸ばすためには、人件費の思い切った削減(地域の平均的給与まで〜現在の8割程度?それでも200億円弱)、扶助費の削減、県単独事業の皆削、作ったハコモノの閉館などなど、要するに県職員の仕事は待つことだけとなり、地方は疲弊の極み。
 その先には消費税の増税。
「地方破れて東京あり」
ちょっと悲観的過ぎるでしょうか?
地方からの一揆は起こるのでしょうか?
ない袖はふれない、それにしても、どんな国家像を描くとこんな三位一体が誕生するのでしょうか?

県行政は?
もっとも、我々も野放図すぎました。景気対策、大型経済対策という掛け声と有利な起債に乗せられて、身の丈にあわない投資を続けてきた付けが回ってきただけなのですから。
道州制、県の合併の論議が更に加速することになったと思います。10年を待たずに現実のものとなるのではないでしょうか。
それまでの間、極端な話ですが、ありったけの金と知恵を使って産業の振興と文化興隆、次代の人づくり、特に小中学生の教育に力を注ぐ、あとは市町村に任すぐらいのことをやってもいいのではと思います。そして県内の明るい話題の発掘と発信に精力を注ぐ。
そんなことを考えた1月16日でした。
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