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戦争責任の歴史検証〜渡辺恒雄発言に思う

[2006.5/29]
【眉につば】
 5月7日、歴史認識と靖国問題についてブログに書き、HPに補足をUPしました。
 17日、福岡政行教授の講演を聞き、渡辺恒雄氏の「論座」2月号の発言と3月の外国特派員協会での講演が注目されていることを聞きました。

 先日、特派員協会での講演テープが手に入ったので聞き、今日、頼んでいた「論座」2月号の若宮啓文朝日新聞論説主幹と渡辺氏との対談を一冊にまとめた「靖国と小泉首相」が議会図書室に届いたので先程読み終えました。
 わが国の戦争責任について、歴史検証すべきである、国会に戦争責任検証常任委員会を設置してはどうか、という講演で、「あの」読売の主筆が?その発言の背景は?と眉に唾する思いで、いぶかしく思いました。

 若宮氏が、読売の論調は変わったと言ったことに、中曽根首相が参拝した時も直言したと発言しています。また、知りませんでしたが、昨年11月には超党派の国会議員で作る「国立追悼施設を考える会」(山崎拓会長)に呼ばれて講演したとのこと。
 「小泉さんもあまり歴史の勉強をしていないと思う。戦争体験ももちろんない。恐らく何も知らないで、英霊、犠牲者、戦没者が可愛そうだ、そういう人たちを慰めるのだと言う単純な発想で参拝しているのだと思う。だから、満州事変以降の歴史を本当に勉強したら、わかってくれるんじゃないかと思う」という渡辺氏の言葉、的を射ているのではないでしょうか。
 少し肌合いが違うと思う部分もありますが、戦争責任について、歴史検証すべきという意見には賛成です。

【歴史検証】
 日本は、今までこの作業を自ら行うことを避けてきたと思います。
 それが、首相の靖国参拝による中国・韓国の反応に、いたずらに感情を高揚させ、小泉的言説に軽く乗ってしまうという軽い日本の世論を作ってはいないでしょうか。
 渡辺氏の発言に対する、そのような世論の象徴的な姿と思える2チャンネル系の反発は、目を覆いたくなるような中身です。

 ここまではブログの通りです。

【あれよあれよ】
 今日、出納長と話をする中で、当然のことながら「新型交付税」の話になりました。以前報告したとおり、少ない見積もりで283億円ですが、職員給与を30%カットしても210億円と言うような話から、少々異論や反発があろうと戦争の時のよう、あれよあれよと既成事実が積み重なっていくんでしょうねという話に進んで行きました。

 有事の際、“あれよあれよ”としないためにも、自らの手で戦争責任に対する歴史検証をしっかり行い、日本人の心に、指導者の心にわが国の辿った戦争の歴史的事実をを刻むことが今こそ必要であると思います。

【なぜ今?】
 なぜ今?ということに対して、遅くなったかもしれないが、自分も理不尽な戦争を体験した身であるが、身をもって経験したものがいなくなり、理でしか語れなくなってしまう。また、「中国や韓国の反日を収めるために歴史認識を変えろ」と言うんじゃない、とも語っています。

 日本は、あんなに力を入れたはずの国連常任理事国入りでつまずいてしまいました。
 私は、戦争責任に対する歴史検証さえあいまいにして良しとしている、わが国の基本的姿勢の当然の帰結と思えます。
 もの凄い勢いで経済発展を遂げる中国に対し、また、隣国韓国に対し、言いたいことははっきり言っていける、その上で重要かつ対等なパートナーとして、手を結んでいく、そして、人権大国日本として世界平和構築に貢献する上でのベースではないかと思います。
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