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南窓会レガッタ奮戦記

[2001/8]

  南窓会松江市民レガッタ久々出場! 準決勝出場!!
 去る8月5日に開催された、松江市民レガッタでの南窓会成績をお知らせします。
一回戦は惜敗、第2位で準決勝進出。準決勝では奮闘及ばず、第4位。総合成績:第二部36位以内(参加290艇中)。今回、我がチームの死傷者ゼロ。詳細(レガッタ奮戦記)は後日送付します。取り敢えず速報まで。各位の自愛祈ります。

 上記の一文は市民レガッタの速報を知らせる友人のMailです。

 さて、「南窓会」とは私の南高のクラスメートを中心に作っていますが、会長も事務局長も決めているわけではないのですが、自然と役割が決まり、私はいつも飲み会のセッティング役。3ヶ月に一度は親交を深めています〜そんなことはどうでもいいのですが、その「南窓会」有志で7年位前から市民レガッタ参加が恒例に。
 しかし、みんな年を重ねて忙しい身に。そんな訳で2年間中断していましたが、再チャレンジ、心配した2回の練習にも死者を出すことなく乗り切り本番に。皆の仕事の関係で土曜日の予選はフリーパス(とならざるをえなかった)。いきなり敗者復活戦に。
 予定外の2位に飲みかけていた生ビールを生唾を飲み込んで我慢した涙ぐましい話も。
 予定では私の雄(勇ではない)姿も艇上に見えるはずであったが、議員総会が入ったため泣く泣くというか、胸をなでおろして出場をあきらめ夜のレガッタ会場で合流。生ビールの川に遊びました。

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  南窓会レガッタ奮戦記(2001)
その一 TOW AWAY ZONE

 南窓会4年振りのレガッタ参加は、50歳を越えたばかりの、一見、燃え尽きかけた壮年・団塊の童心にふたたび火をつけ,枯れかけたスピリッツを一気に燃えあがらせた。
 平成13年8月5日。汗を一瞬にして蒸発させる沸暑、炎暑の真っ只中。4年前まで、レガッタに参加した市民を震撼させた真黒のTシャツ軍団が、宍道湖畔に帰ってきたのだ。
 8月5日午前9時44分。周囲の若者達の怨嗟と嫉妬を尻目に、熟れた足取り、重厚慎重なる身のこなしで、それぞれのコックピットに身を沈めた。
 ストロークは中村荘八。南窓会漕艇部の生みの親。この男の情熱に引きずられ、漕艇の面白さと難しさを叩きこまれたものだ。
 初期の糖尿病を、その強靭なる意志と家族の慈愛で封じ込め、血糖抑制剤を闘志エネルギーの触媒にしてこの日に臨む。然も、北高漕艇部OGの愛嬢優子君(三番)や同級生の元国体強化選手の仁美君(二番)も引き連れての参加。
 バウは定席、早川正樹。全国支店行脚苦業の満願を果たし、この度、名鉄観光山陰制覇の特命を秘携しカンバックした南窓会の最終兵器。南窓会の平穏平成を破った台風の目。自他共に認めるキャプテン。
 コックスは長岡徹。焼肉とビールで油脂タンクを満タンにして、我等がレース艇の喫水線を沈めて、艇の浮力と推進力を見事に相殺して見せてくれる元気印。一方で、デジカメを駆使し、自ら披いたHP掲載のための取材も抜かり無くやってのけた(乞うご期待)。
 記録係は高橋彰。心臓弁膜症手術から生還し、手負いの身を持ち前の大らかさで銃後を守り、味方特攻艇の戦闘員を叱咤鼓舞し続ける。
 我等がクルーの一番の自慢は、層が厚い事である。水陸両用人間(ゴルフと水泳)谷田英人。トライアスロンを29年も続けている鉄人広田厚雄。水を捕らえるセンスが光る浅野悦朗。口芸腹芸と知恵で漕ぐ三島治。50の手習いで今年から始めた内田芳人。等などーーーー。

                  (敬称略―次号につづく。伝聞 益井)
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そのニ NO PAIN , NO GAIN

 スタート!――――出遅れた。イマイチ呼吸が噛合わない。オールが揃わない。艇が横揺れしている。出だし150メートルまで最下位。南窓会始まって以来、味わった事の無い屈辱。
 が、見よ!観よ!前の艇と差が縮まった。ガレー船の百足櫂が揃った。独り独りがベンハ−に変身して行く。水を切れ、風を切るのだ。やったァ!!前艇を捕らえた。早くも、2番艇を射程距離に捕らえた。
 長岡が咆える。早川が身体で応える。中村が歯を食い縛る。優子のアドレナリンがほとばしる。長岡が嘶く、中村が四肢を怒張させる、優子が開花する、早川がむ。
 第3位に上がった。新大橋を潜った。あと30メートル。中村ァー顎を引け!早川ァー集中しろ!長岡ァー重心下げろ、声を出せっ−!乱れるなァー!ゴールは目前。
 2位争いだっ!高橋彰の心臓に埋め込まれた人工弁が高速回転し、台風に煽られた風鈴のようにガチガチ鈍い音を響かせる。死ぬ気でやれェェーェー。と自分が死ぬ気で応援している。
 一方、南窓会私設女史応援団は、春日文枝、川島立子のビューティマドンナの両雌。スタート前、岸壁の母の如き慈愛と憂いに満ちた眼差しは何処へやら、父性愛を木っ端微塵にする母性本能丸出しで、黄色い嬌声でエールを送りつづけている。ガンバッテェー!%@$#“P‘〜=z&¥¥¥¥¥!(彼女らの嬌声は全く訳せない)
 ――――後10メートル。早川が錯乱した。勝利を意識した。オールに殺気が走る。無心が解けた。制動が掛かる。伸びない。歴戦の勇者も4年間のブランクは流石に堪えたのか。ゴーーール。
 遅れた。時計判定になる。女史連中は2位だと歓喜し、永島応援団長は3位だと、地団駄を踏み肩を落とした。2位までが準決勝に進むのだ。ほとんどの同志は、南窓会の夏は終わったと思い、早々とビールを空けようとしたその時、待ったが掛かった。
 大会本部から汗をドロドロのかきながら、高橋彰が帰って来て、開口一番、「2位だったぞォ」と朗報を告げたのだ。準決勝進出!早川がそっとビールグラスを置いた。眼が座った。そうか競り勝ったか、奇蹟だ。ミラクルだ。よーし、ミラクルアゲインだ。と長岡が自分を勝手に誉め、早川のビールを飲み干した。益井に電話だ。呼び返せ。新大阪の出先でウズウズしている筈。準決勝が始まる午後2時まで4時間もある。低血糖症状が収まらぬ中村の替わりが要る。新大阪から新大橋まで呼び返せー。

                 (敬称略―次号につづく。聞書き 益井)
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その三 ROMA IS NOT--------------!

 出雲蕎麦の老舗「まるなかうーめん」は大橋川沿い東朝日町にある。
 その昔は片倉製糸工場、我々が学生の時は片倉ボウルに変貌し、現在松江サティとして常時賑うファッションビルを、子分のように従えての威風堂々とした店舗である。当主は中村荘八。南窓会の生みの親のひとりである。その彼の打つ麺に魅かれて、同級の野武士が集まり、又、その人柄を慕って同窓の淑女が集まった。
 荘八工夫の馳走に舌を麻痺させられ、甘口の地酒に五臓六腑を撹乱され、旧交親交を重ねていた13年前の或る日の事。寺田屋に終結した志士に、倒幕の密書を見せるように、荘八が一片の紙をひけらせながら提案した。「諸君!市民レガッタに参加しよう!」「坂本の竜馬は海援隊で日本を覚醒させた。我々は南窓会で宍道湖中海の制海権を確保しよう。その為には先ず、ボートを漕げる様になろう!」「そうだ、中海干拓阻止!水の都の環境を守るのだ!」「そうだ、男女別学の怨念を今こそ晴らすのだ??」等々、酔っ払いの放言三昧の呵呵大笑。衆議一決。
 以来、南窓会の夏は水攻略一本に絞られた。目標を定めた時の団塊世代は剛い。時には、家族の婦女子を駆り出して女子チームを創り(チーム名「南窓会の女たち」)、その女達のフェロモンは、大橋川両岸の市民を悩殺幻惑させた。
 三つ子の魂百までもの諺通り、その時、中学生で参加した荘八の愛嬢優子君は、後に、漕艇部のある北高に進学。漕艇部に入り夢を適えた。
 漕艇競技が、他の団体競技と全く異とする事は、上手がチームを引っ張るのではなく、下手がチームを引っ張るのである。4人の呼吸、意思、技量が一矢乱れず揃わないと、艇に余分な制動が懸かる。チームワークが何より求められる競技なのだ。めいめい、我侭・野放図に育ったツケを、漕艇を知る事で徹底的に吐き出させられた。
 練習に継ぐ練習、その後の痛飲会と、エネルギーすべてFOR THE TEAM の合言葉に費やされた。
 時は昭和末、平成前夜。この時、旗手中村荘八に呼応した同窓同期生は以下の諸君。早川正樹、谷田英人、浅野悦朗、三島治、永島康夫、広田厚雄、益井謙、高橋健、高橋彰、内田芳人の男組。川島立子、岩原笑美子、門脇陽子、春日文枝の女組。それぞれ、40歳直前の華を育みながら、夏の宍道湖上を心ゆくまで滑り、親交を深めた。  

                 (敬称略―次号につづく。文責 益井)
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その四 EASY COME , EASY GO

 平成13年8月5日。午前9時50分。初戦終了直後。新大阪駅前。新大阪ワシントンホテル。
 ホテルで寛ぐ益井の携帯電話が矢継ぎ早に鳴った。春日から、早川からだ。耳を当てれぬ程の春日の歓喜きわまる声、そして、早川の枯れきってはいるが準決勝進出を伝える上ずった声。朗報。吉報である。
 即座に益井は研究会同志に暇乞いをし、見限られあっけに取られた連中を尻目に、伊丹に向かった。
 中村がバテて、長岡が酔っ払って、早川がこむら返りで苦しんでいる。蕎麦屋の同志を援護するは赤穂の浪士ならずとも必定の事。幸い、キャンセル便に引っ掛かった。
 前夜の懇親会の酒が六腑で澱になり、五臓を腐らせようとも、行かねばならぬ、戻らねばならぬ。レガッタ真っ最中の宍道湖上空を通過ももどかしい。新大阪から新大橋までの距離が、うんざりする程長く感じた。
 出廷20分前。間に合った。早川ァー帰ったぞ−。中村ァー大丈夫かァー!半禿げ頭に捩じり鉢巻、襷掛け。陽炎蹴立てて、サク、サク、サク、サクサクサク!益井イーーーー!オオ−蕎麦屋かァー!!!!!初戦の奮闘を伝える同窓同志の顔が、真っ白に塩吹いて固まっている。底抜けの笑顔だ。輝いている。例え、針地獄に落され、血の池地獄に迷い込もうが、彼奴等とならば、針を釣針に加工し、血の池で竿を出し、太公望を愉しめよう。
 ゴールラインが我が艇に有利に短かったとか、下げ潮が有利に流れて呉れたとか、天の利、地の利を説いて、口々にミラクルの謎解きをした。
 が、勝者は勝者。勝者のみが歴史を創る権利がある。胸を張って準決勝のスタートラインに着く栄誉を享受しよう。準決勝のレースは、作戦通り、コックス中村、ストローク益井の布陣。甲斐騎馬軍団得意の鶴翼の陣形。兵が疲弊し、潮と風がともに逆の時に用いる、南窓会得意の戦術。他の艇がもたもたする中、スタートラインに一回で着く。
 号令スタートから30メートルまでは首位争いをしていた、筈。それほど呼吸は合っていたし、気力は充実していた。が、35メートル辺りで急に失速。往年無敵を誇ったスーパーチャージャー、ターボ、アフターバーナー等附属内燃機関の出力が上がらぬ。perseverance(我慢・忍耐)機構のネジが緩んだ。グリコーゲンが乳酸と化し、全躯の筋肉の隅々を硬直させた。51年間休み無く拍動し続けた心臓がエンスト寸前ノッキングを繰り返す。鼻孔、口腔は無酸素状態。ゴールが遠い。
 惨敗、必敗、大敗。第4位。レースを愉しもうぜと言ってた筈が、何だこの悔しさ、寂寥感は。燃焼し尽くした五体不満足を引きずって湖岸に座り込む。皆無言で、湖面を悠々滑空する鬼ヤンマを見続けた。生者必滅、会者定離。奢れる者久しからず。全力を尽くした51歳の挑戦は終わった。青春の夢を人生の秋に実現する為の、今世紀始めの我々南窓会漕艇部の夏は終わった。

                     (敬称略―了。文責 益井)
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