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【発生状況】
- 開口部に囲いなど墜落防止措置を講じず
Xはビニールシートを敷く作業をしゃがんで後ろ向きに行っていたため、トラロープに引っ掛からずに下をくぐり抜けて、墜落したものと考えられる。また、Xは保護帽を着用していたが、その下に帽子を被っていたため、あごひもをしっかりと結んでいなかった。
安全帯は人数分備えていたが、社長は搬入作業であることから、安全帯は必要ないと考え、自動車に置いたままにした。また社長は、開口部に墜落防止措置が必要であること、しかも囲いなどは容易に、しかも安価で設置できることを知りながら、「繊維ロープで注意喚起すればそれでよい」と考え、本質的な墜落防止措置を行わなかった。安全を軽視して、墜落防止措置を怠ったとして、A社と社長は労働安全衛生法第21条第2項、労働安全衛生規則第519条第1項違反の疑いで送検された。
事故を担当した監督官は、「後ろ向きで作業中に開口部から墜落するケースは多い。注意を喚起するトラロープでは、墜落防止にならない。横着せず、囲いや手すりなどを設けてほしい」と語った。
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