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イラク事件の自己責任論と新聞離れ

[2004/4/25]
【自己責任論】
 イラク人質事件の自己責任論で議論が過熱している。
 「もっと自覚を持って欲しい」と発言した小泉首相。そして「日本国民はリスクを背負って行動した彼らを誇りに思うべきだ」と発言したパウエル長官。
 今日の山陰中央新報にも、「不可解」「奇異」な日本、米社会 人質への非難に驚く、との記事が掲載されている。
 小泉首相の発言を聞き少なからず驚いた。心情的にはパウエル長官である。しかし、批判的な記事を読み大切な点が欠落しているのではと思う。

 先日、わが党の参議院の新人候補、谷合正明氏と行動を共にした。彼は、国際医療ボランティアAMDAの職員として、世界30カ国以上で活動してきた経歴を持つ。
 昨年6月、人質となった3人と全く同じルートでバグダッドに入ったという。ただ、違うのは、ヨルダンでイラク人スタッフと入念な打ち合わせをと準備を行い、部族長などと隊列を組んで移動したということ。あのような地域で活動するのに、彼らの行動は考えられないと話す。
 また、NGOなどの活動に参加する人に、二つのタイプがあるように感じるとも。一つは、純粋にボランティアとして貢献したいと飛び込むタイプ、もう一つは、自己目的のために参加するタイプ。
 彼らが、後者と指弾するつもりは毛頭ないが、少なくとも危険な地域へ入るには、余りにも準備不足だったのではないか。

【NGO支援】
 一昨年、委員会でNPO活動支援の提言を取りまとめたが、その時に感じたのは、こうした分野への行政の理解と取り組みがとても遅れているということ。
 先年、外務省とNGOを主催する大西氏との確執が話題となったが、国家としてのNGOへの理解と支援は、後進国並みと思えてならない。NGOが海外で活動するための国家としての支援プログラムのようなものがあり、参加する皆さんへの教育などがきちっと行われていれば、少し違っていたのではと思うのは甘い?
 国家として、そうした責任をきちっと果たした上での首相発言であれば、違う反応もあったかもしれません。今回の首相発言、靖国参拝正当化の論理とダブって見えたのは私一人?

【2チャンネル】
 この自己責任論を後押ししたのが自業自得論といわれる。
 東大の北田助教授が新聞に執筆していたが、ネット掲示板「2チャンネル」に代表されるネット世論では、この自業自得論がもっと屈折した形で展開されていたという。以前、私もこの「2チャンネル」に親しんだ経験(参加するところではないと思ったが)があるので、さもありなんと思う。
 「市民派然とした被害者のキャラクターをいじりながら、面白おかしくコミュニケーションを連続させていく」2チャンネル独特の様式が、今回は一般世論でも形作られたとの見方を示している。
 その背後に「屈曲したナショナリズム」が見え隠れしていると述べている。

【新聞離れ】
 新聞から若い人が離れているという。
 積んでいた、「新聞は生き残れるか」(岩波新書)を東京出張の行き帰りに読んだ。
 この中で、その大きな要因の一つが昭和50年代から起こっている激しい若者の意識変化〜自己中心で現状肯定的になっていると分析している。変革はいいとしても自らは手を下さず、他力依存型。「青年達はもはや近代に反乱はしない。ただ近代に飽和している」。
 このあたりの意識が「2チャンネル」と重なり、それが、ネット社会だけにとどまらず社会に広がりを見せている。
 新聞離れと自業自得論、そこに日本社会全体の一つの流れのようなものを感じ、衰微して行く日本の未来を感じたのです。

 図書館振興は、ライフワークとの思いで取り組んでいます。戦略的な読書活動振興こそ、このような意識を変革する一つの有力な取り組みではないかと、改めて思っています。
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